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【後編】AC長野パルセイロ2020統括【南長野の悲劇】

ルヴァンカップの決勝が2021年1月4日にやっていたので、この記事を書き上げた1月6日は実質2020年といえるでしょう。つまり、2020年の統括を語るには全然間に合ってるということです。

前編はこちら

OMF

東 浩史

パルセイロが誇るイケメンアタッカーで、今シーズン,大きく若返ったメンツを引っ張る柱として背番号10まで託され,今年はチームの顔として活躍すると思わせて、実に今まで通りのプレーをみせてくれたアタッカー。足元の技術があり狭いスペースの中でのプレーが得意、というかバイタルエリア付近の狭いスペースで持ち味が発揮される、元日本代表の香川に近いタイプ。本家香川と同じく、サイドを突破するほどのスプリントは無く、守備を切り裂く魔法のパスを出すタイプでもないので、適正ポジションがトップ下しか見当たらない。今年はチーム戦術である「みんなでプレスかけまくって、ボールをとって、攻める」に順応し、坪川、藤山と協力してかけまくる鬼のプレッシングは「ジェットストリームアタック」とも呼ばれた(予想)。左サイドにいるとどうしても、背格好が似てる水谷に見えてしまい、「水谷ナイス!あ、東か。」ってなる場面が何度もあった。来期あたりいきなり得点力覚醒して10ゴールとかしてくれないかなあ。

妹尾 直哉

ガンバ大阪U23から加入した頃は、攻撃の切り札になってもおかしくないくらいの活躍を期待されていたが、いざ蓋を開けてみるとぜんぜん持ち味を発揮できず、攻撃よりも守備で頑張るタイプにどんどん変貌していった。原口か。ただ、おそらく今まで、守備?なにそれ?俺の辞書にそんな言葉ないぜ!な人生を歩んできたと思われるため、たまに試合に出るとゴール前でクリアしたボールがそのまま相手への絶好のパスになってしまうプレーを見せつけ、明らかにクリア慣れしていないのが丸分かりとなっていた。その後は監督の構想から外れてしまい残念ながら契約満了。結局、ガンバ時代の輝きは見せられなかった。パルセイロはなぜドリブラーが活躍できないのか。標高が高いからすぐ疲れてしまうのか。寒すぎるのか。イナゴでも食べて元気出してほしい。

牧野 寛太

新人でいきなり9番を背負うミッドフィルダー登録というロマンの塊みたいな選手だったが、肝心の試合のほうはあまり出場機会は得られなかった。何試合かベンチ入りして、消えて、忘れたころにまたベンチ入りしているが試合には出さないという、謎の起用法をされていた。なぜなのか。来年も残留は間違いないのと、左サイドの前の補強がうまくいかなければおそらくレギュラーとなるのだろうが、来年は特長を出していかないと、また監督に忘れられてしまいそう。かといって、いきなり金髪にするとかは、長野県民がびびってしまうのでやめていただきたい。

三田 尚希

今年のパルセイロの補強の中で一番の大当たり。八戸さんには足を向けて寝られません。この勢いで国分もください。だめですか。そうですか。持ち味の右サイドからゴール前にガンガン飛び込んでいくスタイルがハマり、ゴールを量産、なんと2桁ゴールを達成した。ちなみに2019のパルセイロの個人最多ゴール数は4点。その前の年は6点。そう、あのパルセイロの暗黒時代の事である。思い出そうとするだけでめまいと頭痛がする。ただサイドでチャンスを作るタイプではないため、攻撃的なサイドバックと組ませてゴール付近での仕事に専念させると真価を発揮する。八戸さん、やっぱり国分ください。

藤森 亮志

開幕当初はベンチすら入れず、自慢のロングスローを披露する場面はなかったが、シーズン中盤から後半にかけて起用されだした。プレースタイルがとにかく走るマン、今年のパルセイロはとにかく走るマンタイプがやたら多い。J3は2021シーズンは駅伝で順位決めませんか?負けてる場面で「なんとかして来い!」感覚で投入されるが、だいたい試合終了残り1分とかなんで、何もしないまま試合終了になることが多い。どうしろというのか。来年は出場機会を増やさないと放出もあり得るので何かしら特長を見せてほしい。ちょっと見た感じだと特別足元が上手いわけでもないので、例えば筋トレしまくってゴレツカみたいな体型を目指すのも面白そう。かわいい顔してるのにマッチョになって、自陣から相手ペナルティエリアまでボールを投げ飛ばすミサイルロングスローの使い手になるとか。

上米良 柊人

シーズン半ばに相模原から完全移籍で加入。この時期の完全移籍だからよっぽど獲得したかったんだろうなと思ったらそんなに起用されなかった。なんだそりゃ。スタメン出場というよりは攻撃のジョーカー的役割を与えられたが、どちらかというとパルセイロ得意の「選手ガチャ(いろんな選手をガンガン変えて当たりを狙う作戦)」の犠牲となった一人だった印象。「小さくて、すばしっこくて、テクニックあるし、プレスも頑張る系」の選手がやたら多い2020のメンバーのなかでは個性が目立たないのが正直なところなので、来年あたりには目に見える結果を出さないとヤバそう。カンメラを止めるな!という応援フラッグがあるという噂だが、いまだに発見できない。

