見出し画像

自殺に至るプロセスに関する知見と考察①

はじめに

かんたんな自己紹介

私は希死念慮に悩まされているガンサバイバーです。
希死念慮こそ強いものの、死ぬ瞬間の感覚への恐怖心と、既遂率の高く安価な方法に関する探究心により、未だ既遂には至っておらず、noteを始めることができる状態と環境を保っています。
既往歴は、免疫系疾患(RDD)、ホジキンリンパ腫、うつ病です。
精神疾患を細かく見ると、全般性不安障害と強迫性障害を経験しましたが、どちらも寛解しています。

私がnoteを書いたきっかけ①トリガー

1番のきっかけは、先日の自殺企図です。
2023年12月中旬、死に場所と「恐怖心を乗り越えるだけの強い希死念慮の波」の合致するタイミングを求めて、雨の中30時間近く放浪しましたが、先に過呼吸と低体温症で思うように動けなくなり、自殺企図の段階で中止となりました。
その際、Twitter(現X)のアカウント(@star_nico9)で、当時の思考やそこに至った経緯を投稿し始め、現在も思考を散発的に投稿しています。
このnoteは、そこで呟いた散発的な内容をまとめると共に、私が学んだ内容をお金につなげる機会を作るために作成しています。

2番目のきっかけ(原動力に近いかも?)は、私の言語化能力と文章力がそれなりに評価されたことです。
知能検査の結果などの客観的指標を後々載せる予定ですが、私は「時間的猶予のあるなかで多くの情報を取得して理論的に整理し、言語化する能力」に長けています。WAIS-IVで処理速度115、その他125前後で全検査IQ129(ギリギリMENSA受からないくらい)でした。
そのため、「物事を的確に分析し他者へ正確に伝える」ことが好きでした。
そんな折、臨床心理士とのカウンセリングのなかで「私(心理士さん)が表現しきれない言葉の意図を的確に読み取り解釈して共有できるので、気持ちさえ折り合いがつけばどこでも通用する」というお世辞を言われました。
そこで、試しに文字単価が高い文章修正・追記のバイトをしてみたところ、納品後一切赤ペンがつくことなく御礼をもらえました。
別に完璧なモノを求めていない依頼だったからこそ修正依頼がかからなかったのだと思いますが、最低限他人に見せられる文章であるという「お墨付き」は得られました。

この「お墨付き」が、note作成に至るきっかけの1つです。

私がnoteを書いたきっかけ②原動力

私は、こんな記事を開くほど追い込まれた人が、誤った情報によってさらなる苦痛を味わう可能性を小さくできるよう、この記事を書いています。

私自身、ネットに転がる情報を読み漁り、治療の上で日本有数の大病院に所属する医師や看護師、臨床心理士にすべて打ち明け悩みを言語化して相談し、臨床心理学や法医学、マスコミによる報道や刑法と判例、哲学や宗教など手の届く文献は目を通し、最先端の研究も追いかけています。

それでも、役に立つ情報は限られており、なんならすでに誤っていることが明らかとなった情報がさも正確なように書いてあったり、そもそも嘘を書いているものも、媒体によらず多いのが現状です。

例を挙げると、自殺に関するnoteを読んでいる方であれば一度は見たことがあるであろう「法医学者の研究では、首を吊るとすぐに意識が遠のき、手も足も動かそうとしても動かず、しかもこの過程でまったく苦痛がないことが明らかになっており、これはすでに医学界では常識となっています。」という言説は、ごくわずかな成功例を一般化した誇張か、全くの嘘です。
日本の絞首刑は、首に縄をかけた状態で足元の床が開き、真下に落ちて全体重以上の荷重を首にかけることで、頸椎脱臼を引き起こすよう設計されています。
頸椎脱臼は、小型の実験動物などを安楽死させる方法として古くから用いられており、ヒトにおいても、「安楽」である確たる証拠はないものの、現実的な安楽死法として認識されています。
しかし、本番の前に同じサイズの人形を用いて度重なる試験をしたうえで実行しても、「手も足も動かそうとしても動かず」なんてことは滅多に起こりません。
東京拘置所元部長の男性へのインタビューをもととした記事では、ほとんどの場合で「履いてきたサンダルが壁まで吹っ飛ぶほど暴れまくる」結果となり、逆に「サンダルを履いたまま静止して亡くなった」例が異質であることが事細かに書かれています。
「暴れまくるなら苦痛を感じているだろう」というのは論理の飛躍ですが、実際に首を吊った経験を考慮しても、「首吊りは一瞬で気を失うし身体も動かない」というのは、あったとしてもかなり稀なケースです。

日本における年間自殺者はおよそ21,000人、そのなかで縊首を選んだ人は厚労省の統計によると7割前後なので、年間およそ15,000人が縊死しています。
その中には、「ドアノブにかけたタオルに首をかけたまま亡くなっていた」のような「状況から考えて暴れたとは考えにくい」ものもあるかと思います。
しかし、過去数例~数十例の事象を参考に、「自分もそうなるに違いない」とタカをくくって実行するのは、リスクが大きすぎると感じます。

私は、期待して手を伸ばした先で裏切られる経験を何度もしたと同時に、解決の糸口を探す過程において「自殺を考えるほど心が弱り視野狭窄に陥った人たちを甘い言葉で誘惑し食い物にする著書」をたくさん目にして、この世の中に辟易しています。
そんな社会への反発心が、noteを書く最大の原動力です。

2番目の原動力はお金ほしさですが、儲かるコンテンツになるほどやさしい言葉や論理は使わないので、あまり当てにはしていません。
有料記事にするつもりも当面はありません。

