「ほんとうの株のしくみ」を読んでみた

ほんとうの株のしくみ

【書籍】
著書:ほんとうの株のしくみ
著者:山口揚平

■株式投資で儲けるしくみ

いきなりですが、クイズをします。
「ボーナスの日、好調だったあなたの会社では、1000万円のボーナスが支給されました。堅実なあなたは、このお金を有効に使えないかと考えます。そこで挙げた選択肢は次の8つ。さて一体何に100万円をつかいますか?」

①パチンコ
②競馬
③宝くじ
④生命保険
⑤定期預金
⑥不動産投資
⑦外貨預金
⑧株式投資

どれを選ぶか考える際には、次の3つの視点から考えるといいでしょう。

①コスト(手数料、税金)や手間がどのくらいかかるのか?
②最低限必要な投資額はどの程度か
③投資先を選ぶときにその有望度を見極めやすいか?

パチンコ、競馬、宝くじは一般にギャンブルといわれています。
ギャンブルは、短期的には大当たりして稼げるかもしれませんが、長期的にはお金が減るしくみになっています。
なぜなら、ギャンブルには胴元があり、掛け金の何十%かを抜いていくからです。
ちなみに日本では、胴元を入れないサシの勝負は違法です。

▽胴元
パチンコ:パチンコ店の取り分20% あなたの取り分80%
競馬:競馬主催者の取り分25% あなたの取り分75%
宝くじ:宝くじ協会の取り分52% あなたの取り分48%

では、生命保険はどうでしょうか?
実はこれもギャンブルと同じしくみです。
ただし死んでしまった方が勝ちというなんとも悲惨なギャンブルです。
例えば、保険料を支払って自動車保険に入ったとしましょう。
事故にあう確率が統計的に0.1%だとすると、
もし事故が起こった場合、私たちは1000万円の保険金を受け取れなければ割に合わないはずです。
支払う保険料(1万円)÷じこの確率(0.1%)=もらうべき保険料(1000万)
ところが実際には、保険金は1000万円ももらえません。
保険会社の業務料や手数料や利益がまず引かれるからです。

次に定期預金。
銀行にお金を預けておけば、便利ではありますが、ゼロ金利時代に生きる私たちはせっせと定期預金をしても0.034%の金利しかつきません。
つまりお金を増やすというもはちょっと無理でしょう。

では不動産投資ではどうでしょうか?
不動産投資の難点は、投資金額が大きく100万円ではなかなかはじめにくいことです。
結果、コストや手間の面をみると、株式投資が最も効率がよいといえます。

■企業の価値を暴き出せ

企業の価値が分かれば、それを株価と比較して割安なものを見つけ、利益をあげられるようになります。

企業価値の算定には、次の2つのポイントがあります。
①企業は丸ごと評価すること
②企業の価値は、その「企業の事業の価値」と「もっている財産」を足したもの

会社を丸ごと買う気がないのなら、たった1株でも買ってはいけないのです。
私たちが株を買うときは、買収を行う企業のトップと同じ視点に立つ必要があります。
ただ、それほどお金をもっていない私たち個人投資家が本当に知りたいのは、1株の価値です。
ですから、まずは企業を丸ごと全部評価し、それから発行されている株式投資で割って1株あたりの価値を出すようにしましょう。

■価値の源泉を見抜くには?

企業が利益を出すためには、なんらかの仕組みが必要です。
その利益が一体どこから生まれるのか。
私が投資をする際には、いつも次の4つの質問を自分に投げかけています。

①その企業は「なに」で稼いでいるのか?
②「なぜ」稼げているのか?
③今後、稼げるしくみに変化はあるのか?
④これから「いくら」稼げるのか?

投資が本当に知りたいのは、当然「これからいくら稼げるのか」です。
しかしこれを知るためには①~③を考える必要があります。

つまり、過去の実績を見て「その企業は何で稼いでるのか」を突き止め、
次いで「なぜ稼げているのか?」を分析する必要があります。
③の稼げる仕組みに変化があるかどうかを知るためには、
その業界の今後の動向を見抜く必要があります。
そして、最後に「これからいくら稼げるのか」を予想し、
その結果をもとに第3章で学んだ価値計算の手法を使って
企業価値を算定します。

■感情の罠にはまらないために

株で損をするのには、一定のパターンがあります。
それはまず、投資をするのに根拠がないということです。
根拠がないと、自分の買い値に自信がもてません。
すると、投資した後、日々の株価の上下動を見ているうちに、
だんだん感情的になってきます。
そして、「感情の罠」に落ちます。
感情の罠に落ちると、人は自然に損を引き寄せてしまいます。

ではここで、簡単なクイズをやってみましょう。

①あなたは、ある仕事で成功したので会社から報奨金をもらえることになりました。ただし次のどちらかを選ばなければなりません。
A、確実に80万円もらえる
B、100万円もらえる(ただしサイコロをふって6が出たら1円ももらえない)

さて、確実に80万円がもらえるAと、まったくもらえない可能性のあるB、あなたならどちらを選びますか?

さてもう1問。

②あなた、ある仕事で失敗したので罰金を支払うことになりました。選択肢は次の2つです。
A、80万円はらう
B、100万円払う(ただしサイコロを振って6が出たら1円も払わなくてよい)

それではタネあかしをしましょう。
まず①の方では、確実に80万円をもらえるAの方をせんたくしませんでしたか?
統計によると80%以上の人がAを選択するようです。
しかし、確率論に基づいた合理的な行動はBの方です。
たしかにAは確実に80万円もらえます。
しかし、Bは6分の1の確率で1円ももらえないということは、逆にいうと6分の5、つまり約83%の確率で100万円を手にいれられるというわけです。
得られるかもしれない100万円に、その確率約83%を掛け合わせると、Bは83万円となり、Aの80万円よりも有利です。

では②ではどうでしょうか?
今度はBを選びませんでしたか?
しかし、今度はAが最も合理的です。
Bの場合失う可能性のある金額100万円×その可能性83%=83万円となり、Aの83万円を払うより不利です。

このクイズからわかるように、私たちは実際になかなか合理的な判断ができません。
しかし、もし賢明な投資家を目指し、今後も継続的に投資をするのであれば、冷静に確率論から合理的な判断をくだすべきでしょう。

そうでなければ、私たちは「儲けは確実に手にしたい、損はできるだけ帳消しにしたい」という感情の罠にはまってしまいます。

■まとめ

FXや株式投資の案件を多くもっているため、ユーザーの心理を理解するために本書を選定しました。
株式投資についての様々なノウハウについて書かれていましたが、広告運用でも使えるノウハウだと感じました。

今まで、過去の経験や感覚で広告のオンオフや追加を行ってしまいがちでしたが、これは合理的な判断だとは言えないと思いました。
特にあまり予算が使えないアカウントでは、1回の判断ミスでCPAが高騰してしまい改善できずに月が終わってしまうということが起きてしまうと思いました。
日々のアカウントチェックで全案件を細かいところまで見ていくのは難しいので、注力している案件、悪化傾向にある案件は、数値を元に確率論で分析する癖をつけようと思います。

また、下記の視点はクライアントの売り上げを支援する、予算を上げる上で必要な視点だと思うので、今後ここまで見ていけるように意識していきます。

①その企業は「なに」で稼いでいるのか?
②「なぜ」稼げているのか?
③今後、稼げるしくみに変化はあるのか?
④これから「いくら」稼げるのか?

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