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どんなにちいさくても、いのちのかちはかわらない。


この間の日曜日からメダカを飼いはじめました。

理由は、生き物を育てることで心が安らぐ気がしたから。さらに水がそばにあることで落ち着きそうな気がしたから。

わたしは7人家族になりました。


毎日、エサをあげるのが楽しみで、

毎日、動いている姿を見るのが幸せでした。

ときには話しかけたりして、まだ全然なつかれていないけれど、可愛くて仕方ありませんでした。




火曜日、わたしは用事があったので実家に泊まることにしました。

実家での生活は、姪っ子と遊ぶことで必死だったのであっという間に時間が過ぎ、ぐっすり眠って実家から出勤し、仕事に勤しんでいました。


実家は楽しいけれど、やはり落ち着くのは自宅。

仕事が終わると一目散に帰宅しました。


「ただいま」

電気をつけると


そこには濁った水の中で蠢くメダカたちがいました。


嫌な予感がしました。


「ただいま」
もう一度、声をかけて、水槽を覗きました。

濁ってよく見えないけれど、みんな元気そう。
その時はそう感じました。


わたしは夕食を手抜きしてカップ麺にしました。

お湯を注いで、メダカたちが見えるテーブルで3分待つことにしました。

すると

1匹の様子がおかしい。


タチウオのように、まっすぐ立ったままなのです。


「ああ・・・」


嫌な予感は的中しました。
その立ったままの1匹は死んでいたのです。

すぐさま旦那に連絡をして、とりあえずご飯を食べてから考えよう。そう思いました。

ところが


もう1匹、動かないメダカがいるのです。


おかしい。

さっきまで動いていた気がする。


このままではいけない。

直感的に危険を感じ、カップ麺そっちのけで慌てて水を替えることにしました。


やはり先ほどの動かないメダカも死んでいました。

悲しい気持ちをグッとこらえ、とりあえず応急処置をしなければと水槽を洗います。


悲劇はさらに起きたのです。


またもう1匹、動かなくなりました。


「嫌だ」

わたしは急いでキレイな水に動かなくなったメダカを移します。

指でそっとつまむとビクンッっと動きました。

「助かるかもしれない」

淡い期待を抱きながら様子を伺います。



でも、静かに動かなくなりました。



大きさ2cmほどの小さな命。

わたしにとっては確かに家族でした。


気持ちが通じ合っていなくても
どんなに小さい生き物でも

わたしにとっては家族だったのです。


たった4日間の家族。

どんなに小さくても、命の価値は人間と変わらない。

どんなに小さくても、命の価値はあの子たちだけのもの。


今でも指の腹で感じたメダカの感覚が忘れられません。

大きく目を見開いたまま、

動かなくなったあの子たちの姿が目に焼きついて離れません。


ごめんね

ごめんね


たった2匹しか守ってあげられなかった。

絶対にこの2匹の命は守る。

わたしを癒すために、この子たちは家族になったんじゃないのだから。



牧 真姫子🍙エッセイスト(@makicome1986

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