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【セルフライナーノーツ】#3.寝癖【「  」】

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【セルフライナーノーツ】#0.プロローグ【「  」】
【セルフライナーノーツ】#1.Twinkle【「  」】
【セルフライナーノーツ】#2.カッコワライ【「  」】


「それぞれの空白」については全曲書き終えてからまとめようかなと思っております。1曲目の記事公開した時に、「書いてねえ!」って気づいたんだけど、追記してもあまり読み返さないかなあ…と思ったので。笑

ちゃんと書きますので、もう少しお待ちを。小田貴音です。

CDご購入はBASE Online Store「万貴音屋」で。ライナーノーツの連載を始めてご注文もいただいておりまして、興味を持ってもらえてることを嬉しく思います。まだ持ってないあなたも、よかったら。


「寝癖」楽曲クレジット

作詞:小田貴音 作曲:小田貴音 編曲:万貴音

【楽曲解説】

疾走感を持たせた4つ打ちポップロック。一応、アルバムの「リードトラック」を意識して作った曲です。

シングルって「この曲を!聴いてください!」が明確なんだけど、アルバムって曲いっぱい入ってるじゃないですか。でもアーティストがアルバムリリースするとテレビやラジオでは特定の曲ばかりがオンエアされてるな、って思うことありませんでした?それがリードトラック、いわゆる「推し曲」です。もちろんどの曲も気に入ってほしいんだけど、今の自分たちを一番見せたいのはこれだ!ってやつです。

さて本題。主人公は自覚ある「凡人」。突出して得意なものがあるわけでもなく、でも承認欲求はそこそこ強くて、ただし表にはなかなか出せないセルフ内弁慶タイプ。魅力あふれる主人公ではありませんね。笑

変わりたいけど、頑張りたいけど、あと一歩が出ない。チャンスボールが来てもバットが出せない。んで、「慌ててもよくないな」なんて自分を誤魔化しで納得させちゃう。みなさんもこんな経験ありませんか?俺は何度もありますし、今も結構そうやって自己嫌悪に陥りがちです。

誰しもが「それがどうした、やってやんよ!」とストレートに発奮できるわけじゃないんですよね。多くの場合、自信があるから頑張れるし、自信がないから頑張れないわけで。

ただね、そのままだとずっとそのまま。膝を抱えてる自分に手を差し伸べてくれるヒーローなんて、現実ではほとんど現れないんですよね。凡人が立ち上がるには、「助けてくれ!」「力を貸してくれ!」と周りに手を差し出す勇気やきっかけが必要だと思います。

「我が身の平凡」の殻を破るには。そのきっかけになる曲になったらいいな、と思って作りました。

この主人公のモデルは「自分」。小田自身のことであり、万貴音のことでもある、のかな。自分は天才だと感じたことは一度もないし、万貴音も才能の塊ではないです。たくさんの経験や失敗を積み上げて、沸いた感情やアイデアを掬い上げて、今の形があるわけで。

なんでも出来るスマートな人間には憧れがあるけれど、こういう「足りない」を抱えてもがいてきたからこそ、今の自分(自分たち)がいて、この手を取ってくれる仲間やファンのみなさん、「あなた」がいてくれると思っています。自己評価激低で有名(?)な万貴音ですが、頑張ったからこそ今がある、ということは誇るべきだと思います。大切なプライド。


【音の解説】

ややハイテンポな4つ打ちポップロック。ドラム、ベース、ピアノ、アコースティックギター、エレキギターの基本セットにシンセストリングスを追加。

自分の楽曲にしては珍しくドラムとベースの動きはごくシンプル。楽曲を前に進めているのがアコギのストロークで、そこにキャラクターをつけているのがピアノとストリングス、っていう自己分析です。メロディの特徴にも関わってくるんですが(後述します)、ピアノを入れないと凹凸の少ない、もっとヌルっとした曲になってたと思います。

DTM実験の一つとして、「手弾きできなかったフレーズを作る」というのは結構大きなことなので、この曲のストリングスの存在はまさにそれ。なんならギターソロ入りそうな長めの間奏も全部ストリングスが持っていっちゃいました。笑 重厚なハーモニーを付加する目的でよく使ってたんだけど、攻めのメロディラインをストリングスに担当させるのは、なるべく早めに経験しておきたかったんですよね。永遠の目標曲の一つであるJamiroquaiの「Canned Heat」のストリングスとか、超格好いいもの。

惜しむらくは、エレキギターにもう少し明確な役割を持たせてやりたかったな…と。このままのアレンジだとバンドで演奏した時にギタリストが楽しくないんです。笑 これは当時から分かってたことではあったんですが…その時点でのアイデアの限界でした。今やるならもっと変えます。

メロディについて。メロディラインはあまり細かな変化をつけず、ほとんど8分音符でツルツルとスムーズに進んでいきます。当時のボカロ音楽から感じた自分なりの印象を落とし込んで作ってみたんだったかな。ロングトーンも、細かいフェイクも、大きな跳躍もなし。曲のエンドに向けてじわじわと音域を上げていく感じでスケッチした記憶があります。言葉のはめ方もそれに従って、あまり単語や文節ごとで区切らず進んでいく感じに。で、サビに入るタイミングとか、ピンポイントで爆発させる狙い。さてどう受け取ってもらえてるのか。

メロディ構成についても少し。多くのポップス楽曲は「Aメロ→Bメロ→サビ」という超基本、超王道の流れがあります。「寝癖」は実は二部構成で、「Aメロ→Aメロ→サビ」なんです。もちろん多少のメロディ変化はあるし、Cメロも追加されたりもしてるんですが、基本構造はすごくシンプル。いつかサビだけ延々繰り返す曲なんてのもやってみたいよね。


【あとがき】

当時の「等身大」を挙げるならこれ、という楽曲「寝癖」でした。バンドスタイルでもっとゴリっとロックなテイストにすると気持ちいいだろうな、と思います。歌の消費カロリーもさらに上がりそうですけどね。笑

次回は「#4.ただ、二つだけ」を解説します。柔らかく温かい特徴の穏やかなバラード。どうぞお楽しみに。



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・シングル「クローバー」
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・シングル「優しい言葉」
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・アルバム「ノーマライズ」
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・アルバム「Ancient Collections」
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・シングル「ごめんあそばせ feat.桑原しおり」
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・シングル「にらめっこ」
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