マガジンのカバー画像

真帆片帆

8
追風で走る真帆、横風を受けての片帆。 他のマガジンとは別テーマを集めました。 p.s. 嘗ての1970年代小田原高校新聞一面のコラムの名から取りました。
運営しているクリエイター

#巻上公一

函館の「詩のボクシング」北海道地区大会の本大会から帰ってきた。

函館の「詩のボクシング」北海道地区大会の本大会から帰ってきた。

詩のボクシング はボクシングに見立てたリングの上で、ふたりの詩人が
交互に自作を朗読し、どちらが観客を惹きつけたかを競い、
それをジャッジが判定するというもの。
1997年に、楠かつのり氏が、日本朗読ボクシング協会を設立。
初代チャンピオンはねじめ正一、二代目は谷川俊太郎。
そして、谷川俊太郎の突然の辞退により、平田俊子が現在のチャンピオン。

函館の大会は、午後6時半、16人の朗読ボクサーたちに

もっとみる
1 その詩は血と汗と涙でできている

1 その詩は血と汗と涙でできている

 最近、自分のプロフィールに「詩人」を加えた。四十年以上に亘って活動するバンド「ヒカシュー」の歌詞を詩集『至高の妄想』にまとめたのがきっかけだ。ヒカシューでは曲も作り、ベースを弾き、歌をうたい、東芝EMIという大手の会社からデビューした。二十三歳の時だ。翌年のデビューアルバムに収録された「プヨプヨ」という詩をアートディレクターの石岡瑛子が気に入り、パルコの新聞広告用に詩を書いて欲しいという依頼を受

もっとみる
チュチュランド漫遊記

チュチュランド漫遊記

  新宿二丁目に深夜遅くまでやっている蕎麦屋がある。ロンドンのロイヤ
ル・バレエに在籍し、日本公演にやってきて、すっかり日本が気に入って
しまったイギリス人が目の前にいる。すらっとした美男子だが、せっかち
な様子がその貧乏ゆすりからわかる。そのニコラス・ディクソンという男
と一緒に割り子そばを食べた。

もっとみる