落ち着いて、お茶を飲み、祈る
世界が難局を迎えているいま、わたしたちに出来ることは、なんだろう?
第二次大戦でイギリスがドイツ軍の上陸侵攻の危機に晒されていた時、内務省では国民を落ち着かせるために大量のポスターを制作した。
でも、バトル・オブ・ブリテン(英本土防空戦)でイギリスは制空権を守り切ったので、ドイツ軍は上陸を断念。ポスターは街に貼りだされることなくお蔵入りとなり、戦後、その存在は忘れられた。
2000年になって、倉庫からこのポスターが偶然発見され、デザインが秀逸だったことから反響を呼び、衣服や雑貨のモチーフに使われるようになって、いまではイギリスの土産物屋で必ず目にするアイテムになっている。
そのポスターは、ロイヤルクラウンのロゴで、こう呼びかけているんだ。
KEEP CALM AND CARRY ON
「落ち着いて、生活を続けよう」
ザ・ブリッツ(ロンドン大空襲)の中でもロンドンっ子は紅茶を飲むのを忘れなかった、と、伝説のように言われているけど、それに倣うとしたら、このコロナ禍にあって、自分の生活を続けること、お茶を飲むこと、そして、「祈る」ことができる、と思う。
特に、国の政策担当者に、知恵と洞察力があたえられるように祈らないと。。。だって、ほんとうに、正しい判断をするのが難しい時代だから。
今日の聖書の言葉。
あなたがたの中で知恵の欠けている人がいれば、だれにでも惜しみなくとがめだてしないでお与えになる神に願いなさい。そうすれば、与えられます。
ヤコブの手紙 1:5 新共同訳
創造主である神が、人間にあたえる恩恵のなかで、「知恵」も、神からの賜物のひとつに数えられている。
賢人王ソロモンが書いたとされる箴言には、おもしろいことに、擬人化された知恵が出て来て、知恵について知恵自身が、こう語っている *¹。
わたし(知恵)によって王は君臨し
支配者は正しい掟を定める
君候、自由人、正しい裁きを行う人は皆
わたしによって治める
政治に携わるひと(王、君候、自由人、裁判官)には、神から「知恵」が授けられ、それによって、統治行為を行うことが可能になる、と言うんだ。
そして、それを証しするかのように、ネブカドネツァル王のストーリーがダニエル書に出て来る。
ネブカドネツァルは、バビロニア帝国の王として、神から「知恵」を授けられていたんだけど、慢心したために神の不興を買い、なんと、知恵を取り上げられ、その結果、理性を失ってしまうんだ。
天から声が響いた。「ネブカドネツァル王よ、お前に告げる。王国はお前を離れた。 お前は人間の社会から追放されて、野の獣と共に住み、牛のように草を食らい、七つの時を過ごすのだ。そうしてお前はついに、いと高き神こそが人間の王国を支配する者で、神は御旨のままにそれをだれにでも与えるのだということを悟るであろう。」
この言葉は直ちにネブカドネツァルの身に起こった。彼は人間の社会から追放され、牛のように草を食らい、その体は天の露にぬれ、その毛は鷲の羽のように、つめは鳥のつめのように生え伸びた。
その時が過ぎて、わたしネブカドネツァルは目を上げて天を仰ぐと、理性が戻って来た。わたしはいと高き神をたたえ、永遠に生きるお方をほめたたえた。
ダニエル書 4:28-31 新共同訳
このストーリーのおもしろいところは、へりくださらされたネブカドネツァルに、神がふたたび理性を戻してくれた、というところだ。
神は、神なので、神の思いのままに、この統治者には「知恵」を授け、あの統治者からは「知恵」を奪うことができる。。。
その神は、わたしたちがイエスの名によって願うとき、その願いを聞いてくれる *²。
だとしたら。。。これは、本気で祈らなければならないよね。
註)
*1. Cf. 箴言8:15-16
*2. Cf. ヨハネ14:13-14
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