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出来ないあちらのバイトさん達

オミ株の脅威

コロナ禍でオミ株の猛威がジワジワと近づいてきて、身近にもオミ株の被害に遭う人やその巻き添えを食う人が出てきた。
とうとう不倫常習おじさんにまで被害が及び、不倫常習おじさんと同じ時間に仮眠室を使った長谷兄がその巻き添えを食らった。
不倫常習おじさんは期間未定の自宅待機になり、長谷兄は7日間の自宅待機になった。
その間、長谷兄の業務を私と新リーダーと老害おばさんでカバーすることになった。

何も出来ないバイトさん達

そのせいで私や老害おばさんはあちらのバイトさん達と一緒に仕事をするようになったのだが、まー感心するほど出来ない。
基本オペレーターは顧客から問い合わせがあればマニュアルを開いて対応する。
しかし、そもそものそれが出来ないのだ。
顧客から「○○が使えない」という入電があれば「○○が使えない」というページを開いてフローに従い聞き取りを行う。
「○○が使えないということですね。□□(客先名)の○○でしょうか?」と聞いて、使えない原因を絞り込んでいくのだが、バイトさん達は「○○が使えないということですね。確認いたしますのでお待ちいただけますでしょうか。」と言うと保留。リーダーに「○○が使えないって言ってます」とだけ伝える。

正直うちの部署ではあり得ない。うちの部署はただでさえ入電数が多い。簡単な照会電話は自分で資料を見て答えてくれというスタンス。
しかしこの部署では顧客に聞くことすらリーダーに聞いてくる。
老害おばさんから「バイトさん達が出来ない出来ない」と聞いてはいたが、老害おばさんの言うことなので「あー、またこきおろしか」と話半分にしか聞いていなかった。
しかしまさかここまで出来ないとは正直驚愕した。

入電を取ったのは今年の11月で3年になる妓夫太郎。老害おばさんに「出来ない」と言われている1人だ。
「○○が使えないって言っててエラーコードが○○○○と言ってます」と言うので、うちの部署の感覚でいる私は聞くことは一通り聞いていると思っていた。
しかしエラーコード一覧表を見るも該当のコードは見つからず。
「え?□□の○○を使ってるんですか?」と聞くと「分からない」と。基本の基の字がスッポ抜けていることに呆気に取られていると妓夫太郎は半ギレで「何を聞いたらいいんですか?!」と言ってきた。
何もかも指示出ししてくれると思ってるのかこいつら…目の前のマニュアルや資料はいったい何のためにあると思ってるのか。リーダー専用資料じゃないぞ…。
結局その入電は顧客が他社の物を使っていて取扱時間が終了していたことで解決した。
しかし私のモヤモヤは増幅するばかりだった。

研修を受けていないバイトさん達

ただただ舐めた態度を取る妓夫太郎に辟易し、早々に自分の部署に戻る。
そしてその日、うちの客先の監視をしていた新リーダーに速攻愚痴る。

「あっちの人達、客から問い合わせの入電あってもマニュアル開かへんねんけど。『問い合わせ対応するならマニュアル開いてくれ』って回覧にしよかな」
「え、Dでそんなんしたら私めっちゃ言うで。
でもそれはもう長谷兄のせいやんな。長谷兄が研修してこんかったから。
私なら「じゃあマニュアル開こうか。で、なんて言うてる?○○が使えないって言うてるんやんな?そしたら○○のページ開いてみよか。そっから探してみて」って言う。
回覧にして角が立ってやりにくくなっても嫌やん?とりあえず副センター長に相談してみてからのがいいと思うで。」とアドバイスをいただいたので、とりあえず副センター長にメールを送ることにした。

そして夜勤と時間帯がかぶっているBの日勤さんに照会入電はどうしてるのかとLINEで聞いてみた。
結構な深夜だったので返事は期待せずにいたらすぐに返事が来た。

「お疲れ様です。照会の研修してないと思うんで、そういう入電があったら代わってます(私は)」
「長谷兄さんがなんでも保留してリーダーに聞くっていう風にしたみたいだから余計に聞いてくると思いますよ!」

