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2時間4000円、育休中のプチご自愛

平日はほぼワンオペで0・5歳の育児と家事を回している私。育休中で仕事もしていないし、1人がデフォルトになってしまえばそれはそれで、そんなに辛くはない気がしていた。

しかし日々の小さな疲れが積もりに積もって、メンタルがどすんと落ち込むことがある。どれだけ気分を切り替えようとしてもうまくいかず、ちょっとしたことでイライラしてしまう。

そんなとき、たまに利用している託児室の枠がたまたま2時間だけ空いた。

託児室の近くには、古くて寂れたスーパー銭湯がある。ピカピカな気持ち良さはないけれど、客は少ないし自然が感じられるロケーションで露天風呂も豊富、一気に現実逃避するには最適なスポットだ。

子どもを預け、銭湯へ行き、湯船に浸かり、サウナに入って体を温める。露天風呂から冬空を見上げ、誰からも干渉されない貴重な時間を噛み締める。丁寧に化粧水やボディークリームを塗りたくり、あぁこんなにゆっくり自分をケアできたのはいつぶりだろう、と思った。

長風呂が苦手なので、滞在は1時間で十分だ。これまた近くのお気に入りのカフェへ移動して、いつもはかきこんで終了しているランチを味わって食べた。

家事や子ども関連の手続き、贈り物の選定や手配、細々したやらなきゃいけないことが日常の忙しなさを演出していた。しかしふと思いつき、書き出して整理してみると、意外と大したことはないと気づく。

2時間後、子どもを迎えに行く頃には心も体もすっかり整っていた。

2000円の託児に、1000円の銭湯、そして1000円のランチ。2時間4000円は少し贅沢と言えば贅沢だけど、これでご機嫌な自分を保てるのだ。私って、けっこうチョロいじゃんと思ったりした。


自分で自分のご機嫌を取る、ご自愛という言葉は聞き飽きるくらい浸透した昨今だけど、十分に実践できている人はどれくらいいるだろう。

2024年のはじまり、能登半島地震のニュースに心を痛めています。被災者の方たちのことを思うと、自分のしんどい状況なんてちっぽけ、そう思って自分を責めたり、自分を休ませることに罪悪感を持ったりする方もいらっしゃるかもしれません。

でも、それとこれとは線引きが必要で。まずは自分が元気になることを大事にしてもいいのかなと、ふと思いました。

元気になって、自分以外の人達に目を向ける余裕がでてきたら、できることをすれば良い。

13年前、独身で若くて自分も家族も元気で、仕事に没頭できる状況で報道記者をしていた私。被災地に派遣されたときは、現状を伝えることで、何か被災者の方のためになることをできたら、と取材に奮闘していました。

でもいまは、子どもたちの生活を守り、自分を保つことで精一杯。被災地に行くことも出来なければ役立てるようなスキルもありません。

無力感に苛まれそうになりますが、無力感に苛まれたところで被災地のためにはならなくて。まずはしっかり体を休め、寄付をしようと思います。

被災者の方も、そうでない方も、どうかご自身の心と体が安全な場所にありますように。





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