小学生の頃、造形教室に通っていました。
絵の具やクレヨンで絵を描いたり、粘土をこねて陶器を作ったり。一緒に通っていた友達の作品から放たれる力強さ、繊細さをうらやましく思いつつも「上手に描きたい、作りたい」という欲は強くなかったかもしれません。
どちらかというと、色が混ざり合うことへの新鮮さ、粘土が手になじむような質感をただただ味わいたい…。そんな気持ちが強かったように思います。
実家の居間にその頃に作った焼き物が飾られているのですが、その中の一つに「小さな人」が上を見上げ、手を伸ばしている像があります。その人の顔が、あふれるばかりの無邪気な笑顔で。
その像を作った時のことは詳しく覚えていないのですが、空を見上げて太陽に向かって手を伸ばしているように思います。
人の像が放つ無邪気な笑顔を通して、「無邪気な自分」と出会い直したような気がするのです。
「誰かのために」よりもまずは「自分のために」
それは自己中心的ということとも違うのですが、評価を気にせずにただただ「なんとなく嬉しい」「なんとなく楽しい」という気持ちに素直になる時間を大切にしたいと思うのです。