「爆破ジャックと平凡ループ」/夢を叶える人と叶えない人は何が違う?

コルクラボで関わっている「覆面編集プロジェクト」の試みとして今、如月新一さんの「爆破ジャックと平凡ループ」という小説の連載をしている。

連載も残すところ後9回となり、現在は「爆破ジャックと平凡ループ」の感想&イラストを募集中。そこでせっかくなので、作り手側として「爆破ジャックと平凡ループ」の作者、如月新一さんの紹介をしたい。

如月新一さんとの出会いは去年の5月に遡る。コルクラボ覆面編集プロジェクトの最初の試み、「第1回覆面編集プロジェクト褒める会」に参加してもらったことがキッカケだ。

20作品くらい応募がくるといいなあとメンバーで話していたところに129作品の応募があったものだから、裏方としてはとにかく読み切ることにてんやわんや。ただそんな中、如月新一さんの作品はプロジェクトメンバーの記憶に残るものになった。何というか、完成度が高かったのだ。

そして2017年9月に開催した第2回目の「褒める会」は、応募してもらった作品の中から株式会社コルク名義で電子書籍を出す、というのが目玉企画だったのだけれど、応募作品が出そろった段階で「さてどう選ぼう」という話に及ぶことがなく、自然と「これは如月さんだねぇ」となった。それだけ、書いている量・質共に頭ひとつとびぬけている印象を、全員が感想として持ったのだ。

その後Twitterを通じて如月さんにコンタクトをとり、幾多の打ち合わせを経て「爆破ジャックと平凡ループ」が完成した訳なのだけれど、実際にできていく過程を横で眺めていて、いちばん感じたのが如月さんの「小説を書く」ということに捧げるエネルギーだろう。実は如月さんはSKYHIGH文庫賞も受賞されていて、今年の4月に第1作目の本が出る。

この作品の出版に向けての準備と「爆破ジャックと平凡ループ」の執筆期間が丸被りしていたにも関わらず、やりとりをしている中でそれを感じることはいちどもなかった。レスポンスはいつも即時だったし、インプットに対する原稿の修正も早かった。
更に覆面編集プロジェクトからのプロモーションの提案をこなすだけではなく、「コルクラボの温度」というコルクラボで発信しているポッドキャスト番組に「爆破ジャック」のコーナーを作りたいと提案したり、コルクラボ内で自分の半生を投稿したり。連載のためのバナー制作も「こんなイメージを持っている」と伝えたら、さっと持ち前のデザインスキルを駆使して、作ってくれた。私がぼんやりと知人に頼んで作ってもらおうかなあとイメージしていた以上の仕上がりだった。

そしてここからが更にすごいなあと舌を巻くところなのだけど、如月さんはスカイハイ文庫と、そして「爆破ジャックと平凡ループ」の執筆とプロモーションに全エネルギーを注いでいる訳では決してなく、その間にも日々本を読み、時間をみつけては映画館に足を運び、そして更に新しい作品を書いている。決して器用で要領がいいだけではないと思う。彼の1日1日はまさに「小説を書く」とそれに紐づくことに、すべて捧げられているのだ。

人は時に夢を持つ。ただ残念ながら、それが叶う人と叶わない人がいる。

昔は才能や運といった要素がその差だと思っていた。ただ去年からコルクラボに入り、第一線で活躍している人と多く触れ、それは大きな間違いだと気づいた。「叶う人」と「叶わない人」の間に大きく横たわるもの。それは「夢を成し遂げようとする、エネルギーの量」だ。ひたむきなエネルギーだけが、才能を開花させ、そして運を呼び込む。如月さんが「作家として生きていく」という夢を、今まさに叶えようとしているように。

「爆破ジャックと平凡ループ」は、夢破れ、人生に希望を見いだせない主人公が、乗り合わせたバスの乗客たちをバスジャックから救おうと奮闘しながら、過去の格好悪い自分と向き合い、そして変わっていく物語。
「変わろう」とするエネルギーが、どれだけ自らの人生を好転させるのか。この小説を通して、そして如月さんを通して、私は人生って自分次第でなんとでもなる、とますます強く確信した。

是非多くの人に読んでもらいたい。そう思う。


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