人の気持ちを動かすには?「伝え方しだいで人生は思い通り神トーク」を読んでみた

■はじめに

今の自分の一番の課題はクライアントワークだと感じています。
クライアントとの打ち合わせや電話は未だに緊張しますし、距離を縮めるのにすごく時間がかかるなと感じています。
また、これはクライアントワークに限らず社内でも当てはまっていると思います。
この課題を解決したいと思い、コミュニケーションの方法について述べられている本書を選定致しました。


■「人の心が動くメカニズム」を理解する

人の心を動かしたいのであれば、「感情と欲求の関係性」を正しく理解する必要があります。
人間の感情には、嬉しい、悲しい、怖い、寂しい、楽しいといった様々なものがあって、それと同時に私達には「こういう感情を感じたい、満たしたい」という欲求が存在します。
そして、その欲求とは下記の5つに分けられます

・生理的欲求
・安全の欲求
・所属と愛の欲求
・承認欲求
・自己実現の欲求

この5つの欲求を満たせる人間になれば、自然と人の心を動かすことができます。
ただ、全てを満たすことはできません。
伝え方やコミュニケーションで満たすことができる人間の欲求は、下記の3つです。

・心の安全を求める「安心欲求」
・安心できる人とつながりたい「所属と愛」の欲求
・認められたい「承認欲求」

ポイントは「安心感」と「自己重要感」。

私たち人間は、他社とのコミュニケーションを通じて、この2つを感じたいと思い、またこの2つを失いたくないと思っています。

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本書を読んで改めて考えてみたところ、たしかに自分も他者とのコミュニケーションでは「安心感」と「自己重要感」を満たしたいと思っているなと感じました。仲の良い人は心理的安全性が保たれており何でも相談できますし、自分の話を聞いて受け入れてくれるので自己重要感が満たされます。

自分が感じるように相手にもそう思ってもらえれば、自然と距離は縮まると思いました。
そして、これはクライアントとの関係も同じだと思います。
しっかり運用してくれているという安心感、何でも相談できて気持ちを分かってくれるという自己重要感を満たすことができれば、クライアントをファンにすることができると思います。
今後は、「安心感」「自己重要感」を満たすような対応ができているかという指標でクライアントワークを見直すようにしたいと思います。

■「安心感」を満たす実践的な方法とは

①どんなことでも「絶対的に否定しない」と決める
逆に安心することができないのはなぜでしょうか?
あなたの日常を思い出してこんな人はいないか考えてみてください。

・何か発言すると、第一声が「それは難しいよ」などと意見を否定する人
・「それは違う」と真っ向から否定する人
・相手の存在自体も否定するような発言をする人

ここで言う「安心感」とは「精神的な安全」です。
私たちは皆、「否定されること」が怖いのです。

②最後まで相手の話を聞くこと
誰もが一度は「これが大切だ」と言われたことがあるにも関わらず、実行できている人が圧倒的に少ない行動。
人は自分の考えていることをすべて吐き出さないと、新しい考えを納得して受け入れることができません。

だから「絶対に否定しない」+「最後まで話しを聞く」これを実行するだけで、絶大な安心感を与えることができるのです。

③相手の行動における「背景と理由」を理解する
普通だったら理由も聞かずに否定をしたり、怒ってしまうことでも「何故、相手がそうしたのか理由を聞く」こと。
たとえ、一般常識では「間違い」とされていることであっても、あなた自身が「ありえない」と思うことであっても、まずは相手が「なぜそういうことをしたのか」という「理由」「背景」を理解しようとする姿勢を見せることで、相手はあなたに「安心感」を覚えます。

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最後まで相手の話を聞くということはできていると思いましたが、「どんなことも絶対否定しないこと」「相手の行動における背景と理由を理解する」この2つはできていないと感じました。

リテラシーの低いクライアントから広告文やクリエイティブ案をもらったりした時、明らかにずれてると思ったら遠回しに否定をしてしまっていました。
また遠回しに否定した上で、その広告文がいいと思う理由や背景を確認せずこっちのやり方を提案して進めてしまっていました。

