月下旅行
アスファルトを月光が煌々と照らす。
君と手を繋いであるく夜が僕はとても好きだ。
「月が綺麗だね」
そう言ってから少し照れる。
「もう死んでもいいわ」
君はからかったりせず僕に付き合う。
夜は深けていく。
世界が終わる夜。
月面旅行を夢見ながら月の下をふたりだけで歩く。
静かに藍と白銀を溶かしてゆけるならば僕は、もう死んでもいい。
ゆっくりと目を瞑り、君のぬくもりを思い出す。
君は今頃うさぎと遊ぶのだろう。
静かな夜を。
僕はひとりで歩く。
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