変わらないために変わり続けるということ〜代謝・治癒・バランス〜
「変わらないために変わり続ける」
昔聞いた、とある方の言葉が今でも胸に残っています。
この言葉は「生き方」に関する文脈で述べられた言葉で、人それぞれ生きていく上で大切にすることを持ちながら、大切なことの表現が「生きる」ことだとしたら、その表現方法は一つの方法に固執することはなく、しなやかに変わっていけばよい。そのように捉えています。
そして、この言葉は心持ちに関する以前に、自分自身の「からだ」において瞬間瞬間に「代謝」という形で具現化していることに気付きます。
「代謝が良い・悪い」と言いますが、たとえば、皮膚は複数の層から成り、それぞれの層で細胞分裂が起こり、古くなった皮膚が垢となって剥がれ落ちていきます。そうして新しい皮膚が古い皮膚に入れ替わっていくわけです。
あるいは怪我をした時、傷口に「かさぶた」ができて、やがて「かさぶた」が剥がれ落ち、剥がれ落ちた部分の皮膚が徐々に入れ替わっていって元通りになっていく。自分自身で自分自身をを作り変えることが「治癒」あるいは「自己修復」という形で表現されます。
「癒される」という表現がありますが、この「自分自身を作り変えること」が治癒の根底にあるのだとすれば、癒されるとは「外から与えられるもの」というよりも、むしろ傷ついた自分、過去の自分を内側から押し出すことで新しく生まれ変わる感覚に根差している、つまり「内発的なもの」と捉えるほうが適切なのかもしれません。
つまり「癒されたい」という言葉は、「外に何かを求める」というよりも、「あるべき流れ・バランスを取り戻したい」と捉えるほうが健全なのように思えます。
生物の代謝に学ぶ「変わらないために変わり続ける」ということ。
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