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牛と猿と犬、それからウンコ

私の住む街には牛と犬それから猿、そしてウンコが
道端に溢れかえっている。
それはもうもう大量に。

先に言っておきたいけど
別にインドの文句ではない。

しかしよ、どうなんだい。
この感じはさ、21世紀に生きてることを
疑うような世界が広がるこの街。
嫌いじゃないけどね、この感じ。

ヒンドゥー教徒にとって「牛」は神聖な動物
のはずだけど、至る所でゴミを漁る牛たちをみる。
「ありゃ、神様がゴミ漁ってんで」
となるさーね、当然。
ま、それはもういいとして。

私のパートナーはベジタリアン。
私もプチベジタリアン。(そもそも肉や魚は手に入らない)

しかし、彼は欧米的なベジタリアンの定義とは少し違ってて
ミルクやチーズいわゆる乳製品は摂取可能。
これってよくいうベジタリアンではない。
でも、しっかりヒンドゥー教の自然摂理に基づいているもの。

人間もそうだけど、妊娠・出産・育児段階の女性の体は
その状況に適応して変化する。
授乳期に胸が張って痛みが出るのと同じで、その際はお乳を出すことで
痛みが軽減したりするよね。
皆に当てはまるわけではないけど、出すことで
痛みから解放されたり、次のお乳を作ったりできる。
それと一緒で牛のお乳も出してあげることは自然の摂理に乗っ取ったこと
だから、ミルクはいただいてもOKということらしい。
なるほどね、なんともインドらしい考え方。

そういう理由でインドで言う
「ベジタリアン」の人々は乳製品も取る人もいる。
もちろん、人それぞれで
ノンベジ(チキンやマトン、魚を食べる人)
ピュアベジ(乳製品や動物性の物を一切取らない人)
などさまざまなスタイルのインド人がいるけどね。

ここに来て勉強になることといえば
食生活にもさまざまな選択肢があると言うこと。

牛や豚が加工されるところを
おそらくほとんどの日本人は知らずに一生を終えるはず。
スーパーにはすでに加工されたものが並んでるし
そこまでの過程を目にすることってむしろ難しかったりする。

でもアフリカや南アジアの多くの国では
家畜を生きたままマーケットで買うとのはごくごく自然なこと。
だから生き物を殺して食べているという感覚がすごくある。

インドに来てから肉類が遠のいた一番大きな理由がそれ。
鶏を絞める技術もなければ絞める勇気もない。
そうしてまで食べたいとは思わない。
毎日、野菜中心で生活している。
それでも時たま、SNSで見かけるお料理動画を見ちゃうと
唐揚げが食べたくなったり、お刺身が食べたくなったり。
綺麗なものとしてしか見てこなかったからか
生き物を殺傷した上に成り立つ自分たちの食生活というのが
どうしても結びつきにくいというか。

こうして考えると日本食は肉や魚がベースにある。
日本でまだまだベジタリアンとかヴィーガンの選択肢が
少ないのはそういう食文化があるからだよね。

自分で殺せないなら食べる資格はない、と思ったり
でもそのために食品加工という仕事がある、と思ってみたり
菜食中心で生活できたら健康にも環境にもいいことだらけだろうけど
なかなか手放すことができないのは私のエゴなのか。

とまあ、ベジタリアンをパートナーに持つ私には
身近な話題。。




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