小西 陽向

パルセイロ史上初のユースからの昇格選手だったが、1試合も出ないまま、シーズン終盤にケガだけ発表された。復帰に向けて頑張ってほしい。

FW

木村 裕

シーズン開幕当初はレギュラーとして、昨年の怪我から復活のシーズンになるかと思ったが、再び怪我で戦列を離れてしまい、結局それが原因で、まだ若いが引退を発表した。お疲れ様でした。長崎時代は結構なスーパーゴールも決めていたが、一度くらいは万全な状態でのプレーを見たかった。昨年の新井純平といい、今年の木村といい、怪我人の多さがマジで深刻なので善光寺でお祓いをしてから、みんなでお戒壇巡りとかしたほうがいいと思う。

佐野 翼

熊本時代にパルセイロ相手にエルボー食らわせておきながら、その1~2か月後に移籍してきたという心臓の強いフォワード。その心臓の強さはパルセイロでも遺憾なく発揮され、途中出場が多いながらチーム2位の7ゴールを挙げ、フォワード陣のなかではトップの数字を残した。並の選手ならヘディングでいくところを、ジャンピングボレーで狙ってみたりスケールの大きなプレーを見せてくれたがそこはヘディングでもよかった気がします。ある試合、後半から投入されたのに1点差で負けてる場面で途中交代させられた時は、さすがにキレて監督にエルボー食らわすかと信州プロレスファンをワクワクさせたが、普通に走って交代したナイスガイ。来年はスタメン起用で得点数をもっと伸ばしてほしい。

吉田 息吹

今季フォワードの柱だった大卒二年目。安定したポストプレーと前線でのプレッシングを持ち味にがっちりレギュラーをつかんだが、試合後半になると明らかに疲れているのが目に見えて分かってくるので「監督、もう変えてやれよ」とベンチをチラ見するもだいたい変えられるのは佐相だったりして、シーズン後半にかけて徐々にゴールから遠のき、結局シーズン後半だけを見ると1得点しか取れなかった。吉田がサイドを突破してクロスをあげる場面を見るたびに「お前の居場所はそこじゃない」とスタジアム中から総ツッコミが入るので、優しそうな顔に似合わずエゴを全開に出してほしい。

佐相 壱明

大宮様から監督の縁でレンタルでお貸し頂いたフォワード。運動量で勝負するタイプで吉田のポストプレーに反応してゴール前に飛び込む役割を担っていたが、チャンスメイクについてはからっきしで、同サイドの水谷に完全に依存していた。攻撃がうまくいっていてもいかなくても、とにかく交代させられてしまう可哀相な起用をされていた上、特にドリブルで仕掛ける事もあまりなく、一本のパスでチャンスを作れるわけでもなく、クロスの精度が高いわけでもなく、とにかく特長が目立ちづらかったため、ツートップのシャドーとかでゴールに近いところで使うのがいいんだろうなと思った。あと「佐相がファウルを誘う」の渾身ギャグを披露したかったが、別にファウルを誘うことはなかった。

岡 佳樹

沼津から今季加入したが、吉田のバックアッパー扱いから抜け出せず契約満了。お疲れさまでした。彼も背の高さやフィジカルを生かしたポストプレーヤ‐だったが、さすがにJ3のセンターバック相手に競り勝てないのは厳しい。また時折、吉田とのダブルポストプレーヤー作戦を発動させていたが、何も効果の見えないまま大城と変えられたのを見たときは、いったい何を見させらていたんだ?時間が飛んだ?キング・クリムゾンの能力か!と錯覚した。「岡のおかげ」という渾身ギャグを温めていたが、岡のおかげでどうにかなった場面が思い出せず、使うところがなかった。残念。

大城 佑斗

ドリブルと俊敏性が武器のアタッカーで、パルセイロでは基本的にスーパーサブ的役割を担っていたが今季限りでの契約満了となった。お疲れ様でした。特長がとにかく分かりやすいので気軽に後半から投入できる切り札だったが、今期のパルセイロは大城と似たタイプの選手が多かった上、目に見えるゴールという結果も出せなかったのが悔やまれる。他のクラブでも需要のある能力を擁した選手なので、引く手は多いと思う。頑張ってほしい。

監督

横山 雄次

就任1年目は、当時、過渡期を迎えていたメンバーの起用に苦戦していたが、就任2年目に劇的に若返りを図ったパルセイロを昇格争いに導いた。活きの良いたくさん走れる若者たちに。とにかくガンガンプレスをかけさせてボールを奪い、縦に速い攻撃で仕留めるスタイルを根付かせることで勝ち点を上げていったが、シーズン後半の大事な試合で勝ち点を落とす試合を頻発してしまい、結局最終戦で悲劇を引き起こしてしまった。選手交代のタイミングが早すぎる、遅すぎるの両極端な交代策を見せることもあったり、突然謎のスタメン起用をしたり、もしかしたら情報戦のつもりなのかもしれないが、正直ただ混乱するだけですがこれも天才的閃きの一つなのかもしれない。試合中にパルセイロベンチから聞こえる大きな声がスタジアムに響き「パルセイロの監督の声すげえな」とお客さんがしゃべっていたが、あれはパルセイロ名物コーチの声です。偽監督です。

新シーズンに向けて、すでに何人か個人昇格しちゃったよ!補強頼むよ!「現有戦力の残留が最大の補強」とか思っちゃだめだよ!

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