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20〜30代女子が結婚と育児と責任ある仕事、全部叶えるのは全然わがままじゃない、その一例

Cybozu Dayで2020年、こんなセッションがあったそうです。

そして2021年末のイベントはこちら↓

子供を持つと給与が新人以下に下がっちゃうの?結局どのタイミング産めばいいの?そんなうまくいかないでしょ…という20代女性の悩み、自分もかつて抱いていたのですごいわかります。反対に、このTogetterの他の方のリアクションから、その悩みを多くの男性が全く考えたこともなかったというギャップには驚き、それ故に社会問題化しづらいというその根深さにも気づきました。

今の自分について…結婚と育児と仕事全部叶ってます!

なんでタイトルみたいなことをいい出したかという背景を説明しますね。私はそんなかつての悩みを経て、周りの方の多大な助けを得て、育児をしながらフルタイムで働いています。それなりに責任ある仕事も任せてもらえました。現在の給与は子供を産まなかった場合と遜色ないと思っています。望みさえすれば結婚と育児と仕事(収入)を全部叶えられるのが「あたり前」な女性がもっと増えてほしいと考えて、これを書いています。

かつての悩み

私は転職を2回しているのですが、それぞれの会社で悩みがありました。

22歳から27歳の1社目:
就職はできた…バリバリ仕事しながら結婚できる?

新卒のときはメーカーのデザイナー部門で働いていました。それなりに残業の多い暮らし(残業が80時間に達する月もあり)をする中で、20〜30代の女性の先輩たちがバリバリと仕事をする姿はかっこいいと思いつつ、いつ結婚できるのかは、全くロールモデルがありませんでした。
メーカーなので休日出勤は少ないものの、残業が月80時間というのは、平日は仕事以外することがないという状態です。相手を見つける暇も、気持ちの余裕もない、という感じです。(個人的に大阪にいる間は結婚する気がなかったというのもありますが)
1社目をやめる少し前には、数人の先輩が素敵な結婚をし、バリキャリのデザイナー女子でも結婚はできるんだな、なんかよさそうだな、というロールモデルを得ました。

27歳から34歳の2社目:
結婚はできた…けど仕事を続けるつもりで子供を生んでも大丈夫?

ソフトウエアの会社に転職し、東京に転居します。とりあえず結婚はしとこう、と思い、デザイナーをしている自分をいいと言ってくれる方と婚活し家族になることができました。相変わらず、残業時間は80時間を超えないくらい…そして子供どうするかなと考えるか考えないかの頃、第一子の妊娠がわかりました。正直ここまでハイペースでトントン拍子だったのは幸運でしかないです。

ちなみに、婚活から結婚までの流れはこちらに↓

時短はありがたいけど、給与は新卒以下…いつまで続ける?続けられる?
育児と仕事の両立をどうする?という悩みを考える間もなく産まれた第一子から第二子の産前産後は、時短制度というありがたい制度を使って働き方をセーブしました。いや、実のところセーブしたのは勤務時間だけで、成果はできるだけ出していこうと努力していました。仕事が減る→成果が減る→キャリアが積めない、の不安感は相当なもので、時短だけどいかに自分の強みを意識して成果を出すかを毎日考えていました。

なので毎日業務も時間ありったけいっぱいいっぱい。当時は、時短適用をすると年収は約半分にまで下がりました。定時の労働時間は1/4減っただけなのに、です。月給は新卒初任給以下になり、残業代もほぼなくなり、ボーナスは支給なし。スーパーのレジ打ちのバイトよりマシかな。席があるだけありがたい。…でもこの生活はいつまで続くのだろう。と思っていました。

2社目の環境はお子さんがいる人は少なく、いても高校生や大学生でした。大学生のお子さんがいるママさん社員に聞くと、子供が小さいうちは時短制度自体がなかったので、義両親に育児を任せてフルタイムで働き続けた、というバリキャリエピソードを聞き、白目に…。他の子持ちのママ社員は、お子さんが幼稚園に上がるくらいにみんな辞めていってしまうのだとか。それは時短が2歳の誕生日まで、と決まっているからです…。

