経験者のアドバイスを私たちはどう聞くべきか?
こんにちは。
牧 菜々子です。
子育て経験者は、子育ての大変さをわかってくれる。
同じ病気を経験している人は、その病気のつらさをわかってくれる。
それは、紛れもない事実です。
ところが、アドバイスとなると、経験者ほど厳しいものになりがちです。
どうしてかというと、「個人差」を尋ねる人は、ごくわずかしかいないからです。
アドバイスは、個人差を抜きにしてできるものではありません。
経験者がアドバイスをする時、相手の個人差を尋ねることは稀なのです。
経験者が個人差を考慮しない理由
どうして、経験者のアドバイスは、厳しいのか。
その理由は、個人差を考慮していないからです。
ではどうして、経験者はアドバイスをする時に、個人差を考慮しないのでしょうか?
その理由は、シンプルです。
個人差を考慮すればするほど、自分のアドバイスの根拠が薄れるからです。
自分の経験と、相手の個人差がずれると、アドバイスは当てはまらなくなります。
条件が変わるので、場合によっては、根拠がなくなってしまうのです。
そうならないように、相手の個人差は、極力考慮しない。
個人差を考慮しないで、自分の経験だけでアドバイスをしたり、一般論だけを言ったりすれば、少なくとも「根拠がない」ということにはなりません。
だから、経験者のアドバイスは、個人差を考慮しない分、受け取る側にとっては、自分に合わないので厳しく感じるのです。
根拠がなくても聞いてみる
だからといって、経験者の話を全く聞かないわけにもいきません。
世界に1つしかない貴重な事実ですし、有益なことも十分にあるからです。
そうだとしたら、経験者のアドバイスを、どう聞けば良いのでしょうか?
まず、個人差を尋ねてくれているかどうかを意識する。
そして、個人差を考慮してくれていない場合は、厳しく感じるのは当然と受け止める。
反対に、個人差を考慮してくれた場合は、根拠が薄れたとしても、素直に聞く。
経験者が、個人差を考慮してアドバイスをくれた場合は、直接その経験をしていない中でのアドバイスですから、根拠はなくても良しとするのです。
「根拠がないから聞かない」ということではなく、根拠がなくても受け入れてみるのです。
逆に、根拠があるアドバイスというのは、経験者自身の経験でしかない面がある分、受け取る側にとっては、そのまま自分に当てはまるものではないので、厳しく感じます。
厳しさに耐えるか、根拠のなさに耐えるか。
経験者のアドバイスは、個人差の考慮の有無によって、何に耐えるべきかが変わってくるのです。
そもそも、個人差を考慮してくれる経験者は、ごく稀です。
アドバイスが自ずと厳しいものになることは、それが理由なのです。