今後は、まず背景、理由を確認することを徹底し、その上で否定するのではなく、一旦受け入れた上で「こっちの方法がいいと思うのですがいかがでしょうか」といった形ですり合わせを行いながら進めていこうと思います。

■「自己重要感」を満たす実践的な方法とは

私たち人間が、コミュニケーションの中で「常に満たしたい」と感じている欲求は2つあります。
・安心感を覚えたい
・自己重要感を得たい

「自己重要感」とは「自分は価値ある存在である」と実感したい欲求のこと。
この欲求を満たしてあげることが、相手から信頼を獲得し人望を得る、「人の心を動かす」ことにつながるのです。

では、相手の自己重要感を満たすための伝え方のコツを紹介していきます。

①どんなに親しい間柄でも「相手のことは名前で呼ぶ」
人は自分の名前が呼ばれることで、自分がその他大勢ではなく、自分個人として認識してもらえていると実感します。
そのため、会話の中で相手の名前を省略してはいけません。
相手の名前を呼べば呼ぶほど、相手は「自分は重要な存在なんだ」と認識してくれます。

②相手のことを「相手以上に」理解する
例えば
「2杯目からはいつもハイボールですよね?もう注文しておきましたよ」
あなたが普段お酒を飲むパターンを部下や後輩が覚えていてくれたら嬉しいですよね。こうして人は自分の価値を実感できるわけです。
そのため、相手のことを知っていれば知っているほど相手の自己重要感を満たすことができます。

③「相手の目を見てうなずく」習慣をつける
話を聞く姿勢しだいで、相手の自己重要感を満たすことも、失わせることもできます。なので「あなたのことを大切にしている」と伝わる聞く姿勢をとることが重要です。
「目を見てうなずきながら話を聞く」姿勢を取りましょう。
この「うなずきながら」が非常に重要なポイントです。
「目を見る」と「うなずく」をセットで行うことで、人は「話を聞いてくれている」認識し「話を聞いてくれている=自分は話を聞いてもらえる存在なんだ」と自己重要感が満たされるわけです。


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本書を読むまでは、相手の名前を呼ぶことで自己重要感が高まるという視点がありませんでした。ただ、長島さんのクライアントワークを見ているとチャットでも名前を頻繁に使っています。○○さんおはようございますとワンクッション入れた上で要件を送っていることが多いです。
もし自分がクライアント側だったら、確かに名前が入っている方が嬉しいし距離も近いような気がします。
今後は、打合せだけでなくチャットでも名前をいれるようにしていきます。


また、「相手のことを相手以上に理解する」という部分が欠けていると感じました。正直、アカウントの数値管理で日々時間が過ぎてしまっていて、相手のことを理解するための時間が取れていません。
ユーザー理解は重要だと思っていましたが、それだけでなくクライアントを理解していなければそもそもコンサルとして機能できていないと感じました。
時間がないからそこまでできないという言い訳を使ってしまいがちでしたが、ここができている人とできていない人で圧倒的に差がついているのだと思います。時間がないと言い訳するのではなく、朝早く出社している分、ここで相手のことを理解する時間をとるようにします。

■周囲が自然と味方になる方法とは

私たち人間は、基本的に「外部からの刺激」により「感情」が生まれるというメカニズムを持っています。
そして、私たちが受ける外部からの刺激で最も比重が大きいのが「視覚からの情報」になります。
視覚から得られる情報量の割合は約87%と言われています。

つまり、私たちの感情は「目に見えるもの」によって左右されるのです。

かわいい動物や赤ちゃんをみると優しい気持ちになり、殺人事件などのニュースを映像で見ると悲しい気持ちや暗い気持ちになります。
何を目にするかによって、私たちの感情は変化しているのです。

このことを人間関係に置き換えるとどうでしょうか?
相手に何を見せるかで相手の感情が変わる。

そう、相手に見せるものとして重要になるのは、「あなたの表情」です。

当然、「いつも不機嫌な表情」をしている人には安心感を覚えることはありません。
指摘されれば当たり前のことですが、そこまで気が回らない人がほとんどなのです。

「笑顔」の効果は思っているよりも絶大です。

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いつも笑顔でいる方がいいというのは頭では理解していましたが、本書を読んで改めて痛感しました。
いつも笑顔な人ってやっぱり話しかけやすいですし、印象も良いです。
「人間は視覚からの情報が最も多い」と本書に記載ある通り、非言語コミュニケーションがその人の評価を決めるのだなと改めて思いました。

