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「青年海外協力隊のいま」#10 エクアドルへの派遣を待つ動画クリエイター!なっしー

青年海外協力隊の「これまで」と「いま」を紹介するコーナー
「青年海外協力隊のいま」

第10回は2019年3次隊、エクアドルに防災・災害対策の職種で派遣予定のなっしーさん!

駒ヶ根での長期訓練を終えたものの、新型コロナウィルスの影響で派遣時期が決まっていない2019年度3次隊。そんな状況でも、フリーランスの映像クリエイターとして前向きに成長を続ける彼の姿のご紹介します!

自己紹介

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名前:なっしー / 本名:高梨誠人(たかなし まさと)
隊次:2019年3次隊
職種:防災・災害対策
派遣国:エクアドル

はじめまして!なっしーといいます!
高校卒業後、消防士として5年間働きました。その後、青年海外協力隊に応募し、2020年3月からエクアドルへ派遣予定でしたが、新型コロナウィルスの影響で派遣は延期されています。現在はフリーランスの動画クリエイターとして活動しながら、エクアドルへの派遣に備えています!

動画クリエイターとしての僕の活動はこちらをご覧ください!

青年海外協力隊に応募した理由はなんですか?

人の役に立つことが好きであり、海外の文化に触れることも好きだったので、青年海外協力隊に応募しました。

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僕は消防士の仕事にとてもやりがいを感じていました。消防士の仕事を通して「人の役に立つことが好き」だと気が付きました。

また、海外旅行が好きで、異文化に興味がありました。旅行に行く度に「異文化の中に住んでみたい」と感じるようなったのですが、「消防の仕事も好きだし、仕事をやめることはできないから日常に戻る」時期が続きました。

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そんな時、僕の趣味である登山を通して、これからウガンダに派遣される隊員に出会いました。

青年海外協力隊については聞いたことがありましたが、特別な人しか行けないものだと思っていました。ウガンダ隊員との出会いを通して、自分にも行ける可能性があると気付きました。それから青年海外協力隊に興味を持ち始め、約1年半、その想いは消えませんでした。

「もう青年海外協力隊に行くしかない!」と思い切って、その気持ちを両親に相談しました。その時、父親には「行く前に一度、発展途上国の現場を見てから考えたらどうだ」とアドバイスをもらいました。父親の意見はもっともだと感じて、ACEFというケニアで活動しているボランティア団体に参加しました。

ACEFはケニアのエンブという場所で小学校や職業訓練校の運営をしています。そこで子どもたちと交流したりスポーツをしたり、日本はどんな所かを教えたりしました。

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ACEFの紹介でケニアの消防署にも行くことができました。ケニアでは寄付された日本の消防車が使われており、彼らは日本語もわからないのにそれを操作していました。表記してある日本語は読めないだろうと思い、わかりやすいように簡単な英語の操作説明を書いてあげたりしました。彼らはとても喜んでくれました。自分にとっては当り前で簡単なことでも、人の役に立てると気付けて嬉しかったし、自信になりました。

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結果として、ケニアでの体験がきっかけとなり、青年海外協力隊に応募することを決意しました。

派遣国:エクアドルはどんな場所ですか?

南米の北西部に位置する日本よりもちょっと小さい国です。
世界遺産の『ガラパゴス諸島』なんかは有名じゃないでしょうか。
近年の経済成長で発展途上国というイメージはあまりありません。

ですが、エクアドルは日本と同様に地震大国なので頻繁に地震被害や津波被害にあっています。

地震対策はハード面もソフト面も日本より進んでいません。エクアドルでは地震に加えて、洪水もあります。エクアドルは防災技術の発展を重視している国であり、自分の活動のやりがいがある場所だと考えました。

どんな要請内容ですか?

エクアドルのマンタ県ヒピハパにある市役所で水害・津波対策に取り組みます。僕は消防士ですし、防波堤や堤防の建設など、ハード面の支援は協力隊員がひとりではできません。

津波や地震が起きた時、人が倒れた時、どんな行動をとるか、ソフト面の指導を中心に活動をするイメージでした。

駒ヶ根訓練所での生活はいかがでしたか?

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とても楽しかったです。訓練所での生活に関してストレスは全くありませんでした。土曜も授業があって、日曜は必ずどこかに出かけました。体が休まらないことだけがつらかったですが、楽しかったです。

派遣先は違えど、悩んだ時に相談できる同期の仲間がいるのは心強いですね。

青年海外協力隊は訓練所での長期的な学習期間があり、語学や治安、活動での注意点などについてカリキュラムに沿って教えてくれます。

人脈と知識を同時に得てから活動をスタートできるのは青年海外協力隊のいいところですね。

当初の予定通りに派遣ができないことが確定した時、どんな気持ちでしたか?

