(51)フランス展で知り合った人達 ~二人のエリック
実は、パリからの本帰国後、
なんとか大学院で専攻したことに関する職につけないものかと、
塾の講師や
近隣の大学の英語教育開発センターで通訳翻訳のアルバイトをしながら、
就職活動をしていた時期がありました。
単純に知識を深めたかったこともあり、
T大教養学部の認知言語学等数科目の聴講生になって、
何か糸口はないものかと模索もしていました。(笑)
今の小売業を始めたのは幸運な出会いや偶然が重なった結果で、
気持ちの切り替えも含めて、あらゆる意味で慣れるまでに少々時間がかかりました。
小売業・卸業の基本もしらないまま、始めてしまったこの仕事ですが、
徐々に、百貨店のフランス展に出店できるようになり、
その流れの中で、沢山の出会いがありました。
情報やヒントをくださったり、
必要な人を紹介してくださったり、
応援してくださった方達がいてくださって、
なんとか10年近く続けてこれたと感謝の気持ちでいっぱいです。
そのうちの一人だったのが、
東急Bunkamuraパリ祭に出店していた時に知り合ったエリック・レネさん。
彼は、南仏出身で「プチ・ニース」というブランドを立ち上げ、
オリーブの木で作られたキッチン用品や、
セミ・ラベンダー・オリーブ等南仏のモチーフを使った布製品などを
紹介しています。
profile.ameba.jp/ameba/le-pt-nice
「僕も起業当時色々な人に助けてもらった。
だからHidekoも、僕に返そうとしなくていいから、
必要としている誰かにそうしてあげて」
と、
販路を紹介してくれたり、ディスプレイや催事出店時のノウハウなど面倒見よく教えてくれました。
今、彼は百貨店のフランス展以外にも、八ヶ岳星野リゾートに自分のお店を持っています。
もう一人、同じファーストネームの、エリック・エベールさんにもお世話になりました。
彼はフランス展では、ビンテージボタンを紹介していて、ご自身もボタン収集家です。
「世界の美しいボタン」
「世界の美しいブローチ」
という本も出しています。
私のリア・スタンの本を出したいという話を丁寧に聞いてくれ、
自分が本を出版した会社の編集者を紹介してくれました。
(残念ながら、まだリア・スタンの本の出版の夢は叶えられてはいないのですが、2019年、48頁の紹介小冊子は自費出版で上梓しました)
二人に共通しているのは、
ビジネスとしての基盤をしっかり持ちながら、
自分の紹介するものに愛情を持ち、探求心を怠らないこと、
そして自分の幸運に甘んじることなく、感謝の気持ちを以って、
有形無形の自分が得たものを循環させていこうという姿勢です。
「愛情が込められた良質なものを紹介したい。
手に取った方の日常の中に、花束を贈られた時のような幸福感をお届けしたい」
こうした理念を、最初から確固たる気持ちで持っていたと言うよりは
前職の銀行時代の諸先輩を含め、お世話になった方達の有り様をみつつ、
自分のスタイルが段々にできていったように思います。
百貨店側のバイヤーさんはじめ各担当の方々、
お客様、
他にも様々な出会いがあるフランス展。
またそんなお話も折々にさせていただければと思っています。
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