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知性と音楽:驚きの関係・・・?

音楽は暮らしのいろんなシーンで大活躍です。

コンビニで音楽が流れていた、お気に入りの曲を聞きながらどこかへ行った、音楽を聞いてリラックスした、興奮した、やる気を出した、悲しみを和らげた、怒りを発散させた、たくさん踊ってスッキリした…。

音楽とのつきあい方は本当に人それぞれ。一見ランダムなようですが、どうやら全くバラバラなわけではないようです。音楽の聞き方は、聞き手の性格などの特徴とある程度関連していることが、最近の研究で少しずつわかってきています。

感覚的な刺激を求めて

あなたが音楽を聴くときに、「感覚的な刺激」はどれほど重要でしょう。アタマで分析的に聞くのではなく、聞いてどんな気持ちになるか、どんな感じがするかを重視するような聞き方です。

なんと、2021年に北欧でBonettiらが行った実験では、知能指数が低い人ほど感覚的な刺激を求めて音楽を聞く傾向があることが示されました。

音楽以外でも、知能指数の低さと、感覚的刺激を求める行動(ギャンブルや麻薬など)をとる傾向には相関があるとのこと。なかなか白黒つけるのが難しく説明にニュアンスがいるトピックなので、詳しい情報はBonetti論文にゆずります。ただ、似たような相関が音楽の聴き方以外の行動でも見られるのは説得力のポイントになるのかも?

とはいえ、まだ新しい知見、そして報告されている相関もそれほど高くはありません。ほかの国や他の参加者でも同じような結果になるのか、気になるところです。オランダや日本でも調べてみると面白いかもしれません。


より詳しい情報

この論文の著者の多くが所属するデンマーク・Aarhus大学のPeter Vuust率いる研究グループ(Center for Music in the Brain)はとても勢いがあります。論文リストを見ると素敵な研究がずらり、壮観です。

追記:これは相関的研究です。「知能指数が低いから感覚的な聞き方をする」もしくは「感覚的な聞き方をすると知能指数が低くなる」といった因果関係は示しません。

  • Bonetti, L., Brattico, E., Vuust, P., Kliuchko, M., & Saarikallio, S. (2021). Intelligence and music: Lower intelligent quotient is associated with higher use of music for experiencing strong sensations. Empirical Studies of the Arts, 39(2), 194-215.

  • Rentfrow, P. J., & Gosling, S. D. (2003). The do re mi’s of everyday life: The structure and personality correlates of music preferences. Journal of Personality and Social Psychology, 84(6), 1236–1256.

  • Van den Tol, A. J. M., & Edwards, J. (2013). Exploring a rationale for choosing to listen to sad music when feeling sad. Psychology of Music, 41(4), 440–465.

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