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人生のリセットボタンを、ダダオシする

節分ですね

豆を投げて、鬼を払う。正式名称は「追儺」(ついな)。。。人生に災いをもたらす悪鬼や悪霊を追い出すという、大晦日や節分に行われるイベント。

これって、超自然の邪悪な力が、人生に働いている、という人間のリアルな実感にもとづいたもの、だと思う。

ダダオシ。。。

奈良の長谷寺では、お正月から7日間、罪を懺悔する「修正会」(しゅうしょうえ)が行われる。。。犯した罪を、あらいざらい告白しなさい、ということ。。。

その上で、2月8日から7日間、罪を悔い改める「修二会」(しゅにえ)が行われる。最終日の2月14日(バレンタインデー!)には、赤や緑や青の鬼がドタドタ走り回る「ダダオシ」が行われる。。。罪を懺悔し、悔い改めると、心に巣食っていた悪鬼・悪霊が追い出され、逃げ去って行く、というわけか。。。

不幸の原因である悪鬼・悪霊を追い出すために、罪を懺悔し、悔い改める、という、この文化人類学的な「構造」は、やっぱり、人間の普遍的な認識にもとづいているんじゃないかなあ、と思う。

人生をリセットする

悪鬼・悪霊よ、出て行けー、というダダオシのボタンを「ダダ押し」したい、というか、この際、人生をリセットするボタンを押してしまいたい。。。罪障の重さに悩むと、ほんと、そういう気持ちになる。

でも、リセットボタンを、なんど押しても、変わらない戦いが続く、ということもある。SFで言う「ループもの」のジャンルによくあるけど、新世紀エヴァンゲリオンなんか、まさに、それじゃないか、と思う。

何度リセットすれば?

主人公の碇シンジは、敵との戦い・父との葛藤・恋愛の苦悩の末に、リセットボタンを押して、そのたびに、世界がぜーんぶ、ふりだしに戻るんだけど、やっぱり、そこでも、戦いが繰り返される。

「なんでだよ」「こんなはずじゃ」「こんなのちがう」と、またリセットボタンを押す。。。で、また、似たような結果に。。。

コロナ禍で公開延期になった新作映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』で、果たして、ループに終止符が打たれるのか、どうか。。。

今日の聖書の言葉。

生きているのは、もはやわたしではありません。キリストがわたしの内に生きておられるのです。わたしが今、肉において生きているのは、わたしを愛し、わたしのために身を献げられた神の子に対する信仰によるものです。
ガラテヤの信徒への手紙 2:20 新共同訳

G.K.チェスタートンは『人間と永遠』(1925年)の中で、「キリストが死んだとき、この世界が死に、キリストが復活したとき、新しい天と新しい地が出現した。そして、エデンの園の夕暮れを歩いた神が、新しい世界の夜明けを歩き始めた」と言っている。

新しい創造

これはつまり、イエス・キリストの十字架と復活によって、世界はリセットされた、という意味だ。

新約聖書も、こう言ってる *¹。

だから、キリストと結ばれる人はだれでも
新しく創造された者なのです
古いものは過ぎ去り、新しいものが生じた

イエスを信じる、というリセットボタンを押す。すると、その瞬間、古い自分は過ぎ去り。。。使徒パウロの表現によれば「古い自分はキリストと共に十字架につけられ」*²。。。その結果として、復活のキリストが「新しい自分」を生き始めてくれる。。。

リセットボタンをダダオシする

なので、G.K.チェスタートンは、教会の告解所に行って、罪を悔い改めて、外に出るたびに「新しい宇宙」が始まっていて、そこに「新しい人間」になった自分が立っている、と言ったんだ。

人生のリアリティーの中で、心に闇が忍び寄る。罪を犯してしまう。そこに、悪鬼と悪霊が巣食い始める。罪を重ねて、闇がどんどん深くなって行く。。。

だから、リセットボタンを何度でも、ダダオシしなくちゃいけない。碇シンジのリセットボタンが押されたのは、まーだ3回。ぬるい、ぬるい。。。

主イエス・キリスト、神の子、救い主
罪びとの私を、あわれんでください

回心の祈りを唱え、立ち上がるとき、目の前で「新しい宇宙」が始まる。そこには、生まれたばかりの、まっさらな「新しい人間」としての自分が立っている。そして、エデンの園の薄暮の中で「あなたはどこにいるのか?」*³と人間を探し求めた神が、新しい世界の朝焼けの中で「わたしはあなたと共にいる」*⁴ と、神の手のうちに人間を抱きしめている。

節分の豆をボリボリかじりながら、そんなことを考える。。。

【追記】
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』のタイトルの末尾の :|| って、楽譜の反復記号だよね?  ってことは、ループが続く悪寒が ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

註)
*1.  Cf. コリント二 5:17
*2.  Cf. ローマ 6:6
*3.  Cf. 創世記 3:9
*4.  Cf. マタイ 28:20

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