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映画 『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のこと

原題:Spider-Man: No Way Home
公開:2022年
鑑賞:2回

予告編すら一度も触れず辿り着けた。1回目は初日。過去作7本を復習してから2回目を観た。

「私、スパイダーマンが大好きなんだ」と胸が熱くなった。振り返れば2002年『スパイダーマン』からほぼすべて(アメスパ1だけレンタルごめん)、スパイダーマン参加のMCU映画もすべて劇場で観たし、翻訳コミックも数冊買って読んで、フィギュアも持ってる。だけどどこか自覚できずにいたのに「私、スパイダーマンが、ピーター・パーカーと家族と仲間たちが大好きなんだ」と確信できた149分。感無量。




🛑🛑🛑 ネタバレあり 🛑🛑🛑




単なる大集合、単なるマルチバースではない。ヒーローやヴィランである前にひとりひとりの人間として、抱え続けた喪失や痛傷や後悔を清算、治癒、救済しようとする物語。もちろん悲劇の事実、起きたことは変えられない、奪われた魂は還らない、喪った命も戻らない。それでも同じ憂い同じ想い同じ願いを秘めたもの同士で、隣に居る、肩を貸しあえる。心の闇に囚われても、その闇の中にいつか明るさを持てる。そう信じたい。

●待ち望んだ合流
マット・マードック(演:チャーリー・コックス)。傑作ドラマNetflix版デアデビルから遂に遂に。序盤の「弁護士」連発にドキドキしたらするっと登場。「マットが居る、マットが居る」と早くも涙目。いい弁護士による背面レンガキャッチ、レーダーセンス健在。アメリカでは同じ週に放送された『ホークアイ』でフィスク、本作でマットと揃い踏みでMCU合流した粋すぎる計らいも羨ましい。

●名優ヴィランの復帰
グリーンゴブリン(演:ウィレム・デフォー)、特殊メイク不要の怪物感、さすがです。

Dr.オクトパス(演:アルフレッド・モリナ)。歴代最高インパクトの再演に拍手

エレクトロ(演:ジェイミー・フォックス)、真っ青じゃない素顔で嬉しそうに見えるよ 笑

ジェイムソン編集長(演:J・K・シモンズ)、彼だけ笑える要素皆無で悪質だったのは残念

●仲間や家族
ストレンジ先生。ってば、ホームグラウンド=ミラー・ディメンションで負けちゃうなんて油断したのかな。ピーターを責めているけどアレ、先生自身も魔術失敗しまくりで責任重いよね。

MJ。ついつい現実でのトムホとのウキウキが浮かんじゃう。それが劇中では切ない別れとのギャップ。改編された世界でピーターを見つけに行けるのかな?それとも別の運命が待ち受ける?

ネッド。きみ魔術修行もせずにスリング・リングでゲート開けるのってどういう天賦の才なの、まさかヴィラン化の布石って考えすぎか

憧れのメイおばさん。MCU版「父性の喪失」は、ベンおじさんではなくトニー・スタークで代行されたと見ていたから、彼女の口から「大いなる力には、大いなる責任が伴う」が出たとき狼狽した。退場、哀しいよ。

●三人のスパイディ
おかえりなさい、ピーター(演:トビー・マグワイア)。
みんなのスパイディといえば貴方だ。サム・ライミ版では悶々したり浮かれたり別人のようにころころ変わる顔に魅了され、MJとの大波小波に一喜一憂。弟トムホの暴走を制した姿が素敵。腰を大切に。

おかえりなさい、ピーター(演:アンドリュー・ガーフィールド)。
マーク・ウェヴ版では飄々としてお調子者でも、グウェン(演:エマ・ストーン)や友達を助けたい熱意はとても強く、戦い方もかっこよかった。今度こそ!今度こそは!と堕ちる彼女を救った姿とその表情、よかったね。涙あふれたよ。

いってらっしゃい、ピーター(トム・ホランド)。
まるで、のび太がドラえもんを頼り、ひみつの道具を独善的に誤用して強烈なしっぺ返しを喰らったかのよう。一人の少年が受け止めるに重すぎる結果を招いて。みんな悩んで大きくなって迷って惑って複雑なんで善かれも裏目に出まくって。ラストの離別は切ないが、その顔つきにもうMCUのお荷物じゃない、もうお子様と呼ばせない成長と決意と覚悟を見た。後戻りできないなら前を向くしかない。再登場に期待をこめてスイングを見送ります。ひとりに見えてもひとりじゃないから。


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