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むしろハッピーエンドがよかった野島伸司ドラマ最新作 『何曜日に生まれたの』

この夏のドラマで話題になってもの1つに『何曜日に生まれたの』がありました。
脚本が野島伸司ということでドラマ界隈ではざわざわしていたみたいです。
久しぶりのオリジナル作品だとか。
とはいっても、2000年代も2010年代も作品はあったみたいですね。

野島伸司脚本。確かにその響きには馴染みがあります。
主役も飯豊まりえさんだし(NHK朝ドラの『ちむどんどん』以来ファンなんです)、よし観てみるか。
そんな感じで観はじめました。

オープニングタイトルで流れるモノクロと赤・青の2色だけを使った印象的な雨の映像、合わせて流れる主題歌はホリーズの「バス・ストップ」
おお!なんだか懐かしい、カッコいい。

野島伸司作品といえば、
インモラル、スキャンダラス、先の見えない展開、ドギツイ描写
色んなことが言われていますが、正直ピンと来ない。
どうしてだろう?と思って調べてみたら、なんと。
野島伸司作品を僕はこれまでほとんど観たことがなかったみたいなんです。
唯一ちゃんと観ていたのが1991年の『101回目のプロポーズ』
武田鉄矢と浅野温子さんの主演で「僕は死にましぇん!あなたがスキだから!」
という名セリフが有名です。
このドラマの展開にはぐっと来るものがあってハマりました。

でも、それくらいだったんです。
野島伸司脚本で名前が出てくる作品群
『愛という名のもとに』(1992)
『高校教師』(1993)
『ひとつ屋根の下』(1993)
『この世の果て』(1994)
『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』(1994)
『未成年』(1995)
何一つ観たことありませんでした。

1990年代といえば社会人になったばかりで仕事に明け暮れる毎日。
平日はその日のうちに帰宅したことなんてないくらいの激務の日々。
ドラマなんて観る余裕は全然なかったかもしれません。
(どうやって『101回目のプロポーズ』を観る時間を作っていたのか謎です。
武田鉄矢のラブストーリーだという物珍しさからおそらくこれだけ予約録画していたのだろうか)

なーんだ、全然野島伸司作品のファンでもなんでもなかったじゃない。
そんな風に思ってからは。特に先入観も余計な期待もなしに2回目以降も観ていました。

Amazonプライム・ビデオやNETFLIXなどの海外配信ドラマに慣れた今となっては、野島作品といえどもインモラル、スキャンダラス、ドギツイ描写などは全くないのも同然。
毎回、ん?そっちへ行くのか?
と先の見えない展開を行くというスリルは若干味わえましたが、現代ドラマとしては甘々。
それでも面白くなかった訳ではなくて、飯島まりえさんの魅力が抜きんでていましたし、脇を固める皆さんもよかった。
こちらも久しぶりの陣内孝則さんもまさかの白髪でしたが、いつものコミカルな演技でよい父親役でした。
シシド・カフカさんも本人イメージ通りのキレ者編集者とか。
メガネ君になっていた溝端淳平さんもよかったです。

まぁ、それなりに楽しめましたし、途中から若干の期待はしつつも、まさか王道過ぎてそれはないかなぁ、と思っていた方向でのハッピーエンドも思わず微笑んでしまいました。
あぁ、面白かった。
そんな素直な感想が出てきたり。

最近読んだものでは、こちらの記事の感想が腑に落ちました。
なるほど、そういう見方もあったのかと。
過去の野島作品を実はほとんど観ていなかっただけに参考になりました。

野島伸司、飯豊まりえのコンビでもう1本観たいなと思いました。

<了>

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