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【ケアストレスカウンセラー】Part1 Step1-2見えないこころを見るために

前回の記事では、心理学が何のためにあるのか、その歴史を簡単に振り返りながら心理学とは何かについて紹介しました。
前回の記事はこちら。

今回の記事では、見えないこころを見るためにはどのような方法があるのかについて考えます。

1.人間のようなロボットとは

「人間のようなロボット」と聞くと、真っ先に「ドラえもん」や「鉄腕アトム」などの姿を思い浮かべる人は多いでしょう。キテレツ大百科の「コロ助」もそうですね。

では、彼らのようなロボットを「人間のようだ」と感じる、その理由はどこにあるのでしょうか?それは、彼らが私たち人間と同じように笑い、泣き、反応するからではないでしょうか。一例として以下のエピソードを取り上げてみます。

『帰ってきたドラえもん』てんとう虫コミックス第6巻より

この場面では、人間であるのび太とロボットであるドラえもんとの間で「こころ」が通じ合っているように感じられます。まさに、ドラえもんに「こころ」の存在を見るわけです。

このように、人はロボットに対してであっても、自分たちと同じようなリアクションをするものに対して、「こころ」がある、と感じるのです。言い換えれば、そのリアクションの背景には常に心の存在を感じ取る、ということなのです。

2.人間とロボットとの違い

しかしながら現実では、人間のように笑ったり泣いたりするロボットはまだ開発されていません。人工知能(AI)の研究や開発は進んではいますが、人間のこころは非常に高機能であり、しくみやはたらきを完全には解明できていないからです。

たとえば、物を右から左に移動させる行動について考えてみましょう。この仕事はロボットにも簡単にできます。そのようにプログラミングされているからです。

一方、人はどうでしょうか?あなたがある対象物を右から左に移す時、それは単に脳の指令によって手足が動いているだけでしょうか?いいえ。そうではなく、それ以前にこころのはたらきがあったはずです。

「何となく、その方がスッキリするから」
「右にあると邪魔だから左に置こう」

このように、一つの行動の中にも、人それぞれの感覚やその場の状況、個人の美意識に至るまで、実にさまざまなこころのはたらきがあって行動していることが分かります。

つまり、行動の背景には常にこころが存在していて、その行動の引き金になっているのです。

心理学では、このような人間の行動を引き起こすものは、こころや意識であると考えます。反射や動物的な行動とは区別するので、精神的行動と呼ばれることもあります。この精神的行動を通して、見えないこころを探ろうとするのが心理学であると言えそうです。

こうして考えると、人間のこころは計り知れないほど高機能で、プログラムされたロボットとの大きな違いを感じます。複雑で、奥深いですね。

今回のポイント

・人間のこころは非常に高機能であり、現代の科学でも「人間のこころ」を作ることはできない。
・人が行動をするとき、その背景にはこころのはたらきがある。

『ケアストレスカウンセラー公式テキスト』15ページより引用


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