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建築事務所のいろいろ_コロナ疲れ

テレワークが始まってあっという間に半年も経ってしまった。3月中旬、事務所からお達しが出た時は「3週間の間」と言っていたのに。。。なんとなくは分かっていたけれど、長い戦いになった。ニューヨークは6月下旬から建築事務所などが条件付きで再開して良いことになったが、BIGは8月末までは所員の判断に任せてテレワークを続行したい人はしてよい、という方針となり、それも先月には「年内まで」延長となった。

このところどうも気分が上がらない。睡眠の質もなんだか悪い。友人によるとそれは「コロナ疲れ」らしい。

それも無理はない。同じようにテレワーク中の夫と犬、この同じメンバーと毎日24時間ブルックリンの小さなアパートで顔を合わせている。現在のニューヨークの状況は東京ぐらい良くなったけれど、まだ地下鉄を日常に戻すには怖すぎる。だから週末も徒歩か自転車で到達できる範囲に限られる。
この前は2週間の夏休みをとった。本当なら日本に一時帰国のはずがそれもなくなり、結局車もサマーハウスもない私は在宅バケーションとなった。せめてもの試みで寝室の仮事務所スペースを片付けて、仕事に関するものは視野に入らないようにした。是非お勧めする。あとは以前からやっているオンラインのヨガクラスを受けまくり、頭の中でヨガリゾートを思い描いた。

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(ピンクはニューヨークの状況が最悪だった頃の行動範囲。5月10日は記念すべき範囲が広がった日。ある意味感動だった。)

あと出来ることは食べることと飲むこと。海外バケーションがなくなった分、好きなものを遠慮なく食べて飲もう!それが唯一の楽しみで、料理をさぼってデリバリーに随分お世話になっている。コロナで良かったことの一つはレストランがカクテルのデリバリーを始めたこと。これは是非今後も続けてほしい。

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(届けられたネグロ二。久々のネグロ二。これは感動的な味だった。)

と、まあなんとかここを乗り切ろうと工夫してやって来た。
仕事だって、最初はテレワークで全然できるじゃないかと思った。余裕じゃないかと。国際色豊かなBIGでは、ニューヨークの高額なアパートを引き払って実家から仕事をしている人も多く、先月のチームミーティングはニューヨーク、ロス、メキシコ、コペンハーゲン、ノルウェー、そしてイタリアからの打合せとなった。こんな事が可能になるなんて。。。なんとも不思議な気持ちである。

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でもやっぱり何か欠けている。それはささいなことなのだ。キッチンで交わす何気ない同僚との会話、打合せと打合せの間の会話。そういうのがどんなに大切だったのか良くわかって来た。

大切なクライアントとの打合せやプレゼンだってオンラインで行われている。7月にはトヨタ・ウーブン・シティの経過プレゼンも無事にすることができた。そこにたどり着くまでに、大勢の人とその人たちの熱意があった。だけどプレゼンが終わり、お疲れ様と短い言葉でお互いをねぎらった後、「打合せ終了」のボタンを押すと目の前から一気に誰も居なくなり、私は一人寝室に座っている。それがとても空虚に感じて。。。

最近は随分涼しくなったし、今週は自転車に乗って事務所に行き、そこから仕事をしてみようか。一日でもいいから。まだひと気のない事務所だけれど、ほんの少しだけでも日常を取り戻したら気分が上がるのかもしれない。(こんな風に活気のあった事務所が懐かしい。

つづく

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