私のnoteの目的と対象

このnoteを読むことで、自殺企図に至るプロセスの当事者の考えや過去の研究概要はわかる(ように書くつもり)と思いますが、読んでも「私と同じ様な人がいて安心」という気持ちにはならないと思います。思ったとしても、私が意図したものではありません。
私は、自分のことで精いっぱいなことも理由ではありますが、闘病を通して他人に期待や興味を持つことが少なくなり、倫理観も失いつつあるので、「これを読んだ人が救われてほしい」などとは思っていません。
一個人がそんなことをできるなら苦労しません。
「同じ境遇の人とコミュニケーションを取って不快な感情を和らげたい」とも思っていません。
そもそも、「赤の他人の助言や共感で心が動かされる」という状態の人は、「心のダイヤル119番」に電話なりチャットなりして話を聞いてもらえば、一時的な強い不快感の緩和は可能だと思うので、そちらを頼ってください。
この記事の最後にも窓口へのリンクを載せておきます。

私は、「心の中に自爆装置を持つことでいつでも逃げられる安心感を精神的土台にして死にもの狂いで努力する」手法を多用してきました。
大量のステロイド治療の副作用に耐え、血管炎の激痛で腕がくの字に固まるような投薬を2週おきに受け続ける日々にも耐え、そのなかで世間一般から見れば「勝ち組」と呼ばれる学歴と仕事を掴み取る努力をし、結果を残してきました。
実際に鞄のなかに首つり用ロープを入れて仕事に出る日々も半年ほどありました。
しかし、いざという時のための自爆装置が使い物にならない可能性を認識してしまっていたら、こんな方法は成り立ちません。
「確実に爆発する」という信頼(事実かどうかではなく主観の問題)をもてるかが大事です。
私はそういう「信頼をおける自爆装置」を作るときに有用な情報を残せればと思い書いています。

つまり、私の書くnoteでは「自殺を推奨する」こともなければ、「理解者の存在をアピールする」こともないです。
死ぬ気でないと耐えられない状況を乗り切るための「自爆装置の作り方」について参考資料を与えることが中心です。

あとは、実際に私が既遂したあとに、医療従事者や研究者の参考資料になれば御の字くらいです。

今後の予定

今後は、しばらくは2,3日に1本くらいのペースで投稿する予定です。
本当は毎日投稿したいですが、趣味の範疇の物事にそれほど時間をかける肉体的余裕も時間的余裕も経済的余裕もないので、ゆとりのある予定にしておきます。

(追記)

2023/12/27 15時ごろに「手法」に関する記事を投稿したのですが、規約の禁止行為(自殺を推奨・誘発するような記事)に該当したとのことで、公開停止になりました。


読めば大抵の自殺手法の苦しみが分かるはずなので主張と違う内容と判別されたわけですが、別に抗議する必要性もないので、自分でサーバーを借りて個人ブログを作る際に載せようと思います。

なので、2〜3日に1回投稿というのもなしです。
このサイトでそこまでする義理もないので。

参考資料① 私の自殺企図プロセスをほぼ完璧に分析した文献


自己紹介だけでこのnoteが終わるのは、ここまで読んでくださった方に申し訳ないので、最後に参考資料等をまとめて載せます。

まずは、私が自殺企図に至った心理的プロセスをほぼ完璧に分析してくれている論文です。
ぶっちゃけ私個人のプロセスについての理解は、これを読めば終わります。
とりあえずpubmedのリンクを載せますが、調べれば全文読めます。

Suicide as escape from self
R F Baumeister. Psychol Rev. 1990 Jan.


そうは言っても英語で論文を読むことが大変な状況(本来慣れていても読めない精神状態)の人は多いと思うので、この論文を引用して解釈している日本語の著書も載せておきます。

『ヒトはなぜ自殺するのか:死に向かう心の科学』
ジェシー・ベリング 著
鈴木 光太郎 訳

また、日本語でもこんな文量読めないという方のために、著書のなかで触れられた論文の要点をまとめてくれたサイトのリンクも貼っておきます。

List Freak  「自殺に至る6ステップ」


参考資料② 誰かに気持ちを共有したい人向けの窓口

私の今後のnoteでは対象としないとはいえ、こういう記事を読む人の多くは「辛い気持ちを共有することでその辛さが緩和される」状態であると思います。
実際に、私自身が調べてきた自殺を防ぐ手段を説く文献の多くは、そういう状態の人を対象としていました。
そんななかで、そういう状態の人に対して何も情報を与えないのは不誠実な気もするので、私が頼ったことのある窓口をご紹介します。

ご紹介と言っても、厚労省が様々な窓口をまとめてくれたページを貼っただけです。
こちらのリンクに載っている窓口には、相談員(いわゆるゲートキーパー)の方につながるものから、法律的・経済的側面から解決方法を図る専門的な窓口まで幅広くありますので、わざわざ私がまとめるまでもないです。

強いて付け加えるなら、私自身ゲートキーパーの仕事を勉強し、相談させてもらった経験を踏まえても、ゲートキーパーの基本的な対応は
「傾聴・状況の正確な聞き取り・必要な支援へのつなぎ」
です。
そういう意味では、
「同じ話を何度も説明させられた挙句たらいまわしにされた」のような感想を持つ人もいるだろうし、
そもそも知っている情報を時間かけて提案されただけという結果に終わることもあります。
ゲートキーパーにも出来ることと出来ないことがあり、なんでも救ってくれる神様ではないので、そこは認識したうえで利用されることをオススメします。
まあ私は神も仏も信じていないのですが。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?