時短解除になれば、21時ごろまでの残業が当たり前の職場でした。9時ごろ始業で、早く仕事を終わらせて21時よりも前に退勤していることが分かると、手が空いていると判断されてその分仕事が振られて、21時より早く帰ることは許され難い状況。帰宅時間は22時になります。
保育園の延長保育は19時(20時までの園もあるがうちは夕食なしの19時までの園にしか入れず)までで、子供が3歳なら21時ごろ就寝します。考えてみてください。誰が保育園のお迎えに行き、夕食を用意し、食べさせて、歯を磨いて、お風呂に入れて、21時までに寝かしつけをするのでしょう?????
残業免除という制度もありましたが、それでも定時は18時なので、日常的に延長保育をお願いし、夕食は遅い時間になり、子供の寝かしつけも遅くなります。おまけに残業免除はフルタイムとみなされず(8時間働いているのになぜ?????)、責任ある仕事はできず、給与も最低ラインから上がることはありませんでした。

うちは旦那さんも同じ状況でした。21時ほどではないものの、19時半までの残業が常態化し、20時半ごろの帰宅では同様に子供の面倒が見られません。プロパーで特殊な業務を長年してきたためそこそこ高待遇になっており、同じ待遇で勤務時間を減らすような転職は難しそう(もったいない)との判断。近居のお義母さんも21時ごろの帰宅。お義父さんは元気ですが70歳超えの世代なので…さすがに夜の子供2人分のルーチンを毎日ワンオペでするのは難しいです。

この頃、同じ職場で同じくらいのお子さんを持った同僚のママさんと、もうひとりの先輩と3人で相談し、会社に対し「この労働条件がいくつか満たせるなら仕事を続けられるんですが…」という相談をしてみました。その条件が以下です。

1. 時短勤務を小学校卒業まで可能にすること
  →家庭を維持しながら会社に残ることだけは可能になる。(最低条件)
2. 1がだめなら、残業を前提としないフレックス勤務ができること
  →8時〜17時に勤務すれば、フルタイムでも保育園でのお迎えができる。
3. リモートワークができること
  →通勤時間がない分、より時間のやりくりがしやすくなる。

逆に言えば、どれも満たされなければ辞めるしかないというメッセージに対し、会社の答えは「 1 だけは検討できる」でした。1が可能になれば私は辞めなくて済む…でも、もうひとりの同僚ママさんは、ご家庭や住んでいる地域の保育園事情により、2と3も実現しなければ仕事を続けることは難しそうでした。

同僚ママさんはほどなくして転職を決め、会社を辞めました。見送りながら、私より年上での転職、かっこいい決断だなと思っていました。私はといえば、1 の条件だけが実現すれば、会社に残ることはできます。でも何かが引っかかる…
引っかかりすぎてDesigner Draftにも登録しました。

Designer Draftはポートフォリオを見た企業の採用担当者がスキルをフラットに評価、年収を公開して指名する仕組みです。このサービスでは月80時間の残業で仕事をしていた独身時代より高い年収での指名ももらえました。
指名してくれた会社に行き、フレックスやリモートワーク可であること、「子育て中の社員も多いですよ」という話を聞きながら、独身時代と同等の仕事と待遇で、残業なしで帰れる会社に転職することは不可能ではないと感じました。

このとき会社に提示された 1 の条件だけでは、この先10年時短を続けることになり、会社に残ったとしてもそれはそれでキャリアが死ぬと思いました。あと、時短という理由だけで給与が半分になるのが全く納得できなかったというのもあります…。成果で比較したときに、新卒1年目の給与より低いの、納得できますか?(って上司に言ったけど、やっぱり応対できる時間帯が長いか短いかで取れる責任に違いがあるからって言われました。うーん…?)

34歳からの3社目:
責任ある仕事をしながら、毎日子供と夕食が食べられるように

そんなとき、先に転職していた同僚ママさんからふと連絡をいただき、今うちの会社に紹介できますがどうですか?という声をかけていただきました。Designer Draftで指名いただいていた会社も魅力的だったのですが、知り合いが入っている会社の方が待遇や文化が確実に分かっていいだろうと思い、Designers Draftで用意していたものをベースにポートフォリオを整え、採用面接を申し込み、これまでと同じデザイナー職で今の会社の入社に至りました。
入社後は、新型コロナの影響でフルリモートになり、8時30分〜17時45分までの勤務で、延長保育をほぼ使わず子供を迎えに行き、健康的な時間に夕食を共に食べることができています。旦那さんもリモート可能になったので、夕食を食べた後の育児ルーチンを旦那さんに交代してもらって残業をするなど、フルフレックスを生かして最大限成果を追い求めています。任せてもらえる仕事も大きくなり、収入は前の会社での時短の給与の3倍くらいになりました。会社が変わるとこんなにも違うのかと自分でも驚いています。

