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マルクスの遺言???

疎外って、実は、共産主義の父であるカール・マルクスが考え出した概念なんだけど。。。クリスチャンである自分も、よく考えもせず、なにげに使ってしまっている。。。

疎外。。。生きている自分が、なんか、本来あるべき自分ではないように感じられて、心が満たされないから、何か別の代償を求めてしまう状態。

多くの人は、心のすきまを埋める代償を、商品購入に求めてしまう。マルクスによれば、こうして商品が「物神化」して行くんだ。お買物依存症とか、それだよね。このコロナ禍で、みんな疎外された状況にいるから、アマゾン、ポチっ。。。もうね、物神化しまくり。。。

聖書に出て来るユダヤ人の歴史を見ると、感じるのは、そして、聖書が書き終えられて以降のユダヤ人の歴史を見ると、もっと感じるのは、彼らはまさに「疎外」の歴史を生きてきた、ということだ。

ユダヤ人は、神に愛され、選ばれている民であるにもかかわらず、歴史の中で何度も大災忌を経験させられている。。。アッシリアによる捕囚、バビロンによる捕囚、アンティオコス・エピファネスの暴政の下での民族離散、そして、紀元70年のユダヤ戦争とエルサレム陥落により、実に2000年近くの長きにわたって続いた民族離散。。。

マルクスは代々ユダヤ教のラビを務める家系に生まれて、お父さんもラビだったから、そのDNAには、どっぷりユダヤ的思考が入っていたんだよね。疎外なんて、まさにユダヤ人の歴史の体感覚から生まれた概念だと思う。

まあ、でも、マルクスはユダヤ教を批判して、「ユダヤ人のほんとうの神は、金だ!」って罵倒したわけだけども。。。しかしね、2000年近くも疎外されてたら、物神化でもしなければ、ほんと、せつなくて、やりきれなかったんじゃないかと思うよ。。。

今日の聖書の言葉。

主よ、あなたは御自分の地をお望みになり ヤコブの捕われ人を連れ帰ってくださいました。
詩編 85:2 新共同訳

第二次世界大戦下のナチスによる大量虐殺から、国際社会がユダヤ人を守れなかったことを反省して、国連がパレスチナ分割案を決議し、それにもとづき、1948年5月14日にユダヤ人の独立国家「イスラエル」が建国された。

これは、世界史上における奇跡と言われている。約2000年前に滅亡した国家が、現代に再建された、ということ自体が奇跡だけれど、それだけでなく、当初反対していた共産主義国のソ連が、決議の直前に突然、賛成に回る、という奇跡も起きたんだ。なぜソ連が翻心したかについては、謎らしい。。。なんだろう。。。マルクスの遺言にでも書いてあったんだろうかね。。。

こうして、世界各地に離散していたユダヤ人が帰還し、いまイスラエルには800万人のユダヤ人が生活している。

でも、じゃあ、それで「疎外」が終わったかというと、そうではなかったんだ。建国した翌日、イスラエルは周辺のアラブ諸国から攻め込まれ、第一次中東戦争が勃発した。その後も、第二次、第三次、第四次と中東戦争が起きた。そんななか、イスラエルの存在が、パレスチナ人を疎外する、という状況にもなってしまっている。。。

聖書の預言では、世の終わりが来る前提条件として、ユダヤ人がパレスチナで平和に暮らしていること、が挙げられている *。そんなこと、ぜったい不可能だよ、と世界中のだれもが、つい昨日まで思っていた。。。ところが、この8月中旬から、アラブ諸国がつぎつぎとイスラエルとの国交正常化を実現する流れになっている。。。わたしたちは、世界史上の奇跡を、いま、まさにリアルタイムで、目の前に見させられているのかもしれない。

註)
エゼキエル 38:8

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