きみよ、しなないで。

世の中が人の死であふれている。

元々、死は身近にあったのかもしれないけれど
最近はとても目につく。


生物は生まれた瞬間から
死に向かっている。

だから死なないということはない。

死は誰にでも平等にあって、
早いか、遅いかの違いしかないのだろう。


だけど、

やっぱり

君よ、死なないで。


小さな君の手のひらや

微かに聞こえる、君の寝息

扇風機の風に揺れる、やわらかな髪の毛

冷えた部屋でも、あたたかい体温。


抱きしめるたび、
死なないでと思う。


「127時間」という映画を観た。

登山中に落石事故にあい、
崖と石のあいだに腕がはさまって
身動きがとれなくなった方のノンフィクション映画だった。

わたしはホラーやグロい作品に免疫があった。

自分自身、痛みにも強い方だ。

だけど君が生まれてからダメになった。

つらくて
怖くて

慌てて君の寝ている姿を確認しにいった。

目が覚めた君の顔を見て安堵し、
いつも以上に強く抱きしめた。


君はいつか死んでしまう。

もしかしたら、わたしより早く死んでしまうこともあるかもしれない。

でも、わたしの目が届く範囲では、君を守るから

ワガママなお願いだってわかってる。
その上でお願いです。


どうか

どうか君よ、死なないで。


具のない🍙まき子(@makicome1986

数多ある文章の海から、 みつけてくれて、ありがとうございます。 現在、不定期更新・お休み中です。 鹿児島から愛を届けています。