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メロディに溢れていたアメリカンポップスは何処へいった

昨日の夜のこと、テレビでローカルチャンネルをつけたらビリー・ジョエルの昔の MTVクリップの特集をやっていた。
合間に「東京ドーム公演 2024年1月24日」としきりに流していたのでおそらく来日公演チケットの宣伝なんだろう。

2024年にビリー・ジョエルで東京ドーム公演かぁ。。。。
無理だろうな、とちょっと思ったり。

高校から大学にかけて耳タコになるほど耳にした楽曲達が次から次へと流れる。

「それにしてもビリー・ジョエルも良い曲が多いなぁ」

ていうか、あの頃つまり80sのアメリカからのヒット曲たちはメロディにあふれていて素晴らしい曲ばかりだったんじゃないか。

タイトルにはアメリカン・ポップスと書いているけれど、アメリカン・ロックと読み替えても構わない。
なんなら、”アメリカ”と限定しなくても構わない。
イギリスからも素晴らしいシンガーやバンドはもちろん沢山出てきていたし、ドイツだってOKだ。
Nenaの「99 Red Balloons(ロックバルーンは99)」ていうヒット曲もドイツだったな。
それ以外のヨーロッパからもヒット曲は沢山出てきていた。
a-haの「Take on Me」はノルウェーだ。
つまりは洋楽全般。

ヒップホップ以降ビルボードのチャートに入ってくる曲からメロディがすっかりなくなってしまったように思うのは僕だけだろうか。
ヒップホップやビートミュージックは全然嫌いではないけれど、メロディの展開があるロックやポップスがすっかり影を潜めてしまったように思う。
日本のポップスが密かに人気を得ているのも、みんなメロディを求めているんじゃないだろうか。

さっき仕事を終えてウォーキングに出掛けた時、Spotifyの"Alternative 70s"というプレイリストを聴いていた。

Joy Division "Love Will Tear Us Apart"
David Bowie "Starman"
Betty Davis "They Say I'm Different"
Magazine "Shot By Both Sides"
Buszzcocks "Ever Fallen in Love"
Souxsie and the Banshees "Hong Kong Garden"
Talking Heads "Psycho Killer"
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Alternative 70sというくらいだから当時は王道とは外れたバンドや楽曲とみなされていたんだろうが、かかる曲かかる曲、みんなメロディにあふれている。

Souxsie and the Bansheesなんて、ボーカルのスージー・スーのそのゴシックなルックスからおどろおどろしいイメージがあったので当時はちゃんと聴いたことがなかったんだけど全然メロディアスだしイケるじゃないか。
ポスト・パンクを代表するJoy Divisionだってそのイメージは「内省的で暗い、ズドーンと落ち込むような曲」というものだったけれど、(幸いにも英語の歌詞がストレートには入って来ない僕ら日本人には)十分メロディアスだ。

昨日、ビリー・ジョエルの楽しげでハッピーなPVとウキウキするようなメロディの曲を見て聴いていて、
今の時代の先行き不安な世の中にはこういうポップスは似合わないのだろうか、
皆そんな余裕なんてないのだろうか、
もっとシリアスでダークなもの、憤りや怒りを代弁してくれるようなストレートなものを求めているんだろうか、
ああしたハッピーでメロディアスな楽曲達は60年代から80年代にかけて、世界がキラキラとしていた時代だからこそだったのだろうか。

そんな風に考えると少し哀しくなってきた。

懐メロではないメロディに溢れた新しい曲たちがもっと世の中に出てくればいいな、と望むばかりです。

<了>


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