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空の向かう方は…

 4月3日より、現実と妄想の境目への精神的朦朧により入院していました。

 僕の病名は統合失調症で、夜、様々な大人数の声、お経などが聞こえたり、古代の聖人から話しかけられたり、身体に太い針が入ったようにガタガタ震え地面が揺れる感覚になったり、不可思議な現象は今回、かなりの状況で、入院に至り、昨日退院しました。

 きっと僕の内側で起きていたことは、外側からはまるでわからず、大袈裟にも見えるだろうし、甘々な精神薄弱とも見て取れると思います。

 入院して病室に入るやすぐに、こんなことをしている場合ではないと気づき、センター室の窓をたたいて出してほしいと叫んだことから、入院はロックされた隔離室から始まりました。

 しばらくして落ち着いてきた頃、4人部屋へ移していただき、入院中は様々なことを考えました。

 このようなことは僕はこの人生で4回目になります。精神科の病棟は外から見える姿と中から当事者として見る姿ではまるで違うものがあります。
 心理的病状を抱える方々の看護にあたる看護師の方々の心の強さ優しさ使命感に、今の時代においてとても大切な仕事の一つ、大きな仕事の一つを見ました。

 ブレることなく看護という仕事を成し遂げる。それは生半可なことではないです。
 なぜなら人間は誰しも多かれ少なかれども、その要素をみんな持っているのだと僕は感じているからです。

 僕は2000年に作詞家として仕事を始め数曲のヒット曲も書かせていただきました。
 でも、実際は現在、経済的にはもう破産をしているような状態にいます。
 JASRACからの3ヶ月に一回の印税は3ヶ月で8万円ほど、原盤の出版社からの印税は通常で全てで3万円ほど。なので、1ヶ月約4万円ほどというのが実際の僕の手元に残る印税。
 100曲ほどの歌を書いてきて、それが現実です。
 そうして、たまにDVD、アルバムなどが発売されると一ヶ月のアルバイト代ほどの印税があります。

 いいじゃないか、うらやましいじゃないかと思われる方もいらっしゃると思いますが、実際の作詞家として立っている場所をよくご自身に置き換えてみられてみたならば、現在の僕の気持ちもわかるような方もいらっしゃるかと思います。

 そうして、ならば、やはり良い曲を書いて売れなければと、自分は一端の作詞家なのだと気持ちは焦り、欲と煩悩が湧き上がり、成功哲学、苦行的なこと、呪術、迷信、祈りなど、歌の本質とは関係のないような縁起に頼ってみたりして、様々に見る現象に、妄想は増え続け、入院に至りました。

 人生で本当に大切なことは何なのか。
これも、古典などを知れば知るほどに両極に正解があり、よくわからなくなるものです。

 ただ、言えることは僕はあまりにも世間知らずでした。
 歌を書くことと、熟達もしていないデザインの仕事で、なんとか生きている気持ちになって過ごしてきました。

 沢山の方々の気持ちも傷つけてきたこともあった。今もその渦中ということもあると思います。

 今後は自分と同じような苦しみを抱えている人々に寄り添って、解決策とは言えなくても癒しの、慈悲の心を表現することのできる詩人でありたい。

 愛媛地方での地震、争いなど、世界はもっと大変なことが多く、今この時に精一杯な人々の中、自分のことばかり書き、生きているだけで恥ずかしい部分もありますが、自分として、今このとき、まだ生かされているのであれば、自分にできることをしていきたい。

 心はつながっている。それが真理であれば、世の中よ平和であってほしい。
 人々に希望を見せていてほしい。

空の向かう方は

作詞 あとじまこと

弱さを認めたくなかった 世間を甘く見て生きてきた
自分を守るため汚した空 心を軽んじ残酷に
何もかもに迷い もがいて

信じられるわけないだろうこの僕を
理解されるわけないだろう言う言葉を
こんなにも温かな人々の涙ある世界で
今になってもまだ諦められず
僕が見上げる空の向かう方は…

誰かの描く物語にいつしかわかりはじめて
友情と愛情をどんなに見捨ててきたことか
欲望まみれ心失い

感じ伝えることさえ虚ろなこの僕に
何ができるよと聞かされる瞬瞬に
こんなにも誠実な人々の笑顔ある世界で
人々はみんな大空に希望見つめ
時代が見上げる空の向かう向きは…
ただ幸せであるようにと

今の僕にあなたにできることを…





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