大事にし続けたいこと

★いつでも転職できるくらいにスキルを磨いておく。環境を自分で選べるだけの実力をつける。
会社が違うと評価軸や文化が大きく変わることも多いので、今子育て中のハンデによってうまく評価を得られていないという場合でも、別の会社ではスキルや成果でフラットに評価してもらえることがあります。それによって子育て中の社員が多く、子育ての大変さをお互い様と捉えて理解してくれる同僚に恵まれることもあります。子育てに限らず、今待遇に満足していても、病気になったり、介護をしなければならなくなったとき、「ハンデがあるから使えない社員」として評価されるのではなく、活かせるスキルを評価してもらえる会社のほうがいいと思います。実力をつけていれば、スキルを評価してもらえる会社を選べ、選んだ会社に成果を提供できるようになります。
社会人になってからも、他の会社に転職したり、独立してもこれまで通りの収入を得られるか?を自分に問い続け、勉強したり成果を出し続けることは重要です。

ひとつの会社に入社して何年も経つと、人間関係や仕事内容にも慣れて、惰性で仕事をしてしまいがちです。それでも勤続年数が増えればそこそこ勝手に給与が上がったり、慣れによって評価されやすくなったりするのですが、それが他の会社でも通用するのかは気にしておきたいところです。

★他の会社に行った友達や知り合いとの関係も大事にし、情報収集する。
自分の会社の待遇や文化だけしか知らなければ、残業が毎月80時間を超えていることの異常さにも、止むを得ない時短で待遇が著しく悪くなる不当さにも疑問を抱かなくなりがちです。社外とのつながりがあることで客観的に自分と今いる会社をみることができ、他の会社という選択肢の情報収集がしやすくなると思います。

★周囲への配慮と工夫を忘れない。みんなで幸せになるために考えて行動する。
ここまでいいことばかり書いていますが、今の会社であっても、自分が家族を理由に仕事を抜ける時間が取れるということは、その分時間の融通が利きやすい子供のいない方や別の人に子供を見てもらえる環境の方に仕事のしわ寄せがいってしまうこともあります。仕事は個々の事情を考えてくれないですもんね。
仕事を引き取ることで評価収入が上がって満足できる人ならいいのかもしれませんが、大体は仕方なく仕事を引き取る方がいて、不平等感と疲労感でいっぱいだと思います。なので今の環境をそのままいいことにするのはよくないと思っていて、仕事の調整が効くように組織として工夫していく必要があると思います。
あとどんな人も家族以外の理由でも積極的に休みが取れるような声かけも必要ですね。みんなでライフワークバランスをとって、幸せになりたい。

謝辞

自分は育児と仕事の両立に満足してるぜ、と偉そうなことをいいましたが、どれだけ周りに支えてもらっているかも書いておきたいです。

旦那さん、旦那さんの会社
旦那さんは天真爛漫な人です。結婚当初からデザイナーという専門職をやめちゃうのはもったいない、仕事したほうが生き生きしているように見える、と言ってくれました。仕事は楽しいので、実際そうだったなと思います。
旦那さんの会社も新型コロナ禍をきっかけにですがテレワーク環境を整備したため、通勤時間がなくなった分家事育児に割く時間も以前より増え、私のワンオペの時間が大幅に減りました。テレワークで嫁が助かってるよ、と旦那さんの会社には伝えたいです。

同僚パパさん、ママさん
前の会社の同僚であり、ふたりとも今の会社でも同僚です。転職のきっかけをつくってくれ、転職活動でも前の会社での成果を今の会社にアピールしてくださいました。この縁なしに今の働き方はありえませんでした(拝み)

今の会社、今の会社の同僚のみなさん
時代の流れに併せて、テレワーク、フルフレックス、用途の広い看護休暇、週休3日など、アグレッシブに制度を作ってきたようです。これらの制度のおかげで、いまの私は未就学児を育児しながら働くハンデをほとんど感じずにいられます。
育児中の人も多いですが、育児中でない人ですら育児あるあるへの理解が深くありがたいです。介護、病気、障害など他の事情への理解もあり、ダイバーシティのある会社だなと思います。

お義母さん
お義母さんは、現役ワーキングマザー(高度専門職)です。結婚直後、仕事が続けながら子供を育てることのイメージがつかなかった私に「ほっといても育つから大丈夫」と背中を押してくれた人です。実際育った旦那さんを見ていると、仕事で育児ができていないと思っても、案外たくましく育つので大丈夫そうだな、と思います。
お義父さんや実家にもお世話になっております。

周りの人との縁や協力に感謝しながら、その人達や組織に 自分にできることで報いていければと心から思っています。

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