【オリーブの本棚】『幸せになる超ライフハック』kagshun著 KADOKAWA ①目標の先にあるものを見よう
本当の幸せとは、自分の価値に沿って生きること。
自分にとって大切なことを見つけ、その方向に舵を取り、そして漕ぎ出す。
方向さえ間違わなければどんなルートでも構わない。迂回してもいい。
そうした生き方こそが、持続する幸福感をもたらす。
こんにちは。MACOオリーブです。
今回ご紹介するのは、今月の7月7日にKADOKAWAから出版された『幸せになる超ライフハック』。書かれたのはkagsyun先生といって、現役の精神科の先生です。主にTwitterやInstagram、またVoicyという音声メディアを通してメンタルヘルスについての発信をされている先生なんですよね。
のっけから何ですが、この本、メンタルヘルスや心理学全般に関心あるなら買った方がいいです!分厚くなくて読みやすいのに、中身がぎっしり詰まった本なんですよ。
何なら、下のリンクからPCで目次だけでも試し読みされたら、この本の内容がどれほど濃いかが伝わってくると思います。よくあるスピリチュアル系のふわっとしたものではなく、ちゃんとした理論に基づいた、しっかりした内容になっています。
ウェルビーイングという言葉がよく聞かれるようになりました。「持続する幸福度」とでも言えるでしょうか。そのウェルビーイングを高めて、幸せ感を持続させるための5つの指標について、一つ一つていねいに説明してくださってます。
この5つの指標は、もちろん著者である先生が勝手に考えたものではなく、ポジティブ心理学で「PERMA」と呼ばれている基本モデルのことです。
前向きな感情(Positive emotion)
夢中になれる体験(Engagement)
人とのつながり(Relationship)
自分なりの価値観(Meaning)
目標達成(Achivement)
これら5つの英語の頭文字を取って「PERMA」というわけです。
また、人の性格を単純にカテゴライズせず、本当の意味で他者を理解することの大切さや、自分の中のネガティブな感情との向き合い方、またそのために「書く」作業、手帳や日記の効果についても触れていて、ノート・手帳好きにはたまらない内容となっています。
この記事では単なる本の要約ではなく、以前の自分はこうだったけど、この本からこんな気づきを得た、だから今こんな感じになってるor今後こうしていこう、みたいな、そんな話ができたらいいなと思っています。
あまりにも学びが大きい本だったので、何回かに分けて個人的な気付きをシェアしていきますね。
以前の私:目標を立てる意味が分からなくなっていた
①目標を立てると今の現状を喜べなくなると思っていた
この本から得た一番の収穫は、目標に対する考え方が変わったことです。
よく「目標を立てよう」とか言われます。でもこれってキリがないじゃないか…って思ってたんですよ。ある目標を達成しました、じゃあ次は…っ感じで、いつまでたっても、達成しても達成しても終わりがない…これって何? まるで目の前ににんじんをぶら下げられて走り続ける馬みたいじゃないか…そんなふうに思ってました。
「今のままではまだ足りない」ので目標を立てて…これでは常に「今の自分を否定し続ける」ことになるので、幸せとは程遠い、なので目標なんて持たない方がいいってずっと思って生きてきました。
②目標を定めると将来の可能性が狭まると思っていた
目標を定めるということは、当然それに向かって努力するということです。なので、それに拘りすぎると他の可能性や選択肢に目が行かなくなるんじゃないか。それよりも出たとこ勝負で偶然出会ったチャンスに身を任せていく生き方の方がおもしろいよ…そう考えていたわけです。
③目標を定めると、状況が変化してそれを達成できなくなるとがっかりするから嫌だと思っていた
人生は不確かです。何か達成したいと思っていても、急に病気になる、介護の問題が突然起こる…こうしたことは誰にもコントロールできません。突然状況が変わった時、目標達成への思いが強いと、落胆も大きい。そんなのは嫌だな…そう思っていたんです。
本から得た気付き:目標は自分の価値に向かうための目印に過ぎない
まずは一番心に刺さった言葉を引用しますね。
ここを読んだ時、私の目からウロコが落ちたんですよ。と同時に、目標ジプシーから抜け出せる…もっと毎日が楽しくなりそう、そう思えた瞬間でもありましたね。
考えてみたら、目標って達成した時点で終わってしまうんですよね。その瞬間は「嬉しい!やった!」ってなるけど、持続しない。でも、進む方向さえあっていれば、引き続きその方向に漕ぎ続ければいい。その道のり、過程そのものに意味が感じられます。
その方向とは「自分はどうありたいか」というビジョン。
なりたい自分になるために、じゃあ今は何ができるか?
これが目標。つまりこれは手段とも言えますよね。
「目標はなりたい自分になるための手段である」
これは自分にとっては大きな気付きだったんですよ。
「目標なんて、将来の可能性を狭めるだけじゃん」って思ってましたが、今思えば、それは単にあてもなく漂流しているだけだったんですね。トホホ…。
今の私:目の前のことを楽しめるようになった
なりたい自分というビジョンを描いて、その方向に漕ぎ出しているんだ、という自覚は、毎日を楽しくしてくれました。日々の小さな目標(もちろん達成可能なタスク的なものですよ)も、描いたビジョンに沿ったものにしようと思うと、その小さなことでさえ達成できたら嬉しいし、前に進めてる満足感につながるんですね。
目の前のことも、「まあこれでも仕方がないか」ではなくて、描いたビジョンへの布石だと思えるようになりました。自分の生活の中でコントロール感が生まれるので、ただ風任せに惰性で生きていた頃より毎日が楽しいんです。これが持続する幸福感、というものなのかな。
見方ひとつで結構いろいろ変わる。
焦って先のものを掴もうとして行き急ぐより、その途中の景色も楽しみながら人生の旅路を行く…キザな言い方ですが、そんな表現がピッタリです。
そして車窓の向こうに何か面白そうなものがあったら、途中でも立ち寄ったりしても良さそうです。場合によっては計画変更も楽しいかもしれませんよね。もし行き急いでいたなら、途中の景色を見る余裕なんてありませんよね。このことに気付けてよかったです。
この本からは学びがまだまだあります!
次回のテーマは「孤独は幸福を遠ざける」。
ではまた!
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