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岡本かの子「巴里のむす子へ」

今晩は、岡本かの子の随筆「巴里のむす子へ」を朗読しております。

歌人・小説家の岡本かの子が「タロー」と語りかけている息子は、あの岡本太郎。

ラスト近くで鼻歌を歌っている夫は岡本一平。彼は新聞や雑誌で、漫画に解説文を添えた「漫画漫文」というかたちで大成功をおさめた漫画家で、「一平塾」という漫画塾も開き、近藤日出造や清水崑ら、すぐれた漫画家たちを輩出しています。

一平が、妻かの子の恋人を受け入れ、一平、かの子、かの子の恋人が同居していたというのは、わりとよく知られている話ではないでしょうか。

一人目の恋人は、病で故郷に帰り、亡くなられました。

その後、二人目、そして三人目の恋人もできて、同時進行。

夫の仕事がらみでかの子は、夫一平と恋人二人と、息子太郎といっしょに渡欧。そして十九歳の太郎をパリにのこし、夫と恋人二人と幾つもの国をめぐり、帰国しました。

かの子は49歳のときに、また別の青年と、三浦半島の宿にいたときに倒れます。

そのとき、恋人の一人は別の恋人ができて家を出ていましたが、もう一人の恋人は、まだ一平の家にいて、同年にかの子が亡くなるときまで看病したのでした。

芸術にも、愛にも、いろいろなかたちがあるものですね……。

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