ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結 IMAX

 今回わたしは初めてIMAXで映画を観た。端的に言うと最高だった。IMAXでの上映のクオリティの素晴らしさもさることながら、本作で初めてスーサイドスクワッドを観たのだが、シリーズ(?)初見のわたしでも楽しめる素晴らしい作品だった。いや、素晴らしいという言葉では足りない。わたしがよかったと思う点をいくつかあげていこうと思う。また、今回の投稿は多少のネタバレを含む。もちろん物語のカギを握るような重要なネタバレはしないが、事前知識なしで本作を観たいという方は回れ右していただきたい。



展開の速さ

 映画が始まると同時に、物語はとんでもないテンポで展開していく。最初の舞台は極悪人が収容されている刑務所であるということ、受刑者たちにはそれぞれ特殊能力のようなものがあるということ、その中から厳選されたメンバーで ”スーサイドスクワッド(決死部隊)” を組み、コルト・マルテーゼ島にある研究施設で行われている、スターフィッシュ計画を跡形なく消し去るように任命され、作戦を決行する。という流れが端的に展開され秀逸。登場人物についてもスーサイドスクワッドを組織した責任者、アマンダ・ウィラーによって説明があるのだが個人の能力と名前、逮捕に至った簡単な経緯等がさらりと説明されるだけで詳しいことは分からない。非常に分かりやすいのに謎を孕んだ感じが出来上がる。また人外キャラについてもこれといって特別扱いはしないというのが物語に入りやすくしているのかもしれない。

 そしてものの数分で作戦が決行され、タイトルが出てくる、という展開には度肝を抜かれた。またその後もトントン拍子に話は展開し、物語の終盤ではさらに度肝を抜かれる展開が待っている。


ブラックジョーク

 わたしはジェームズ・ガン監督の映画は初めて観たのだが、めちゃくちゃに好きな監督になった。本作でも笑っていいんだかダメなんだかわからないブラックジョークが多々登場する。これらについても言及したいのだが、後日ネタバレを含む記事を書こうと思う。


 劇中の曲がとにかく良い。パンフレットによるとジェームズ・ガン監督自身の選曲で、既成曲を多用しているということだった。とにかくノリがよく、要所要所で音ハメ的な場面も見られ、気持ちよかった。また歌詞が場面にリンクしているらしいのでそれらもチェックしたい。


ヒューマンドラマ

 この映画で印象に残ったことはヴィラン達をただ極悪人として扱うのではなく、一人の人間として扱っていたことだ。彼らにどんな過去や背景があり、どういう人間なのかを描いていた。ヴィランたちは果たして根っから全て極悪人なのだろうか?と考えさせられた。これについても詳しくはネタバレを含む感想記事で。


アクションシーンの美しさ

 作中でハーレイ・クインが単独で多数の敵と対峙する場面があるのだが、とにかくリズミカルで美しい。先手先手を読んでいるかのように戦うハーレイ・クインに惚れた。またハーレイ・クイン以外のメンバーのアクションシーンもテンポがよく、芸術的とすら思ってしまう。



 映画全編を通じて、死者多数のスリリングな物語展開で観ている人を飽きさせない。次の瞬間何が起こるんだろうというワクワクの2時間12分で、「まだまだこの世界に浸っていたい!終わらないで!」と思った映画は初めてだった。IMAXでの上映は終わってしまったところが多いかもしれないが、まだ上映自体は終わっていないので、観ていない方には是非同じ衝撃を味わってきて欲しい。ただ、R15ということもあり、人が死ぬグロテスクな場面やセクシャルな場面、セリフがあるので苦手な方はご注意いただきたい。

 尚、既に観たという方は次のネタバレを含む感想記事もぜひ。


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