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【セルフライナーノーツ】#4.ただ、二つだけ【「  」】

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【セルフライナーノーツ】#3.寝癖【「  」】


ライナーノーツを書き連ねていくと感じるのが、アルバムを5曲でまとめるってのは案外バランス取りやすいってこと。必ずしもコンセプトに沿って作って並べるのが正解ではないと思うんだけど、ね。1枚のCDとしての納得の仕方がちょっと変わる。にしても今だったら5曲1000円で作るのは結構シビアかなあ。。笑

CDご購入はBASE Online Store「万貴音屋」で。


「ただ、二つだけ」楽曲クレジット

作詞:小田貴音 作曲:小田貴音 編曲:万貴音

【楽曲解説】

古き良き韓流ドラマの雰囲気を持つ(なのか?笑)ピアノバラード曲。恐れ多いですが昔ヨン様に似てると言われたことがありま…待って帰らないで謝るから!

有り体に言えばラブソングなんですが、特徴はなんというか「燃え上がってない」感じ。低燃費系というより低体温系、なんでしょうか。じんわりと温かい、という温度感でまとめたストーリーです。実体験よりも自分の一つの理想の形を書いたのかな、と思ってます。他の何も考えられなくなるような熱情よりも、縁側で仲良く茶を啜るような感じが好みです。日常系のマンガとか、好きです。笑

嬉しい!とか、好きだ!とかを熱量高く相手に伝えるのが苦手な人がいます。俺もどっちかというとそうかもしれません。決して適当なわけでもごまかしてるわけでもないけど、それを平熱で伝えることしか出来ない感じ。

ただやはり、相手にどう伝わるかというのは不安なわけです。オーバーに伝えるぐらいでちょうどいい、ってことは仕事でもプライベートでも多々あると思う。なぜなら自分とそれ以外(「他人」)は同じ人間ではないから、です。

きちんと伝えきるには、頑張らなきゃいけない。頑張る努力をすべきだ。でも、、それでも、それが出来ないならば、あとはもう「願う」しかない。伝わることを願いながら、真摯に生きるしかないと思うんです。

タイトルでなんとなく辿り着く人もいたかもしれませんが、これを書くきっかけになったのは槇原敬之さんの「二つの願い」という曲です。すごく好きな切ない曲なんだけど、自分の中に落とし込むと「2つぐらいまでは許してほしい」と思って。笑 謙虚に、そしてちょっとだけ欲張りに、という点も温度感の設定で非常に役に立ったんじゃないかな、と思います。そう思ってもらえたら嬉しい。


【音の解説】

THEバラード編成、という感じのピアノバラード。ドラム、ベース、アコギ、ピアノ、ストリングス、あとは独立したコーラス隊。尖った要素が極めて少ない編成、とも言えます。

1コーラスはピアノとギターだけで進めて、サビ終わりで本編突入!みたいなアレンジにしてみました。常套手段ではあるけど、やっぱりドラマティックなんですよね。こういう手法、シングル曲とかタイアップ曲ではなかなか出来ない。なんでかというと、冒頭にインパクトを持たせにくいからです。

アルバム楽曲はなんというか、すでに聴く気で聴いてくれているものだと思って作れるのが良い所の一つ。聴く人に甘えられる、とも言えるか。歌の盛り上がるところを「サビ」というけれど、楽曲のサビ、というか山場は色んな部分に作れるので、実験なりワガママなりができる面白さもあるんです。

メロディについては今回は特に言及しないでいいかなと思いますが、逆にポイントとして紹介したいのは「間奏」。2サビを抜けて、ストリングスがメロディを担当してるとこです。Logic純正でベタ打ちしたストリングス音源なんで、弦楽器のリアルさとはかけ離れてしまってますがそこは目をつぶってもらって(生演奏でやったらとんでもなく気持ち良さそう)、この部分だけ転調(+3)してるんです。ベースも結構動いてて、ここだけちょっと7th要素が入って毛色が変わってたりもする。

この辺のハーモニーの彩色は、後の森本ケンタ君の「結」のアレンジにも反映されたりして…と語ると長くなりそうなのでここまでにしときますが、我ながらいいセンスの間奏。自画自賛。

で、歌に戻ったら元のキーに。

何を表現したかったかというと、「言葉に出来ない所では激しく動いている何かがある」ということです。低体温系主人公、心の内はちゃんと泣いたり笑ったりしてるわけで。人ってそういうもんだと思う。無口で優しい人とか、憧れある。

大サビ終わりのコーラス隊も個人的には好きなポイント。サビのメロディを少し形を変えて、オール万貴さんのコーラス隊がリフレインさせる部分。ここも「頭の中」です。なので歌詞カードには書かず。書いてないよね?笑
で、最後の「君に届きますように」は現実。

マサオさんの広めのリバーブ処理も相まって、シンプルながら透明感高く柔らかな楽曲にまとまりました。特にスネアのテールがリッチで気持ちいい。Logic純正のドラム音源だけど、チープな感じがしなくなってて良き。

最後になりましたが、なんと言ってもメロディが美しく書けた曲だと思ってます。


【あとがき】

自分が本当に望むもの、突き詰めればそんなに多くない。大切なものを大切にしたい、というのが「ただ、二つだけ」という世界でした。オーケストラバックに歌ってみたいなーーーーーーー。大きな願い事。笑

次回はラスト曲「#5.2ベル」を解説します。最近では弾き語りでも割と演奏するようになった、大団円ゆるやか4つ打ち楽曲です。どうぞお楽しみに!



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・シングル「優しい言葉」
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・アルバム「Ancient Collections」
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・シングル「ごめんあそばせ feat.桑原しおり」
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