横溝会計グループBCP(事業継続計画)を策定しました!
以前、BCPについて記事を書きました。
事業を止めない工夫|真|社会保険労務士|となりのブレイン|note
BCP策定のお手伝いをしているにもかかわらず、自社にBCPが無かったら説得力ないんじゃない?
ということで、
10月より横溝会計グループBCPを策定して運用開始し、これに合わせまして、従業員への周知と避難訓練も合わせて実施しました。
BCPの「策定を検討している」あるいは「策定していない」中小企業は7割にものぼり、大企業の5割を大きく超えており、多くの中小企業が策定に至っていないのが現状です。
大企業と中小企業のBCPは何が違うのでしょうか。
大企業であれば、支店があったり、工場も離れたエリアで操業していることが多く、拠点が複数あることを前提と策定されているのに対し、中小企業のBCPは拠点を1つとして考えており、自社内で何とかすることを前提として策定します。
さらに大企業ではBCP策定にあたっては総務部などのリスク管理担当者を中心として、部署を超えてプロジェクトチームなどが立ち上がり、計画を策定します。
中小企業は人員も少ない場合が多く、社長を中心として専門家の手を借りながら策定することが多いのではないのでしょうか。
人員も少なく、ノウハウもないことから、中小企業が自前でBCPを策定することが困難なことが伺えます。
でも、大企業とは違い中小企業においては代替拠点も代替資産も少ないため、よりBCPが重要になることは明らかです。
今回、弊社でも策定できたBCP策定手順などについてお話ししたいと思います。
BCPとは何か
そもそもBCPって何なのでしょう?
過去にコロナウイルス感染症対策として「緊急事態宣言」が4回ほど、いずれも1~2月程度の期間で発出されております。
大企業であればテレワークを主たる勤務形態として対応できたでしょうけれど、中小企業では全ての勤務をテレワークで対応することは難しかったのではないでしょうか。
そのほか、震災などの災害によりインフラ機能が不全となり、原材料や燃料が調達できなくなり製造が止まってしまうとか、いろいろなことが想定されますが、「平時の延長体制」ではどうにもならないような本当の緊急事態への備えこそがBCPなのです。
「いや、そんな緊急事態にどうにかして事業を止めないようにするべきなのはわかっているよ」
「人もノウハウもない中でどうやって作れっていうのさ」
BCPを策定するのに、難しい手続きは不要なのです。
従業員の安全を守り、事業を早く復旧して、取引先への影響を最小限にすること。
所謂、当たり前のことを想定して策定してみませんか。
BCP策定のステップ①
まずは、BCPを策定する上での方向性、目的を定めます。
自然災害や感染症の流行などの緊急事態に遭遇した場合に、自社にとって中核となる重要な事業活動を、中断しないで継続し、事業資産の損害を最小限にとどめて早期に復活できるような方法と手段を取り決めます。
この点を紐解いていくと、自然と何をしなければならないかが見えてきますよ。
BCP策定のステップ②
そして、次のステップではリスクの想定をします。
・自然災害による被害
・感染症が広がって、1ヶ月間従業員が出社できない場合の影響
などを加味して「ヒト、モノ、カネの観点」から検討します。
災害の場合などは、自社周辺の自治体がHPなどに掲載している防災計画やハザードマップなどを活用して、被害の想定をしても良いと思います。
被害想定ができたら、自社の「重要業務・中核事業、製品、サービス」を決定します。自社の売上割合の大きいもの、自社からの供給が取引先に大きな影響を与えるものなど重要度が高いものを選びます。
「ヒト、モノ、カネの観点」から想定される被害によって「重要業務・中核事業、製品、サービス」を回復するまでにどれくらいの期間が必要で、最短で回復するためには誰が何をしなければならないか対策を検討します。
BCP策定のステップ③
ステップ②まで検討してきたことを文書にしてまとめます。
中小企業庁ではひな型も共有してくれているので、これをご活用いただくのも良いかもしれません。
https://www.chusho.meti.go.jp/bcp/
保守・運用へ
BCPはできたから完了ということではなく、常に最新の状態に保ち、緊急事態が生じても有効に活用できるようにしておかないと意味がありません。
少なくとも毎年の見直しは必要ですが、修正、追加が必要であると判断されたらその都度速やかに改訂するべきです。
まずはスモールスタートでも、徐々にBCPで対応していく範囲を広げていくことで自社の緊急事態に対応する能力を高めていくことも可能です。
最初は手探りでも策定し始めると、徐々に頭の中が整理されてきて、何をすべきか気づくようになってくるのが不思議です。
災害やコロナのようなパンデミックがいつ起きるかわからないこそ、早めの策定をお薦めします。