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ショパンのパパの手紙

今年の抱負やご挨拶などを書こうとしていた矢先、地震や飛行機事故のニュースに心を痛めております。亡くなった方のご冥福をお祈りすると共に、被災地やご関係者の皆さまが一刻も早く心穏やかに過ごせるよう願っております。

さて。昨年は自身の活動や受験の準備を通して音楽に触れる中で、「もっと自分のルーツである日本の文化芸術に向き合い理解したい」という気持ちが芽生え始めました。

今当たり前に演奏したり耳に入れている音楽の大部分は西洋音楽が元になっているものがほとんどだということに気付き、演奏者自身(つまり私)の上っ面ではないアイデンティティはどこだい?という壁に直面しています。

そんなわけで昨年末、岩手県の平泉・中尊寺金色堂へ行ってきました。数ある文化遺産や名所の中でなぜ中尊寺に行きたかったかは詳しくはインスタに。お時間ある時にでもご覧ください。

奥州藤原氏が極楽浄土を表現したという金色堂。極楽浄土ってなんだろう?調べると「全く苦しみのない世界」とありますが、きっと戦争や災害、天変地異のないことを願ったんじゃないでしょうか。

金色堂は撮影・録画禁止でした。入館料を払って建物に入ると金色堂を見ることができます。中尊寺自体は無料で入れます。

金色堂って建物なのに、さらに建物の中にあるっておもしろいなあって思ったのと同時に、そうか当たり前だけどできた当初は野ざらしで雨風雪に晒されていたこともあったんだなあと思いました。

日本の南方で採れる夜光貝の螺鈿細工が使われていて、貝の加工や細工はどの段階で施されたかはともかくとして、今よりも移動や輸送が遥かに大変な中、極楽浄土を表現したい想いで運ばれてきたかと思うと感慨深いです。

だけどそれから時を経て約900年後の令和の現代、戦争は絶えないし災害は無慈悲にやってくる。藤原氏の願いは無力だったのか?と問う。わからない。受け取ったものがあまりにも大きい。

前後してこちらを読んでいました。

ショパンの作品だけではなく、そのバックグラウンドにある祖国ポーランドの民族舞曲が楽譜やコラムで丁寧に取り上げられていて良書。

その中でも胸を打った一節をシェアさせてください。

1830年11月2日、20歳でワルシャワを出たショパンが親友ティトゥスと共にウィーンに到着したのは11月23日の朝でした。ところが数日して、11月29日の夜、祖国ワルシャワで反ロシアの革命が起こります。ティトゥスは、銃を持って戦うためにすぐワルシャワへ戻ります。ショパンも同じように戻りたかったのですが、病身であること、祖国への思いを果たすのは、芸術によっても可能であるということ、自分が外国へ送り出されたのは、悲運な祖国ポーランドの名を「音楽」によって外国にも永遠に知らせ広める役割を果たすためであって、銃をとることだけが祖国愛ではない、といった内容の父からの手紙を読み、その言葉に従います。

北村智恵 ショパンへの道

強制力を持ってグローバル化や平均化することが本当に平和に繋がるかは疑問です。それぞれの祖国を尊重し合い共存できる世界を私は望みます。そのために自分も自国のことを理解する必要があると思い、冒頭の考えに至ります。

話は逸れますが念のため申し上げておくと、私は音楽をはじめとする芸術の存在は人間にとって必要だと考えています。そして文化資本は遍く享受できる世の中であってほしいと考えています。ですが被災者が望んでないのに押し付けるのは違うと思っています。

3月のワンマンではショパンのノクターン20番を演奏したいと思っています(宣言して自分を追い込むいつものパターン)。映画「戦場のピアニスト」で演奏されている曲なので耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

ということで長くなってしまいましたが、
・日本の文化芸術をもっと知る
・ショパンのノクターン20番を弾けるようになる

色々やりたいことや成し遂げたいことはあるんですが、まずはこの2つを今年の抱負に掲げ新年のご挨拶とさせて頂きます。他は機会があればまたそのうち。あ、noteの更新頻度はもうちょっと上げたいです。

本年もどうぞよろしくお願い致します!

【ライブスケジュール】
1/7(日)昼 あさがやドラム 「コラボの杜 あさがやドラム編 Vol.2」
open12:25
start12:45
¥3000+ドリンク
出演・しおたん、牧野くみ(13:20〜)、鈴木千絵、すずきゆい

3.23(土)大塚welcomeaback
ワンマンライブ「Aquarhythm」
open12:15
start13:00
¥3000/学生¥2000+要オーダー


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