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㊹Toile de Jouy(トワル・ドゥ・ジュイ)に魅せられて その1

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(2013年にギャップ・ジャパン社さんの書籍「東京でみつけました、素敵なパリ時間」にご紹介いただきました)

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2012年4月に起業しましたので、早いもので、
あと半年で10年経つわけです。

最初から、現在の百貨店での販売形態をイメージしてスタートしたわけではなく、
当時少しずつはじめていた通訳業も含めて、
フリーで知人友人の店のバイヤーとして買付の仕事をはじめ、
きちんと個人事業主として届け出ないと、くらいの発想でした。

そのうち、人に勧められて、自分で実店舗なしの小売・卸業をすることになり、いざ始めたら、性分なのか、中途半端な状態は落ち着かず、
事業をそれなりに大きくしていきたいという意識も目覚めてきました(笑)
友人にコンサルの方を紹介していただいてお話を伺ったり、
屋号もロゴも考えて登録しました。

ご縁があって、すぐ東急Bunkamuraのパリ祭に出店することができましたので、
数年はディスプレイ什器の移動式ワゴンに載せられるような、
いわゆる「雑貨」を商材にしていました。

その後、徐々にアクセサリーに枠を広げていったわけですが、
当初は、しっかりブランド・コンセプトを打ち出し世界観を出すというよりは、
ヨーロッパのエスプリを感じられる自分の感性で選んだ商材を
ワゴンに盛りだくさんに飾るのみ。

(私自身の事業として臨んでいる意識に反して)
プロからみたら趣味の域を超えていなかったでしょうし、
夫にも仕事とは認めてもらえてはいませんでした。

ただ、今にして思うと、
商材探しに、住んでいた時とは異なる目線でパリの街を歩いたり、
作家さんとの出会いが次々とあったり、と、
今まで自分がいた環境と全く違う世界で働く驚きと発見があり、
一番楽しい時期だったかもしれません。

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そんな中、写真のトワル・ドゥ・ジュイという布で作られた小物との出会いが
現在の私の仕事のスタイルの基盤を作ってくれました。

このフランスの伝統柄の生地トワル・ドゥ・ジュイ、
今でこそ、ポーチやエコバックなどに使われて、あちこちで見かけますが、
一昔前は、一部の人の間で知られている程度だったように思います。

せっかく扱うのですから、まずは、歴史から、柄・色・素材をはじめ、
まつわるストーリーも、知っておかないと、と、数回にわたり、
パリ郊外Versailles(ベルサイユ)近くのToile de Jouy美術館に赴きました。

https://www.museedelatoiledejouy.fr/informations-pratiques/

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まったくの素人で始めた小売業でしたが、「語れる紹介役」でありたいという仕事へのモチベーションを
あちこちぶつかりながら、いきなり実践、On The Job Trainingで
培っていったように思います。

例えば、
扱っているコスチュームジュエリーも、
そもそもコスチュームジュエリーとはなんぞや、
その歴史、各ブランドを愛した著名人等の知識を入れていくこと、

お客様はもちろんのこと、販売に携わる方達にも情報シェアすること、

可能な限り、作家さんと直にお取引きし、作品に対する思いを聞き、
時にはコラボでオリジナル作品を作ること、
等々。

いまだに、ビジネスとして正解なのかは自問自答しますし、
手間も時間もエネルギーも使いますが、
この部分があるからこそ、続けていられるのだと、思っています。

(次回に続く)

次回以降に、Toile de Jouyの生地について、その歴史、モチーフの多様性等
お話できたらと思っています。

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