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身体を通して調和を取り戻す(表方が先に働いてしまうと裏方の存在に気づけない)

先月からパーソナルトレーニングを受け始め、自分が使えていない筋肉がじつに多いことに気付く。ルーティーンでヨガやトレーニングを続けていると使いやすい筋肉ばかりを使ってしまう。

お腹まわりの筋肉を例にとると腹直筋、腹斜筋、腹横筋など、力を入れるとすぐ反応する筋肉に偏ってしまう。しかも、その力はある程度は意識することで入れることができる。

一方、大腰筋という筋肉がある。背骨と大腿骨の間をつなぐ筋肉で、まっすぐ立つ姿勢を保持したり、太ももを引き上げるときに働く。現時点ではこの筋肉を動かそうとすると、反応しやすい腹直筋が先に反応してしまうことが多く使い分けることが難しい。腹直筋が表方だとすれば、大腰筋は裏方と言える。

大腰筋→腹直筋の順番でなければ大腰筋を働かせることが難しい。一度、腹直筋が働いてしまうと、その状態から大腰筋に意識を向けることができなくなってしまう。正確には微細な変化を感じ取るのが難しくなってしまう。

パーソナルトレーニングのインストラクターの方が言うには、「裏方の筋肉を意識的に働かせるためには条件が必要」なのだそうだ。その条件とは表方の筋肉が働いていないこと。だから表方の筋肉が働いてしまったら、まずは力を抜いてリセットしなければいけない。

裏方と表方が対等な関係であるためには、表方と裏方が調和するためには、まず裏方の存在を、微かな声を感じ取ることが必要なのだということ。

様々な情報が飛びかう社会の中で、目立つ人や物事に意識が向いてしまうことは致し方ないかもしれない。でも、その人や物事だけで世界は成り立っているのではない。表と裏、光と陰のようにたしかに支えている存在がいる。

時折でいい。いつもの自分をリセットしてみる。ルーティーン化している事から離れてみる。視野を広げてみる。見えているけれど見えていないこと、感じ取れていない事があることに気づくかもしれない。

身体は自分自身。全体性、調和の感覚を取り戻していくためには、無意識のうちに閉ざしてしまっている「身体性」を解放していくことが重要なのではないだろうか。

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