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記者が自分のメディアを持つということ

はじめまして。杉田淳(すぎた・まこと)です。本業は、NHKの記者をしています。

noteの個人アカウントは開いたばかりですが、「NHK取材ノート」のアカウントで記事を書いたことがあります。

NHK取材ノートは、放送などでは伝えきれない取材の裏側や記者の素顔を発信しようというものです。

私は、視覚障害を抱えながら仕事をしています。

現在、全く見えないわけではありませんが、日常生活でも不便が多く、また進行性の病気のため、この先どうなるかわかりません。

そんな自分がどんな働き方をしているか、去年の末、開設されて間もないNHK取材ノートに書きました。

この記事を出したことで、自分の心のありようは大きく変わりました。

振り返ると、目の前の視界が少​しずつぼやけ、健康が損なわれていくことを日々自覚しながら、後ろ向きのことばかり考える時間が長く続きました。

医者から「もう障害者手帳が取れるレベルだよ」と言われてから実際に申請するまで、ずいぶん逡巡しました。

なぜなら、障害者になりたくなかったからです。

自分の身に起きていることを受け入れることの難しさに悩みました。そして、自分の内面にある差別意識に辟易しました。

NHK取材ノートで、自らの境遇を打ち明け、この困難を乗り越えていきたいと書いたことでとても気持ちが軽くなりました。

多くの方から励ましや共感の言葉をいただきました。想像を超える量でした。

記事を読んだネットメディアから取材も受けました。記者として取材をする側にいましたが、取材されるのは初めての経験でした。

発信すると世界が広がる。その面白さを体験したことで、「個人として発信する場所」を持ちたいと思うようになり、noteを開設することにしました。

好きなことを書ける自分のメディア。ここからまたつながりが生まれることを願っています。

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