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お店で余計なものを買いたくないなら、耳を澄ませてみよう。

お酒が好きなあなたも、飲めない方も、ちょっと想像してみてください。

散歩中、いい感じのワイン屋を見つけた。おしゃれなボトルが並んでいて、値段も手頃だし、ワイン好きの友人に一本買っていこうかな。

でも数が多くて迷うなぁ。電話忘れてきちゃって調べられないし。

頼りになるのはこれまでの経験と勘、それに今日の気分か。・・・耳を澄ませて心の声を聞いてみよう。今日はフレンチの気分。よし決めた。このかっこいいラベルのボルドーにしよう。

注目すべきは「あなたの今日の気分」
どうして気分はフレンチだったのでしょう。昨日フランス映画を見たから?さっきフレンチレストランの前を通ったから?それとも、もしかしてお店にフランス音楽が流れていたから?

実は、お店でフランス音楽がかかっているとフレンチワイン、ドイツ音楽がかかっているとドイツワインの売り上げが伸びた、という有名な実験があります。そう、音楽は私たちの消費行動を左右するのです。

この効果、ワインだけではなく、スーパーや小売店、飲食店でも確認されています。音楽がゆっくりだと消費者がスーパーに滞在する時間が長くなるとか、テンポが早いとレストランの回転率が上がって飲み物のオーダーが多くなる、それに、曲が商品のイメージあっているかどうかで売り上げに差が出るなど。

たかが音楽、されど音楽
音楽が無意識のうちに消費行動に影響しているなんて、操られているようで少し怖いですね。でも考えてみてください。お店の壁の色やディスプレイ、フロアデザインなど、他の要素も私たちの消費行動に影響しています。そして売り手がそれを積極的に使っているのはよく知られています。

もしあなたがお客さんなら。お店のプロデュースにのってショッピングを五感で楽しむのも良いでしょう。ただ、余計なものを買いたくない場合には、お店の演出に目と耳を向けてみてください。商品の並べ方、照明の色、そして、もちろん音楽。

「違う音楽がかかっていても、これが欲しいかな?」

お店で耳を澄ませると、本当に必要なものが見えてくるかもしれません。

より詳しい情報
Guéguen, N., & Jacob, C. (2010). Music congruency and consumer behaviour: an experimental field study. International Bulletin of Business Administration, 9(10), 1-14.

North, A. C., Hargreaves, D. J., & McKendrick, J. (1997). In-store music affects product choice. Nature, 390(6656), 132-132.

Vida, I., Obadia, C., & Kunz, M. (2007). The effects of background music on consumer responses in a high-end supermarket. International Review of Retail, Distribution and Consumer Research, 17(5), 469-482.


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