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昆布を大量購入した話2(目分量レシピ編)

前回、昆布約10kgを購入したという話を書きました。今回はどのように昆布を利用したか紹介します。

イソギンチャクのような昆布の根を使ったペペロンチーノ

昆布根

明らかに他の昆布たちと様子が違うこいつ、昆布の根。どうしよう。後にガニアシと呼ばれる高級部位だということがわかりましたが、予備知識ナッシングだった私は悩みました。いっぱい付着物や小さな生き物が出てくるし(前回の記事参照)、果たして食べられるのだろうか。

悩んでいたら昔の出来事をふいに思い出しました。今回購入させて頂いた昆布の生産地近く、金沢八景に住んでいた頃の引っ越しの時の話。直前になっても全然片付けが終わらず、何人かの友達にめちゃめちゃ手伝ってもらった。鍋なども全部梱包した後にカレールーが見つかった。そしてクッキーの空き缶みたいなやや大きい缶が部屋にあった。ゴミとして出そうとしていたものだ。その空き缶でみんなでカレーを作って食べたことをなぜか急に思い出しました。

今考えると正気の沙汰とは思えない。有害物質や塗料が溶けだしていたかもしれない(※何事もなかったからよかったものの、絶対に絶対に真似しないでください!!)。そして今目の前にある昆布の根及び付着物たちは、固かろうがまずかろうが天然の成分であろう。空き缶より遥かに安全なはずだから大丈夫だろうという結論に至りました。何事も経験だ。空き缶カレーが人生において指標になる日が来るとは思わなかった。それに万が一根に毒があったとしたら、各方面からの注意喚起があるはずだ。大丈夫だと確信した。正確に言えば、調理してみたいという好奇心に勝てず、確信する理由を探していた。

というわけで、オリーブオイルとにんにくと唐辛子で炒めてみました。俗にいうペペロンチーノってやつです。昆布レシピを検索しまくっていたらペペロンチーノ味が出てきたので、根でもいけるんじゃないかと思ったのでやってみました。

昆布の根ペペロンチーノ

炒めると色が変わり、緑の部分が少し鮮やかになったような気がします。固そうだったので白ワインを入れて蒸し煮にしたかったけど、切らしていたので日本酒を入れました。

感想は、固いけどおいしい!茎わかめをさらに固くしたような食感と、あさりの酒蒸しみたいな風味で、めっちゃおいしい!

根を炒めたやつの一部を、昆布本体としらすを足してパスタにしました。磯の風味豊かな普通にめっちゃおいしいパスタができた。

昆布の根パスタ

ちなみに昆布の発掘後、一番最初に作った料理がこれでした。珍しい上にパワーのある食材ということで、上述の通り本来高価なもののようです。まぁ有効活用すべくベストは尽くしたんじゃないかと思います。

昆布の炒め物

Twitterで昆布レシピを呼び掛けたところ教えてもらったレシピがこちら。Twitterのみんな愛してます。ごま油とめんつゆで炒めます。具は、にんじんと油揚げを入れました。気づいたら唐辛子を入れていました。さっきも使ったよね。

昆布炒め物

ねばねばしてるので納豆と相性がいいんじゃないかと思いました。そこで納豆を購入しようとしましたが、案の定売り切れていました。違うんだ、昨今話題の免疫への効果を求めているんじゃなくて、私は昆布と一緒に納豆を食べたいだけなんだ。後日無事に購入できました。ちなみに私は納豆はひきわり派です。合わせてご飯にかけたら予想通りめっちゃおいしかった!

リュウジお兄さんのバズレシピよりインスタントラーメン

前からやってみたかった、インスタントラーメンの水100ccを日本酒に置き換えるレシピ。オリジナルはこちら。

https://www.youtube.com/watch?v=-6JHB3hI2kQ&t=359s

さらに昆布を加えてみようと思います。

昆布ラーメン1

昆布ラーメン2

めっちゃおいしい!スープのクオリティがものすごい上がりました。日本酒と昆布出汁が加わり、インスタントラーメンとは思えない高級感になりました。今回色々と昆布料理を作った中でこれが一番ヒット作かもしれない。どれもおいしいんだけど(自画自賛笑、もちろん昆布がおいしいからです)、コスパと、とにかく期待値を大きく上回ったのでこれが一番!