なるほど、こりゃうちの部署の感覚でいたらいけないわけだ。
いや、待て、オペで入ったら一番最初にマニュアルまるまる1冊読み合わせすんだろと思いきや…

「マニュアルまるまる1冊読み合わせはしてないと思いますよ。研修は夜勤に任せてるから多分。」

もうその時点で驚愕。そんな状態でよく3年も続けてんな!
日勤のリーダーがいない時間帯は「今の時間では分からないから○時以降にかけ直して」と案内しているのはAも同じ。
でも日勤がいる時間帯に入電とることもあるわけやん?
そんな時でも日勤が代わって取ってるの?
信じられない…

マン汁さんとシナモンさん

私が入社して3ヶ月後の2017年11月に部署AとBが合併し、マルチ化された。
Bにいた私はAのことなど全く知らなかった。
島は分断されており、Aにどんな人がいるのかも知らなかった。
Aからは当時で経歴13年ほどのマン汁さん、影で「ドラえもん」と言われていたシナモンさん、そして老害おばさんと不倫常習おじさんが来た。リーダーは不倫常習おじさん以外の3人。
マン汁さんは細身でいつもグレーのパーカーにジーンズ、メガネにマスクをつけていた。シナモンさんは逆にあんこ型でTシャツに長いスカート、こちらもメガネにマスクだった。
そしてこの2人は夜勤の中で評判がすこぶる悪かった。

マン汁さんとシナモンさんと老害おばさんは元々いたAの監視と新たにBの監視をすることになり、マルチリーダーになった。
そして私と阿佐ヶ谷姉妹はいつも通り入電を取り、リーダーに指示出しをしてもらう。
するとある日、私達2人はマン汁さんとシナモンさんから手紙をもらった。

「顧客からの問い合わせがあったらマニュアルを開いてください!!!
元々Bの入電を取ってるのに私達に聞いてくるのはなんでですか?
Aの入電を取ってる私達があなた達にAのことを聞いてきたらおかしいでしょ?
○○が使えないという問い合わせは基本中の基本です!!!
マニュアルを見なくても答えられるくらいになってください!!!」

その手紙をもらって自分は何も出来ていないのだということに気付いた。
それから私は人知れずマニュアルを読み、トークを覚えた。
評判の悪い2人だったが私は感謝している。
妓夫太郎はまさに昔の私だった。

踏襲される悪き慣習

Bの夜勤では研修はまともに行われておらず、夜勤のメイン業務の研修しか行われていなかった。
Aとの合併の際にAの日勤から「マニュアルの読み合わせするよ?」と言われていたのに、いつの間にかその話は流れたらしい。
私はそれが嫌で「もう辞めよう」と決めた時に、当時夜勤を総括していた日勤のSVに「この会社は研修がなってねえ!」とぶちまけた。
それでも引き止められて残留し、今に至るわけだが、リーダーになってAに異動してからは老害おばさんと研修に力を入れた。
Aに入った新人オペさんはどんどん育ってリーダー候補になっていった。
そのうち日勤から「Aの夜勤はなぜあんなにスキル保有してるのにそれを維持できているのか」と言われるようになった。
しかしBの評判は悪いまま、スキルも低いままだった。

いったい誰のせい?

老害おばさんはスキルの低いバイトさん達のことを「可哀想だ」と言う。
でも本人達はそうは思ってないように見える。
むしろ「Aのオペは忙しそうで可哀想。それに比べてこっちは全然楽だし、何も覚える必要ないし、リーダーの言うこと聞いてりゃいいし、それでいてAのオペと同じ時給もらえてるって美味しい。」と思ってるのかもしれない。
妓夫太郎など若いのに自分より後に入った後輩がどんどんリーダー候補になっていくのを見てどう思ってるんだろう?
長谷兄にすら「こっちの人にリーダーなんて出来ると思う?」と言われてるのだ。研修をしなきゃいけない人に「面倒臭いから」と研修もしてもらえずに、出来ない人扱いされてるのだ。そのことに気付いてるんだろうか。
私なら自分より後に入った人がリーダーになって行くのを見たら、きっと恥ずかしいし情けないし、なんで自分はリーダーになれないんだろう?と思うに違いない。(実際、長谷兄と付き合ってるというだけでリーダー候補だったおばさんに対してすごく悔しかったし)
それでもきっと妓夫太郎や長老は出来ないままのらりくらり居座って、自分の仕事(ア○ウェイ)が軌道に乗ったら辞めるんだろう。
そんな人達に今さらロープレやら読み合わせやら手厚く研修する必要はあるんだろうか?
もう彼らも入社して3年は経っているのだから出来る体で接するのがいいのかも知れない。

「マニュアル見て」

これでいいような気がする。