事業会社と金融機関で大きく異なる「破綻」の意味合い

2023年3月10日に、米国地銀でシリコンバレーを中心に営業基盤を持つSilicon Valley Bank(SVB)が「破綻」した。
リーマンショックに次ぐ規模の「破綻」だったということでニュースをにぎわせており、すわリーマンショックの再来かとツイッターでつぶやく人もかなりいるのを見かけた。

【参考記事】
シリコンバレー銀なぜ破綻? テック金融の要、不安連鎖

ニュースの字面だけ見るとすごく劇的なニュースにも見えるが、随分とリーマンショックと状況は違うなあと思いながらニュースを個人的には見ており、世間が騒ぐより冷静に見ている要因としては「破綻」という言葉だけが独り歩きしていて、その意味を深く知っているか知らないかの差ではないかと感じた。

具体的には、一般の人がよくドラマで見る取り立てが発生するような事業会社の「破綻」と金融機関の「破綻」というのは大きく性格が異なるのは、金融に詳しい人であれば常識なのだが、一般の人や馴染みがない人にとっては「え、そうなんですか?」という話になる。

今回はこの金融機関の「破綻」というのが、どれだけ事業会社の「破綻」と異なるかを解説し、SVB破綻問題の先行き影響を考えるヒントを提供していきたいと思う。

1、事業会社の「破綻」とは?

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