『飛ばしていた』
団地の8階から、西の広場に向かって
たまに、紙飛行機をつくっては飛ばしていた
快晴のときは大空を滑るような姿が
夕焼けのときは逆光に映る姿が
とてもかっこよかった
雨の日は、飛ばせなかったけど
たいてい、僕は着陸までを見届けないで、部屋の中に戻った
あるとき団地の掲示板に「紙飛行機禁止」との貼り紙
ゴミになるから
いわれてみればそうだな、と僕は思った
紙飛行機を飛ばすことをやめた
貼り紙から何日かして、学校で
同じ棟の6階に住む同級生の女子から
「ひこうき禁止されちゃったね」
といわれた
また飛ばしてみようかと思った
いいでしょ?