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ジャズ界のリビングレジェンド林栄一さんのセッションを観に行ってきた

5月中旬だというのに朝から終日雨で、しかも3月末の冷え込みだという異常気象の中、新宿ピットイン昼の部へ行ってきた。
本日は出し物は「月刊 林栄一 5月号」
新宿ピットインで2019年8月から開催している林栄一さん+αの即興セッションイベントのようだ。

学校サボって聞きたい極上の不良音楽。今月も林栄一に体育館裏に呼び出された若手プレイヤーと完全即興ガチンコセッション!

新宿ピットイン公式サイト LIVE INFORMATIONより

今回はiglooというサックス若林一也リーダーのバンドらしい。
iglooおよびメンバーの皆さんについては全くのノーアイデアであるが、楽しみ。

本日のメンバー
林 栄一(As)、[igloo]若林一也(Sax)、田島 拓(G)、岡部琢磨(B)、KAZI(Ds)

***

13:40頃入店。
んん?煙草くさい。うっすらと煙ってるし。喫煙OKだったっけ?
でも誰も吸ってなさそう。リハ時にメンバーで喫煙者がいたのかな。
(帰宅したら着ていたセーターがタバコ臭かったのでファブリーズしといた。禁煙して23年、もうタバコの匂いが受け付けなくなった)

さらに、場内もいつもと活気が違う。
まだオープン10分しか経っていないので、先客が12名ほどいる。
先週2回の午後の部とは様子が違うぞ。
最前列にもお一人様の男性たちが4名陣取っていらっしゃる。
うむむ、これはきっとレジェンド林栄一効果だろう。
その後も、続々と入場してくる気配が。
開園時には30名近く入ってる感じ。
やっぱり、これくらい観客がいると気が楽だし、演る方も気合入るだろうな。

開演14時の3分前、ギターの田島さんがチューニングにステージへ。
チューニング終わっても楽屋へ下がらずにそのまま待機。
若干、緊張が伝わるのは気のせいか。
ドラムのKAZIさんもTwitterではじめましてのセッション当日の朝に雨の中を散歩、というやはり緊張が感じられるツイートしていらっしゃったし。
かなり年上のレジェンドプレイヤーとのセッションとはそりゃ気合い入るだろうなと勝手に想像している。

10分程遅れてファーストステージがスタート。
林栄一さんの挨拶から始まり、バンドのメンバー紹介をリーダー若林さんから。
第1部はインプロのセッションとの事。

サックス2本で息を合わせるようにスタートしてからの怒涛のノンストップ約45分間、Bフラット一発で完全即興のインプロヴァイズ。
モダン・ジャズマナーの4ビートではなく、ファンクって訳でもなく、むしろジャズ・ロック的な感じ。
うわ、ヤベー。死にそう
こういう完全即興の場合ってやっぱりドラムが展開変えるきっかけつくるのだろうか。
あと、ギター。僕もギターを弾くのでどうしても目がいってしまう。
ギターの田島さんはゴールドのレスポール。いいね!
こういうフリーのインプロセッションでギターはどんなアプローチをするのだろうか?と興味津々。
こういうギターって難しくないだろうか。お決まりのフレーズや何かしらコードトーンを感じさせるフレーズも一切弾かないで45分間、うむむ。
それにしてもギターの田島さんは終始ニコニコして林さんの演奏を見ているので、こちらもつられる。
サックスの若林さん、テナーを途中でアルトに持ち替えて、レジェンドの音をよく聴いて反応している。
5弦ベースも重低音が凄い。
林栄一さんはもうね、別次元の人、凄いとしか言いようがない。
余裕のインプロヴァイズ、気合いが違う。筋金入り。
時折、着席してバンドの音を聴き、笑みを浮かべて、ここぞとばかりに乱入してくる。
始まってすぐはなんとなく恐る恐るな感じでどうなる?と思ったけど、いや素晴らしかった。
ジャズ・ミュージシャンてやっぱり凄いなぁ、と感心ひとしきり。
底力を見せつけられました。

休憩を長めにとってセカンドステージ。
セカンドステージはバンドのオリジナル曲でセッション。
2曲目にECMのフリージャズみたいなのはインプロだろうか、静かに狂う曲を挟んで3曲演奏された。

ギターの田島さんはファーストステージのインプロセッションでは主にバッキングに徹していたようだったので、オリジナル曲だとギターもアドリブ全開を期待していたのだけど、そういう役割ではないのか、またはそういうプレイスタイルなのか少し残念。
ライブが終わってちょっと調べてみたら、スガダイローさんとバークレーで同窓だったようだし、ご自身のYoutubeチャンネルなどでもストレート・アヘッドなプレイをやはりレスポールでバリバリ弾いている。
なるほど、iglooでのプレイはエフェクターもガンガン使って違うアプローチをしているのか。
しかし、このサウンドの上で、アウトしていくアドリブも聴きたいぞ。

1曲目と3曲目のを聴いていてわかったのが、テーマのメロディがあるかどうかの違いくらいで、基本はファーストステージと同じフォームの演奏なんだな、ということ。
このサイケでロックでジャズなサウンドがiglooというバンドのサウンドなんだなと。

物販でCDも買いたかったが、先客がいらっしゃっり混雑していたので、そのまま退場してしまったが、iglooのCDはディスクユニオンやamazonなどでも流通していなさそうだった。残念。
しかし、iglooはしっかりと認知した。
どこかで機会があればライブ観に行こう。

「月刊 林栄一」は来月も行こうかなぁ。
そうだ、来月は"平井庸一 JAZZ METAL BAND"でも林栄一さんのサックスは聴けるぞ。
ミルクボーイの漫才ではないが、
「こんなん、いくら聴いても困りませんから!」
て感じのリビングレジェンドのアルトサックスでした。
ごちそうさまでした!

<了>


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