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10数年ぶりに、山田ズーニーさんの言葉に励まされた話

本を買うとすぐに売ってしまう私には珍しく、10数年前に買ってからずっと手元に置いている本がある。それが、山田ズーニーさんの「おとなの進路教室。」だ。

(単行本は古本しかもうなかった……)

進研ゼミ小論文の編集長を経て、38歳でフリーランスになり、文章表現力のワークショップを開いたり、ほぼ日でコラムを持ったり・・・そんな進路をもがきながらも切り開いてきたズーニーさんが執筆するコラム集。

当時、フリーランスという存在はけっこう珍しかったはずで、38歳という立派な大人が、仕事のあてもなく大企業をやめて独立する過程で考えていたこと、気づいたことは、妙に新鮮で胸に刺さったのを覚えている。

そして、ズーニーさんのコラムの感想として寄せられる、たくさんの大人たちの悩みや気づき、もがきを見て「あぁ、大人になってもこんなに悩むものなのかぁ」とある種ほっとした。加えて、読者から寄せられた感想から真理を読み解くズーニーさんの文章は読んでいてとても気持ちよくて、こんな文章を書ける人になりたいなぁと思っていた。

今思えばコラムを読んだり、コラムもどきを書いたりして、何か一つのテーマについて考えることの楽しさを知るきっかけを作ってくれたのは、この本かもしれない。今の私の仕事の元を作ってくれたのは、ズーニーさんかもしれない、とさえ思う。

というくらい、大事な本だったのに、すっかり存在を忘れていたし、ズーニーさんのことも、すっかり頭から消え去り日々を過ごしていた最近。

たまたまTwitterでほぼ日のコラムが紹介されていて、今の自分を助けてくれた。

「本当にそれはスランプなのか?」自分の仕事を評価する基準値が高くなっている一方で、スキルは一気に伸びない。ビジョンに見合ったスキルが追いつくまで安心してコツコツ続ければいい。

「オーバーペースになっていないか?」人には一人一人、それぞれ違ったペースがある。それ超えて続ければ、肉体的、精神的に負債がつのる。ペースを落として続け、試行錯誤で、自分に合ったペースをつかんでいこう。

「スランプとは、まるでくだりのエスカレーターを登っているようなもの。
自分では登ろう登ろうと必死で足を出しているのに、いっこうに上がれない。それどころか、気を抜けば、あっという間に落ちていく。苦しい。それでも諦めずに、登ろう、登ろう、と足を出し続けていれば、筋肉がついていって、やがて地上に出られた時に、驚くほど軽く自由に進める時がくる」

最近てんで仕事がうまくいかない私。「一年前の私と比べたら成長しているし見える世界が変わっているから苦しいのは当然」「自分のペースで焦らず仕事に向き合おう」「逃げずに諦めずにトライし続ければきっと突き抜けられるタイミングがくる」

ただただ目の前のことから逃げずに自分にとっての精いっぱいで頑張ろう、そう思えたのでした。

このコラムがきっかけで久しぶりに本を開いてみたら、響く言葉がたくさん。やっぱり残しておくべき本だったんだなぁ。

みなさんにもそんな一冊、ありますか?


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