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Owl City"Fireflies"/「過去」に無駄なんて何ひとつないこと

Owl Cityというアーティストがいる。カーリー・レイ・ジャプセンとコラボした"Good Times”はCM曲にもなったから、知っている人も多いんじゃないか。

彼の「過去」は決して順風満帆じゃない。小中高といじめにあった内気な青年。写真家を志して入学した短大では周囲に馴染めず、半年で中退。その後倉庫や配達のバイトをしながら、自宅の地下室で、誰に聞かせるあてもない曲をしばらくの間作り続けることになる。

そんな彼が作ったのが「Fireflies」という曲だ。

I'd like to make myself believe
that planet earth turns slowly
It's hard to say that I'd rather stay awake when I'm asleep
'Cause everything is never as it seems

僕はこういう風に考えたいなって思っている
地球はゆっくりと回り続けていて
言いにくいけど本当は寝ている時もずっと起きていたくて
全てはいつも同じじゃないから見逃したくないって

(中略)

Leave my door open just a crack(Please take me away from here)
'Cause I feel like such an insomniac(Please take me away from here)Why do I tire of counting sheep(Please take me away from here)When I'm far too tired to fall asleep

ドアは少しでいいから開けておいて(僕をここから連れ出して)
不眠症だなって自覚してるからさ(僕をここから連れ出して)
なぜ羊を数えるのにも疲れてしまうんだろう(僕をここから連れ出して)
特に眠りにつくには疲れすぎている時にはさ

不眠症を患っていた彼は、いつも真夜中に曲を作っていた。そして「眠れない」というネガティブな事情が、こんなに美しい曲になった。

彼が作り出す優しい曲を聞くたびに、彼が苦労してきた少年時代と、そして彼が過ごした眠れなかった夜のことを考える。もし彼が直面した困難な出来事の1ピースでも欠けていたら、こんな曲にはならなかったんじゃないか。

そして、こうも思う。何かが上手くいかなかった経験は、必ずどこかで役に立つ。それはOwl Cityのように「曲」になる場合もあるし、同じような思いをした人の道しるべになったりもする。

「過去」をどう生かして「現在」を生きるのか、そしてそれをどうやって「未来」に繋げていくのか。

私はその繰り返しが「人生」てやつなんだと思っている。 

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