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信州ダービー天皇杯長野県予選決勝におけるPK戦での出来事について

5月12日、天皇杯長野県予選決勝、AC長野パルセイロ対松本山雅が行われまして、試合は120分間の死闘でも決着がつかず1-1ドロー。PK戦の末、AC長野パルセイロが6-5で勝利し、2年連続長野県王者となり天皇杯本戦出場を決めました。

試合内容や信濃の国の佐久合唱問題、プチ炎上したPK成功後の煽り問題などなど色々と物議を醸したことは今回はいったん置いておくとして、今回ここで取り上げたいのは【PKキッカーはPKキックそのものにどのくらい時間をかけてよいのか】ということです。

問題のシーンは、延長戦後、PK戦へと突入し、先攻AC長野パルセイロの一人目のキックが成功、後攻となった松本山雅の一人目のキッカーがボールをセットし、助走の距離をとるために数歩後退したその後です。



蹴らない。


まったく蹴らない。



キッカーが、微動だにしない。


というか、突っ立ってる。



僕はabnアプリ内からのYouTubeライブ映像で観戦していたのですが、なんらかの理由でネット回線が止まったのか、配信会社がストライキ起こしてここで映像配信を取り止めたのかと思いました。

違いました。



まったく蹴らないのです。


サッカーの試合中にPKが宣告され、ペナルティスポットに立ち、ボールをセットした時点で

・ボールを蹴る?
→はい
 いいえ

の中で

 はい
→いいえ

を選択することがありえるでしょうか。

もし、ドラゴンクエストで上記の質問が明示され、仮に”いいえ”を選択し、決定ボタンを押そうものなら

主審A「やだなあ、冗談はやめてくださいよおおお~~」

ヒロイン「お願い、もう一度よく考えて!」

とか返されて、即座に最初の

・ボールを蹴る?
→はい
 いいえ

の質問が無限ループ状態に突入し、いわゆる「はいを選択しないと物語が進まないアレ」になることでしょう。


また、正面に蹴る以外に【牽制球を投げる】という選択肢もあり得るでしょうか。


ボールをゆっくりセットし、数歩後退し、呼吸を整える。おもむろにボールを近づいたかと思ったその瞬間、一塁目掛けて素早いターンからのリリース!リードの大きかった一塁ランナーは戻りきれずにアウト!!誰がどう見てもPKを蹴るとしか思えなかった細かい動きからすでにランナーとの駆け引きは始まっており、独特のリズム、セットポジションに入ったかと思わせ油断したランナーは完全にタイミングをずらされ、成すすべなく哀れにもベンチへ戻っていく。まさに駆け引きの妙。侍の真髄。現代の宮本武蔵である。
これは何の話ですか?


まじめな話をすると、確かPKのルールとして”一度蹴る動作に入ったら、動きの流れの中で完全に動作を止めるのはダメ”みたいなニュアンスのものがあったはずです。

ネイマールを中心としたテクニシャン系のうざいブラジル人が昔多用していたことからまるでネイマールを狙い撃ちしたかのように設定されたPK独自のルールですが、ことPK戦においてはキック動作に入る前の助走については何秒以内に蹴らないといけない・・・というルールは無いように思えます。

色々ネットで検索してみましたが、ペナルティエリア内での反則などいわゆる試合中の事象で起きた守備側のペナルティーとしてのPKは、ボールをセットしてから15秒以内に蹴ることなどがヤフー質問箱などで書かれてますけど、厳密に何秒以内に蹴りなさい!というのはざっくり調べただけですが決まってはいない、主審の主観によって取り決められているようです。

つまり、突如降り出した通り雨の中でPK戦が始まり「雨が止んでから蹴ります」と雨が収まるのをただひたすらに待っても現行ルール上は基本的には問題なしとなり、助走開始までは座ろうが、散歩しようが、体操しようが、ラジオ体操第一第二しようが、腕立て伏せしようが、スクワットしようが、1人じゃんけんしようが、日光浴しようが、突っ立ってようが、バク転しようが、逆立ちになりながら足をパカパカ開脚し「脚痩せには足パカが効果的ですよ!」と奇声を発しながらYOASOBIの夜に駆けるに合わせて意味のない足パカ体操をYouTube上にアップしようが、まったく問題なしとなります。
倫理的には確実に人格破綻者もしくは変態のレッテルを貼られることにはなりますが。

ちなみにこのときの松本山雅の一人目キッカー選手がPKを蹴り終えるまでにかけた時間をざっと数えたところ、

ボールをペナルティスポットにセット→5秒

ボールを置いてから数歩後退→5秒

立ったまま静止状態→40秒(会場ざわつく)

蹴ろうかなって構えから実際蹴る→4秒

合計54秒もかかっています。

先程紹介した15秒とは明らかにオーバーしており、もしこれが試合中などであれば普通に遅延行為でイエローカードが出ていてもおかしくないと思います。

今の状態でルール上問題無いということであれば、大袈裟に言えばひたすらに時間を使って、ゴールキーパーが気を抜いた瞬間や瞬きをした瞬間を狙って蹴り込むという事もできますし、しっかり身体を休めて脚が回復するのを待ってから蹴り込む、もしくはしびれを切らしたゴールキーパーが何かアクションを起こした瞬間の隙を狙って蹴り込むこともルール上は可能です。

主審については例えば15秒を過ぎた時点で警告をしたり、早く蹴りなさいと注意喚起をすることもできると思いますが、今のままお咎め無し!やったモン勝ち!だとあまりにも無法地帯になりかねないなという個人的に
は危惧があります。

冗談半分、本気半分で書きましたが別に「こんなヤツがいた!ムキー!」とか「ここまでやってて負けてダセェ(笑)」とかいう気持ちは全く無く、単なる問題提起として何かしらルールはあったほうがいいんじゃないでしょうか?ってだけなので、別に世界ではもっともっと時間をかけて蹴ってる選手いるぞ!とか、小見選手のPK動画は許されるのか?とかそういうのもどしどし意見として貰えたら嬉しいです。

有志の方がそのPK戦の動画をYouTubeにアップしてくれていますのでぜひ見てみてご意見、コメントをください。


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