見出し画像

驟雨


空気にそっとオブラートを溶かす

少しくらいぼやけていた方が綺麗さ

君は左肩を濡らしながら笑う

コンタクトレンズを外して見る

街灯の光 枕元の読書灯

曇ったショーウィンドウの前で

わたしは目を閉じて巻貝に耳を寄せる

雑踏が混じり合いひとつになり消える

額から鼻梁を伝い こぼれた滴が

すぐに街を満たして

やがて海になる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?