今まであまり笑顔を意識していなかったのと、無理してまで笑顔でいたくないと思ってしまっていたのですが、自分が周りからどう見られたいかを考え、今後はクライアントワーク以外でも「笑顔」を意識しようと思います。

■「好意の辺報性」という心理的効果とは

「相手に安心感を覚える」ことは、「相手に心を開く」という言葉に置き換えることができます。
そして、相手に心を開いた際の究極の感情は「好意」。
つまり、「この人が好きだ」と思う気持ちです。

つまり、「人の心を動かす」影響力は、あなたのことを好きだと感じてくれる人が多ければ多いほど、大きなものになるということです。

では、日常のコミュニケーションにおいて、どうすれば相手はアタナのことを「好きだ」と感じてくれるでしょう?
どうしたらあなたに好意を持ってくれるでしょう?

方法はとてもシンプルです。
でも、これを聞いてもほとんどの人が「恥ずかしいから」といって実行しないと思います。

だからこそ、この方法を実行できる人は、他の誰よりも周りから好意を集めることができます。

そのシンプルな方法とは、「あなたの事が好きです」と伝えること。

人は、相手から「好きだ」と言われたら、もらった好意に対して「好意」で返したくなる返報性があります。

ただ、やはり「好きだ」というのは抵抗があるでしょう。

ここでおすすめの方法を紹介します。
・「集団」を好きだと言う
対象を個人から集団にぼやかすことによって「好きだ」ということのハードルを意図的に下げることができます

・「相手の行動」を好きだと言う
「最後まで諦めない姿勢が好き」
「好きなものは好き、嫌いなものは嫌いと言える姿勢が好き」
「前に言ったことをしっかり覚えてくれているとこが好き」
といったように行動に対して「好きだ」ということでハードルを下げることができます。

・相手の「モノ」を好きだと言う
「そのカバンの色素敵ですね、私もその色すきです」
「おしゃれなスマホケースですね、そのデザイン好きです」
といったように相手の持ち物に対して「好き」ということでハードルを下げることができます。

私たち人間の脳は、頭の中で言葉を解釈するため「主語を理解できない」性質があります。
そのため「集団」「行動」「モノ」を好きだと言われと、自分のことが好きなんだと勘違いを起こします。
よってこういういった伝え方でも相手に好意を伝えることができるのです。

あなたは、1日の中で何回「好き」という単語を言っているでしょうか?
「好き」という言葉をつかう回数=あなたの信頼度かもしれません。

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社内・社外ともになのですが、相手から好意を感じた場合は自分からも積極的にいけるのですが、相手から好意を感じれない場合、あまり自分からいけません。
ただ相手に好意を持ってもらうためには、自分に好意がある、ない関係なく、まずは自分から好意を伝えていくべきだと本書を読んで感じました。
いま
クライアントワークが上手くいってない時、「担当の人がくせが強いから」「ロジックタイプで自分とは合わないとから」という理由をつけて原因の分析を怠っていました。それに、そもそも自分から歩み寄ろうとすることができていなかったと思います。
今後クライアントワークが上手くいかないときは、原因は自分にあると捉え、まずはこちらか好意を伝えるようにしていきます。

今まで、相手に好意を伝えるというのはハードルが高いことだと思っていたのですが、「集団」「行動」「モノ」を褒めるだけでも好意を伝えられるということなので、日々の社内コミュニケーションから取り入れてトレーニングしていこうと思います。


■まとめ

・コミュニケーションで重要なポイントは「安心感」「自己重要感」である。
・安心感を満たすための方法は、「否定しないこと」「最後まで話を聞くこと」「背景・理由を確認すること」
・自己重要感を満たすための方法は「相手の名前を呼ぶ」「相手のことを相手以上に理解する」「相手の目を見てうなずく」
・人間は視覚からの情報が最も多いため笑顔が重要
・「人の心を動かす」影響力は、あなたのことを好きだと感じてくれる人が多ければ多いほど大きなものになる





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