正直、あまり落ち込んだりはしませんでした。

僕たち2019年度3次隊の訓練期間中に新型コロナウィルスの影響で派遣が5月に延期になったことが決まりました。その時は事態を深刻には考えていませんでした。

「どうせ今年の5月にはエクアドルへ行ける」と思っていたので、出発前に少し自由な時間が増えたと軽く考えていました。5月までの空いた時間でスキルを身に着けようと、「いなふり」に参加しました。

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田舎フリーランス養成講座(通称:いなふり)とは

『いなふり』とは田舎フリーランス養成講座の略で、1か月間の合宿でフリーランスになるためのスキルが学べる講座です。
ネット記事を書いたりサイトを作ったりして、場所に捉われず、PCと自分のスキルだけでお金を稼げるようになります。
会社に属するのがまだまだ一般的な社会で、フリーランスとして個人で働くというのはどういう事だろうと以前から興味があり、参加を決めました。
学べることは、フリーランスで働くための知識や仕事のとり方、ライティングやサイト制作のスキルを身につけることができます。

しかし、残念ながら「2020年内での出発が難しい」とJICAから4月下旬に発表がありました。現在も派遣の予定は決まっていません。

僕は青年海外協力隊のために消防士の仕事を辞めていますし、青年海外協力隊の隊員として現地へ行きたい気持ちはもちろん強いです。しかし、出発できないことに激しく落ち込むことはなく、前向きでした。

なぜ落ち込まずに前向きでいられるのでしょうか?

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理由は2つあります。

1つ目は、新型コロナウィルスの影響で現地からのニーズがないからです。

国際協力という目線で考えると、「支援してほしい」というニーズに応えるために青年海外協力隊は存在しています。しかし、現在、僕らは出発できませんし、出発しても現地の人を不安にさせたり、迷惑をかけてしまう可能性も高いです。そういう意味では相手にマイナス面がある(ニーズがない)状態で、現地に行けなくなって残念と考えるのはちょっと違うなと思いました。現在は現地に行けない状況なので、いつ派遣されてもいいように、日本でできることに取り組み、よりよい活動にしたいです。

2つ目は、青年海外協力隊以外にもやりたいことがあるからです。
いま、日本でしかできないことがあるので、それをがんばっています。

だけど、国際協力をあきらめたつもりは全くありません。「すぐ行ける」はずだったものが、「少し先」になっただけだと考えています。完全に「青年海外協力隊として派遣中止、エクアドルにいけない」となったら、初めて落ち込むかもしれません。

現在はフリーランスの動画クリエイターとして働くなっしーさん。フリーランスとしての生活はいかがですか?

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せっかく日本で過ごしていて、フリーランスになったばかりなので、フリーランスとしてがんばりたいです。

金銭的にはスキルをしっかりと身に着ければ、アルバイトよりもお金も稼げます。5年間働いた消防士の給料を、フリーランス歴たった5か月で超えました。自分の仕事がしっかりと評価してもらえるのは嬉しいですね。

消防士の仕事も辞めているのでお金を稼ぐことも重要ですが、それ以上にスキルを身に着けたいと思っていました。動画も

ただ稼ぐことが目的ではありません。動画撮影・編集ができれば、より多くの人に海外の様子を伝えて、国際協力に興味を持ってもらえます。僕の軸はあくまで国際協力であり、人の役に立つことです。

自分で稼ぐスキルがあれば協力隊が終わった後も金銭的にも精神的にも安心感があります。スキルがあれば、より幅広い選択肢から人生を選んでいけます。

青年海外協力隊、国際協力への想いを持ち続けながら、いま自分にできることを頑張っています。

なっしーさんのポートフォリオ

なっしーさんの仕事内容をもっと詳しく見たい方、なっしーさんへのご依頼はこちらのサイトをご覧ください!

編集後記

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まだ決まらぬ派遣の日を待ちながら、スキルを磨き、動画クリエイターとして「人に喜んでもらうのが好き」というなっしーさん。

たとえ、協力隊として派遣が中止されたとしても、彼ならきっと人の役に立てる道を探し続けていていくのでしょう。

読んでくださった方が、少しでも前に進むきっかけになればうれしいです!

最後までご覧くださってありがとうございました!


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