トッピングで乗せた昆布からだんだんうま味成分が出て、食べ進むにつれ味が濃くなるような印象。昆布は始めから鍋に入れて煮出すのもありかもしれない。今度やってみよう。わかめに似ているようで食感がしっかりあるので、メンマを入れた時みたいな食べ応えとボリューム感が得られるのもうれしい。

昆布巻きパーリナイ

北海道知床出身として、全日本サーモン協会メンバーとして、鮭だけをテーマに3曲収録した「あの川を目指して」をリリースした水産系シンガーソングライターとして、これだけは作らなきゃいけない。好きとか嫌いとかの次元じゃなく、もはや使命だと思う。鮭の昆布巻きを私は作らなければいけない。

次の買い出しで鮭を購入する日まで、手順や巻き方をイメトレしていました。ボイトレよりもやってました。巻いたり煮込んだりするついでにおでんに入っている結び昆布みたいなものを作るのもいいかもしれない。おでんならちくわも一緒に入れて煮よう・・・ちくわ・・・そうだちくわ巻いちゃえば一回でおでん二つ分楽しめる・・・ちくわの中にごぼうを入れればごぼう巻きまで楽しめる・・・エクストリームおでんだ・・・

ということで昆布巻きパーリナイが開催されました。全部のコンロが昆布巻き。

昆布巻き

左の鍋は鮭の昆布巻き。醤油をベースに濃いめの味付けで煮ました。右の鍋はちくわにごぼうを詰めたものと、ウインナーをそれぞれ昆布で巻きました。白だしでおでん風のあっさりした味付けにしました。上の小さい鍋は同じくちくわですが、中身は岩下の新生姜。同じくおでん風ですが新生姜に酸味があるので別の鍋で。岩下の新生姜、色がナチュラルで生姜の辛さがしっかりあってめっちゃ好きです。「魔法生姜」という生姜パウダーが便利なので常備しています。

個々の感想です。

鮭・・・めっちゃおいしい。最高の組み合わせ。それぞれのおいしさがどちらもしっかりある。お互いを引き立て合っている。永遠に食べ続けたい。

昆布巻き鮭

おでん風味で煮たものたち・・・中身が飛び出る。特にごぼうと新生姜。ウインナーは初日は飛び出したけど、水分を含んだ二日目以降飛び出しにくくなりました。エクストリームおでんは改良の余地あり。味はどれもとてもおいしい!

昆布巻きちくわ

総評・・・昆布巻きそのものの味もどれもとてもおいしい上に、長時間昆布巻きのみを煮込んだ結果、どの鍋もものすごく煮汁がおいしくなっていました!右の鍋の具材を取り出した後、味を調えてお吸い物的なものを作りました。

昆布イリチー

上述の炒め物の応用版で、やはりごま油とめんつゆで炒めました。今回は豚肉とこんにゃくとにんじんが入っています。「昆布イリチー」とは沖縄料理の豚肉と昆布炒めですが、そもそもオリジナルを食べたことがないので正解がわかりません。でも昆布と豚肉は相性がとてもいいのでこれで大丈夫だと思います。

昆布イリチー

昆布出汁がなぜおいしいかというと、「グルタミン酸」という成分によるうま味があるからです。うま味成分は掛け合わせるとさらにおいしくなる相乗効果があるので、「イノシン酸」といううま味成分を持つ鰹節と昆布を合わせた出汁はとてもおいしい出汁になります。

そして豚肉にもイノシン酸が含まれています。つまり豚肉と昆布との相性は、科学的にもとてもよいのです。イノシン酸は、肉や魚などの動物系たんぱく質に多く含まれています。上述の鮭やウインナー巻は、無自覚に相乗効果を生み出してしまいました。途中味変で梅干しを入れると、昆布との相性がいいしお肉がさっぱりするのでおすすめです!食べながら、今度は豚肉きくらげ卵炒めのきくらげの代わりに昆布を入れてみたいと閃いたので今度やってみます。

にんにく醤油漬け

昆布はにんにくとも相性がよいように思います。

醤油につけられたまま冷蔵庫の片隅で1年以上経過していたにんにくは、この日のために存在していたんじゃないかと思いました。来るべきタイミングをきっと予感していたんだ。

昆布にんにく醤油

軽く湯がいた昆布を細かく切り、荒くみじん切りにした醤油漬けにんにくと混ぜて、漬けていた醤油も少々入れました。めっちゃおいしい!お酒のおつまみにもおすすめ。特に焼酎が飲みたくなる!地元北海道には昆布焼酎というのがあるので、ぜひご一緒にいかがでしょうか。

あ、今、「自分で漬けちゃえばいいじゃん」と囁く声が聞こえてきました。

まだまだ冷凍庫に昆布は控えているので、おいしい料理と焼酎ができたらまたご紹介したいと思います。お読み下さりありがとうございました!


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