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日常の音やリズムが愉快になる、キューバ街歩き

「マニー、マニー、マニー」

ピーナッツ(マニー)売りが声をはりあげます。

するとどこからともなく、「マニー」の調子をまねする声。タイミングをずらして輪唱する声。高いトーンでハモろうとする声が加わり、あたりが笑いに包まれました。

首都ハバナの中心部に近い、下町風情あふれるセントロハバナの夕方。学校や仕事を終えた人たちが、外に出て遊んだり、話したりしていたところに、ピーナッツ売りの男性が来て、しばし盛り上がっていました。

清掃しながら腰でリズム

キューバの街を歩くと、あちらこちらで音楽が鳴っています。音の源泉をたどると、窓を開け放した家の中から響いていることも。

中心部のホテルに泊まっていたときも、どこからか、ズンドコ、ズンドコ、ノリのよいリズムが聞こえてきました

そのタイミングで部屋に掃除の女性がやってきたのですが、こちらを見てにっこり笑ったかと思うと、リズムに合わせて腰を揺らし、モップで拍子を取っていて楽しそう。

掃除用の制服を着ているのに、色っぽい。茶目っ気たっぷりの動きに、一緒に笑ってしまいました。

そんなことがあって、キューバの街を歩くと、耳にする音がリズムを奏でているように感じるようになりました。色っぽい腰の動きはできないけれど、手足でリズムを取りたくなる。

キューバ人の早口のスペイン語も、キレのよいリズムを刻んでいるように思えてきます。

ごみ箱をたたいてリズムをとる

日本でも、キューバで街歩きをしていたときのように、日常生活でも音に反応して、勝手にウキウキするようになりました。

足音。雨の音。お湯が沸いてやかんのふたが跳ねる規則正しいリズムに身をゆだねてみたり。

ごみを捨てるときにごみ箱をたたき、お皿をスポンジでこすっているときに、リズム楽器を鳴らしている感覚になったり。

日常にあふれる、音やリズム。感じとり、作り出し、アレンジする。ふと愉快になるひとときでもあるのです。

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