【短文朗読】セピア色
☆所要時間:1分
☆人数 :1人用
「思い出はセピア色」
誰かが言っていた
そんな言葉を思い出しました
私の記憶には
季節の花の色も
賑やかな街並みも
薄明かりのライトの色も
鮮やかな色で残っています
光る雨雫も
そこに映った
楽しそうな二人も
セピア色には なってくれません
もしも
色を消すことができたとしても
それだけのこと
知ってしまった
優しい声を
触れてしまった
その温もりを
どうして消すことができるでしょう
滲む景色のように
この想いが
淡く世界に混ざってくれたら
私の雨は
やむのでしょうか
End
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