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【優先座席】について考えてほしいこと

こんにちは!まこ先生です。

以前ご紹介した【電車利用】における障害者の割引制度に引き続き、今回は【優先座席】の使用に関して、障害のある人間としての立場から書いていきたいと思います。

その前に以前の記事のリンク↓↓を貼っておくので、よければご覧ください。

1.「優先」の意味

これまで僕が電車を利用してきて、最も「不便だな」「おかしいな」と感じてきたのはやっぱり【優先座席・車椅子スペース】についてです。

だってもはや「優先座席」でもなければ「車椅子スペース」でも何でもないですから。

あくまでも「優先」なので、誰しもに使う権利があるのはわかりますよ。

でもね、使うならやっぱりマナーは尊重してほしいんです。
それにいくら誰でも使っていいとは言え、一般の方が使うのであればある程度の理由は持っていてほしいと思うんです。

それはなぜかって、そうじゃないと優先座席を本当に必要とされる方が使えないからです。

2.必要性を疑う例

もちろん見た分には疾患を抱えているのがわかりにくい人もいるので、いくら僕でも座っている人全員に「譲る気持ちがないのかな」とは思いません。

でも、例えば野球部の集団が優先座席を占拠しているパターン。

野球部に限らず、運動用バッグを持っているような、どう見ても運動部に所属している学生たちが、平気でその席に座っているのをよく見かけます。

そういうときはとりあえず
「電車内で立つ元気もないなら部活なんてできひんやろ!」
と思うんです。

あとは以下のような人たち。
・優先座席でひたすらゲームしてる人
・大きな声で電話しちゃってる人
・一心不乱に化粧をしている人
・人目もはばからず何かしら食べている人
・挙句の果てに缶ビール飲んでる人(←大阪だけ?笑)

とりあえず
「それって優先座席ですることですか?」
と思います。

携帯なんて今でこそ「一応使ってもいい」みたいなルールになってるのかもしれないですが、一昔前までは「優先座席付近では電源を切る」のが一般的なルールでしたよね。

そのルールがあるのに「よく平気な顔で使えるなぁ」と思っていたものです。
もしも周りにペースメーカーが入っている人がいて、あなたのせいで体調を崩してしまったならどう責任を取るんですか、と考えていました。
まぁそんな人たちはそこまで考えられないんでしょうけど・・・。

あと化粧や食事は論外ですね。笑

優先座席を使うなら、それなりのマナーを心掛けてくれと切に思います。

3.「譲り合い」なんて綺麗事

それに優先座席に座っている人たちって、大半は下を向いているんですよね。

そんな状態で
「譲り合いも何もなくない?」
と思うわけです。

よく電車のアナウンスで
「優先座席は譲りあってお座りください」
みたいな謳い文句が流れますけど、譲りあっているところをほとんど見たことがない。


これは僕の実体験になりますが、優先座席が満席だったのでその前に立っていて、電車のブレーキで踏ん張れず倒れたことがあります。

案の定とでも言うべきか、それでも譲ってもらえなかった。

そりゃそうですよね。
一般の席ならまだしも、人に席を譲る気配りのある方は、何かしらの事情がない限りはそもそも優先座席に座らないと思うんです。

人に譲れない事情を抱えている方ーーつまり本当にその座席を必要としている方か、あるいは反対に他人のことなんてどうでもいい、とにかく自分が座れればいいと思っている人しか座らないんですから。

4.大学時代に直面した目を疑う話

これは僕が大学生の時の話です。

僕がやむを得ず優先座席に座っていた際(他のすべての席が埋まっていました)、目の前にクラッチ(杖の一種です)をついた人が立っていました。

どこからどう見ても「優先されるべき人」ですよね。

でも、周りの誰一人とて、この人に席を譲る気がない

「あ、今チラっと見たなよ」
っていう人がいても、すぐに知らんぷり。
そもそも基本的に誰もこの人を見ようとすらしない。

「みんな目線上げたら負けやと思ってるんかな?」
ってくらいに下を向いていたわけです。

みんな意地でも視線を上げないのは、万が一
「どうして席を譲らないんですか?」
と問われた際に、
「視界に入っていなかったので気づきませんでした」
と答えられるようにするためって魂胆なんだろうと僕はにらんでます。

とにかくまぁみんなスマホスマホスマホスマホ・・・。
僕の視界に映る限りほぼ全員がスマホ中毒者です。
お前ら全員そんなに大事なやり取りしてんのか?ってほどに。
(口が悪くなってすみません)

プラス酔っぱらっていびきをかきながら爆睡してるおっさん。

「世の中どうかしてるな…」
と、つい言葉が出そうになりました。
いや、僕の感覚だとすでに世の中どうかしてますけどね。

とりあえず、僕はこういう光景を極力見たくないから、普段はなるべく優先座席を避けて座っています

ほんとに
「誰のため、何のための優先なん?」
って思います。


・・・話を戻しましょうか。

この時は結局僕が声をかけて席を譲りました。

相手の方も僕の腕と足に障害があるのは気付いていたようで
「いえいえ、大丈夫ですよ!」
って答えてくれましたけど…

「席を譲る」という僕の気持ちは譲れませんでした。黙

本音を言うと、「譲りたい」という気持ちももちろんありましたが、それ以上に
「せめて自分だけは周りの人間と違っていたい」
という想いの方が強かっただけなんですけどね。

何もわかろうとしない、見ようとしない人間と同じになるのだけは絶対に嫌だったんです。

心が窮屈になる精神的苦痛よりも、足がジンジンと痛む身体的苦痛を僕は優先しました。

5.譲ってもらう側のモラル

まぁでも、中には「譲りますよ」と言われて、なぜか狂ったように怒りだす人もいますもんね。

こうなってくると、やっぱり譲られる側にもモラルが求められると思います。

善意ある人がせっかく勇気を出して声をかけても、声をかけられた側の心無い一言ですべてが崩れてしまう。

これって社会にとってめちゃくちゃ大きな損害だと思うんです。

人に善意を示された際には、たとえそれが自分にとって不要なことであっても、「ありがとう」と言える勇気が必要ですよ。

もし本当に不要であるのなら、
「いいえ、大丈夫ですよ。ありがとうございます」
と丁重に断れるしなやかさと心配りが大事だと思います。

いずれにせよ、「ありがとう」の一言が言えるかどうか。

この一言は魔法の言葉だと僕は信じています。

6.「席譲ってください」って言えますか?

でもやっぱり、自分が座る必要性が低いのであれば、優先座席はその席を本当に必要とされている方のために空けておいてほしいなと思います。

必要とされる方がいるとして、
「その席譲ってもらえますか?」
なんてなかなか言えるものじゃない
ですよ。

まず誰に声をかければいいかわからないんです。

たまたま声をかけた相手が、実は優先座席を本当に必要とされている人だったらどうしよう…とか。

あるいはその逆で、仮に自分が内部障害を持っていて、他人から見ると自分に障害があるとわかりづらい時。

「何で健常なあなたに譲らないといけないんですか」とか、
「露骨に嫌な顔をされたらどうしよう」とか、
当事者ほど色々考えてしまうと思うんです。

そもそも下を向いている相手には声かけしにくいですしね。

だからこそ、たとえ優先座席が空いていたとしても、
「後で本当に必要とされる方が乗ってくるんじゃないか」
と考えるようにしてほしいんです。

あるいは、自分がその席に座っていたとして、目の前に必要とされている方が現れた際には「どうぞ」と声をかける勇気を持っていてほしいんです。

みなさん一人ひとりのそういった心配り・配慮だけで「心身が救われる」あるいは「世界が広がる」方がたくさんいらっしゃいます。

それで救われる、世界が広がるのは、何も身障者に限らず、病気の方も、高齢の方も、妊婦の方も…多種多様な方々にあてはまることだと思います。

7.まとめ

ざっくりではありますが、優先座席について僕が思うこと、感じることをまとめました。

数分~数十分のような短い時間でも、僕のように足に障害のある方やご高齢の方にとっては、電車内の立ちっぱなしって地獄のような時間なんですよね。

僕の場合は両腕が無くてつり革も握れないし、踏ん張る力もないので、電車が揺れるたびになかなかのエネルギーが消費されて。
たった数分で汗でびっしょびしょになるんです、これがまた恥ずかしい。笑


まぁでも、ほんとに電車内は人のモラルがよく反映されてます。

「優しさは作れても、真心や気遣いは作れない」

これ僕が勝手に考えてることなんですけどね。
「優しさ」ってアピールできると思うんです。
言い換えると
「優しくしようと思えば誰でもできる」
と思うんですよ。
好きな人や自分にとって利益になる人には優しくしよう、みたいに。

でも「真心」「気遣い」は簡単には作れない。
その人の奥深い部分に根付いているものだと思うから。
表面的なものじゃないんです。
「気がつけばそうしていた」といった次元のものなんです。

その点、電車に乗っていると、真心や気遣いが備わっている人って少ないなぁと感じてしまいます。
僕もそのうちの一人かもしれませんが(;´・ω・)

でも、もっと多くの人が暮らしやすい世の中になるためにも、一人一人の意識が本当に重要になると思っています。
そしてこうした配慮や気遣いに溢れた世の中になってほしいなと、心の底から思います。

それでは長くなってしまいましたが今回はこの辺で。

最後までお読みいただきありがとうございました(`・ω・´)!

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